絵本・こどものひろば

はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ

すとうあさえ 文/鈴木まもる

3.11の直後、東北に石油や灯油を届けるために、ディーゼル機関車が活躍したのをご存知ですか? 全国から集められたディーゼル機関車たちが、新潟から福島の郡山へと走ったのです。最初に出発したのが、デーデです。途中、雪でスリップし、立ち往生してしまいます。なんとか郡山に着いたときには、予定の時刻を、3時間過ぎていました。それでも、みんな待っていてくれ、とても喜んでくれました。
実話が元になった絵本です。

  • 第7回 住田物流奨励賞特別賞(2014)
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 初版:2013年11月30日
  • サイズ:19.1×26.6cm
  • 頁数:40頁
  • 4・5歳~
  • ISBN:978-4-494-02561-9
  • NDC:913

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3.11、東日本大震災で、東北本線、東北新幹線、東北自動車道ともに不通となり、東北への輸送が絶たれました。その時、中越地震を経験していた新潟のJR貨物の方たちを中心に、燃料を届ける取り組みが始まります。電気の通っていない磐越西線を使うため、全国からディーゼル機関車が集められます。また、燃料は横浜の根岸から新潟の貨物ターミナルに運ばれます。運転士さんも急遽ディーゼルを動かす研修をして、震災から2週間、3月26日にディーゼル機関車が10両のタンクをひいて出発したのです。

内容説明

3.11の直後、東北に石油や灯油を届けるために、ディーゼル機関車が活躍したのをご存知ですか? 全国から集められたディーゼル機関車たちが、新潟から福島の郡山へと走ったのです。最初に出発したのが、デーデです。途中、雪でスリップし、立ち往生してしまいます。なんとか郡山に着いたときには、予定の時刻を、3時間過ぎていました。それでも、みんな待っていてくれ、とても喜んでくれました。
実話が元になった絵本です。

読者の声

読者さま

心が震えて涙が止まらなかったです。(40歳・女性)

涙が溢れ止まりませんでした。 東北大震災から12年たちましたが、私の心と記憶の中にはまだ辛い出来事として残ってしまっているようです。 この本の一文にあったように、私たちも瞬時に何かおかしい、この地震はちがう、そう感じました。そこから毎日毎時間、次の瞬間への不安がよぎりました。また地震が来るのでは?放射能の雨を浴びるのでは?ガソリンがない、食料がない、連絡がとれない、いろんな不安です。 ですがこの本を読んで、辛いだけの記憶から違う気持ちが生まれたような気がしました。 日本全国で助けてくれた応援してくれてた、みんながそれぞれにできることを力を出してしてくれてた。言葉だけではない、行動での応援支援を知りました。心が震えて涙が止まらなかったです。 息子にも起きた地震のこと話す時が来ると思います。その時はこの本も読んで、不安だけではないことを感じてもらえたらと思いました。
読者さま

東日本大震災が起こったあと、燃料不足になった被災地へ鉄道を使って燃料が輸送されたことは、メディアで大々的にとりあげられることはなかったと思います。JR貨物やJR各社はなんとおくゆかしいことか…。
鉄道を愛する人間のひとりとして、“こういうことがあった”ということを作品にしていただいたこと、うれしく思いました。ありがとうございました。走るデーデの姿、それにたずさわった方々のことを思うと、涙が出てきます。仕事に誇りをもつって大切。
読者さま

(33歳・女性)

東日本大震災を経験し、当時まだ1歳半だった息子に、産まれていなかった娘に伝えていかなければいけないと思っていました。先日本屋でこの本を見つけ、何かずっと残るもので絆の強さを伝えるのにすばらしいと思い購入しました。
読者さま

(7歳・男性)

とてもかんしんしました。ままはないていました。なんかいもよみたいです。イトは小さくても力があってびっくりしました。いまはぼくはたいりょくがないので、たいりょくをつけたいです。
読者さま

当時、自分たちも本当に困り、動きが取れずじっと我慢した一週間、ガソリンが入れられるようになってから、動けるようになったことを思い出します。地元の一人ひとり皆、忘れてはいませんよ。子どもたちも落ち着いてきた今、タイミング的にはとても、良い時期ではないかなと思います。この絵本こそ、地元の子どもたちにとって身近に理解してくれることでしょう。(福島県在住の方より)

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齋藤 勉(さいとう つとむ/JR貨物 東新潟機関区運転士)

書評

MONTHLYかもつ 2014年3月号 SPOTLIGHT
「はしれディーゼルきかんしゃデーデ」作者すとうあさえさんに聞く
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