2022.08.03

<2022年版・連載>この夏の読書感想文に! 学年別おすすめ作品(小学校5・6年生)

ここ数年の新刊から、読書感想文におすすめの作品を学年別に3回にわけてご紹介します。
第3回は「小学校5・6年生」むけです。

(*<2022年版・連載>「小学校1・2年生」むけ読書感想文におすすめの作品はこちら)
(*<2022年版・連載>「小学校3・4年生」むけ読書感想文におすすめの作品はこちら)

<小学校5・6年生>

 


◆人気作家いとうみくさんのデビュー作
『糸子の体重計』
(いとうみく 作/佐藤真紀子 絵)256ページ

食べることが大好きな細川糸子。
転校生の高峯さんが体重のことをからかわれたのをかばったことから、なんと糸子がダイエットをすることに……。
糸子と、町田良子、高峯理子、坂巻まみ、滝島径介のクラスメイトたち5人それぞれの視点から描かれた短編5編からなる、小学校高学年から大人の方にもおすすめの人気作品です。

*第46回日本児童文学者協会新人賞
*全国学校図書館協議会選定
*日本図書館協会選定




 


◆『糸子の体重計』待望の続編!
『ちいさな宇宙の扉のまえで』
(いとうみく 作/佐藤真紀子 絵)312ページ

いとうみくさんデビュー10周年!
思いは言葉にしなきゃ伝わらない。でも、困らせるから、いまは伝えない。いつかきっと……。
6年生になった糸子たちの続きの物語。

*著者インタビュー
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2685

*紹介記事
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2699


 


◆わたしの1日がもっとすてきになりますように!
『ひまりのすてき時間割』
(井嶋敦子・作 丸山ゆき・絵)207ページ

「朝のおまじない」「夜のおまじない」……。
やりたいことがあると夢中で突っ走る元気な女の子、ひまりの「時間割」を開いたら?
ADHDと自閉スペクトラム症(ASD)の特性を持つ主人公ひまり。
ひまりが自分のありのままを見つめ、受け入れ、好きになっていく様子が「時間割」をとおして読み手に迫ってきます。

*全国学校図書館協議会選定
*日本子どもの本研究会選定
*厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財(2021年)
*長野県社会福祉審議会児童福祉専門分科会 推薦図書(2022)

*紹介記事
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2535


 


◆私たちにできることは?
『見すごせない! 海洋プラスチック問題 』
47ページ(グループ・コロンブス 編/井田仁康 総合監修/保坂直紀 指導)

日本が排出した大量のプラスチックごみの行方は? プラスチックごみで苦しむ生き物たちの現状、日本のリサイクル事情、行政や企業のさまざまな取り組みなどを、写真を交えてわかりやすく解説します。
「SDGsでかんがえよう 地球のごみ問題」シリーズ収録の1冊です。

*全国学校図書館協議会選定

*紹介記事
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2328
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2400


 


◆見ている景色はみんなちがうけれど、歩みよることはできる
『空から見える、あの子の心』
(シェリー・ピアソル作 久保陽子訳 平澤朋子絵)344ページ

エイプリルが気にかけている男の子、ジョーイ。寝そべったり、校庭を歩き回ったりする不思議な子。その行動には意味があって……。
視覚的な特性をもつために、他人とうまくかかわることができない男の子ジョーイと、周囲の変化についていけず、自分を「はみだし者」だと感じているエイプリルとの心の交流を描く。

*全国学校図書館協議会選定
*福井県優良図書推奨(2022年)
*紹介記事
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2562


読書感想文におすすめの作品を学年別に3回にわけてご紹介しました。心に残るお気に入りの1冊を、ぜひこの夏みつけてみてくださいね。こちらの昨年の記事でも、『しっぱいにかんぱい!』など、読書感想文におすすめの作品を学年別にご紹介しています。
ぜひあわせてご覧ください。

https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2412
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2417
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2418
ちいさな宇宙の扉のまえで

単行本図書

ちいさな宇宙の扉のまえで

いとうみく 作/佐藤真紀子

細川糸子と同級生の、町田良子、坂巻まみ、滝島径介。そして、転校生の日野恵。この5人の視点で語られる、5つの物語。

6年1組・細川糸子。がさつで粗雑と言われるが、そのまっすぐな言葉は、かかわる人に時に大きな影響を与えることを、当の本人は知るよしもない。おいしいものを食べることが生きがい。
糸子が盲腸で入院している間に転校してきた日野恵。糸子との距離をグイグイつめて親友であろうとするが、糸子にはその真意がはかりかね、消耗するばかり……。
転校すればリセットできる。新しい自分になれる、そう思っていたけど、わたしはニセモノの仮面をかぶっていただけ。そんなわたしに本当の友だちなんてできるはずがない。
町田良子。才色兼備でクールな一面の裏で、糸子との出会いによって、他者とかかわる心地よさに気づき、あるべき自分を探し求める。思いはことばにしなきゃ伝わらない。わたしもいつかきっと。
坂巻まみ。町田良子に憧れる気持ちの真ん中にある、自分自身の感情に気づき、疑い、うろたえて、やはりそうなんだと自覚し向き合う。いまはまだこの思いを言葉にして伝えることはしない。でもいつか、自分自身を好きになれたらそのときは。
滝島径介。母は深夜までスナックで働いている。アパートでふたり暮らしの生活。思いがすれちがう日々。話をしよう。母さんの気持ちを聞いて。オレの思いを伝えて。母さんに大事なことをあきらめてほしくない。オレもオレが幸せになることをあきらめたりなんてしない。ちょっと図々しくなればいい。だいじょうぶ。

前作『糸子の体重計』では5年生だった子どもたちは、6年生になった。
相変わらず、小さなことでいじけて、羨んで、けんかして。
うじうじ悩んで、転んだりへたりこんだり、だれかのせいにしたり、逃げたり。
そして迎える、卒業式。

  • 小学5・6年~
  • 2022年5月27日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み
空から見える、あの子の心

単行本図書

空から見える、あの子の心

シェリー・ピアソル 作/久保陽子 訳/平澤朋子

エイプリルは、まわりの子たちが恋やおしゃれに目ざめていく様子についていけない。同級生と距離をとりたくて、休み時間に年下の子のお世話をするボランティアをはじめた。気にかかるのは、校庭をひとりでうろうろと歩き回ったり、寝そべったりする男の子、ジョーイ。いったい何をしているのだろう?
ある日、エイプリルはジョーイが足で校庭に巨大な絵をかいていることに気がつく。渦巻き、タイガー、ピザ、雪の結晶……ジョーイのかく絵は壮大なアートだ! そんなジョーイを、そっと見守るエイプリルだが、ひょんなことから絵のことが学校中にしれわたり、ジョーイにとんでもない依頼がまいこむ……。
自閉的な性格で、自分の言葉で気持を伝えることが苦手なジョーイ。そんなジョーイを理解しようと向き合う少女エイプリル。ふたりの出会いが、学校をまきこんだおおごとに発展していく!

  • 小学5・6年~
  • 2021年12月22日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み
ひまりのすてき時間割

単行本図書

ひまりのすてき時間割

井嶋敦子 作/丸山ゆき

ひまりは、やりたいことがあると夢中で突っ走る元気な女の子。じっとしていられなくて、わすれもの一番、ケアレスミス一番、ケンカっぱやいの一番だけど、明るくて、みんなから愛されていた。ところが、六年生になった途端、まじめな担任・安部深雪先生とそりが合わず、しかられてばかり。ついには、「ティッシュ万札事件」が起こった。ひまりのポケットティッシュに、なぞの一万円札が入っていて、大さわぎになってしまったんだ!
親友の真由が心配していたら、ひまりはしだいに元気を取りもどした。そして、「見て見て!」といいながら、ひまりがてわたしてくれたのが、「ひまりのすてき時間割」。ひまりが、「すてき」を目指して試行錯誤する毎日をつづったノートだった。
ひまりはどんな思いを抱えているんだろう? 元気になった理由は何だろう? 朝のおまじない? ただいまのおまじない? 夜のおまじない? 真由が、気になって「ひまりのすてき時間割」を読み進めていくと……。

  • 小学5・6年~
  • 2021年11月15日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
見すごせない! 海洋プラスチック問題

SDGsでかんがえよう 地球のごみ問題

見すごせない! 海洋プラスチック問題

グループ・コロンブス 編/井田仁康 総合監修/保坂直紀 指導

SDGs(持続可能な開発目標)の観点から、ごみ問題を読み解きます。日本が排出した大量のプラスチックごみの行方は? 私たちにできることとは? プラスチックごみで苦しむ海の生き物たちの現状、日本のプラスチックごみのリサイクル事情、行政や企業のさまざまな取り組み、海外の取り組みなどを、写真を交えてわかりやすく解説します。

  • 小学5・6年~
  • 2021年3月20日初版
  • 定価3,300円 (本体3,000円+税10%)
  • 立ち読み
糸子の体重計

単行本図書

糸子の体重計

いとうみく 作/佐藤真紀子

食べることが大好きな細川糸子、クールビューティー・町田良子、大柄な転校生・高峯理子、町田良子にあこがれる坂巻まみ、細川糸子とは給食の天敵・滝島径介……5人の子どもたちの平凡な日々。つらいこと、悲しいことはしょっちゅうだし、どうしようもなく苦しいときもやってくる。そんなとき、クラスを見渡せば、細川糸子がいる。誰に対しても真っ正面から向き合い、しっかりと相手を見て、思ったことを口にする。大人も子どももじたばたしてけんめいに生きている、そんな地に足のついた読みごたえある物語。

  • 小学5・6年~
  • 2012年4月25日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み