だいすき絵童話

二年二組のたからばこ

山本悦子 作/佐藤真紀子

たからくんのおとしものを見つけたら入れておく箱が「たから箱」。たからくんは物を大切にしないからおとしても平気な顔してるって、友だちは思ってる。たからくんが日直になった日、生活科室のかぎがなくなって…。

いつもおとしものをしてしまうたからくんをクラスメイトの女の子”みな”の視点から描いた本作。なぜそんなにおとしものをするのか不思議に感じたり、何度も貸してと言われて煩わしく思ったり……みなが、たからくんの思いを知り、受けとめ、本当の仲間になるまで、子どもの素直で揺れやすい心模様が丁寧に描かれています。小学校の教員として長く勤めてこられた著者山本悦子さんの、いろいろな子がいるけれど、みんながありのまま過ごせる、それが「普通」であってほしい、という願いがこめられた物語。
佐藤真紀子さんによる絵もふんだんに入って、子どもたちの表情、教室の空気が伝わってきます。

  • 定価1,100円 (本体1,000円+税10%)
  • 初版:2018年11月15日
  • 判型:A5変型判/サイズ:20.1×15.1cm
  • 頁数:63頁
  • 小学1・2年~
  • ISBN:978-4-494-02062-1
  • NDC:913

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内容説明

たからくんのおとしものを見つけたら入れておく箱が「たから箱」。たからくんは物を大切にしないからおとしても平気な顔してるって、友だちは思ってる。たからくんが日直になった日、生活科室のかぎがなくなって…。

いつもおとしものをしてしまうたからくんをクラスメイトの女の子”みな”の視点から描いた本作。なぜそんなにおとしものをするのか不思議に感じたり、何度も貸してと言われて煩わしく思ったり……みなが、たからくんの思いを知り、受けとめ、本当の仲間になるまで、子どもの素直で揺れやすい心模様が丁寧に描かれています。小学校の教員として長く勤めてこられた著者山本悦子さんの、いろいろな子がいるけれど、みんながありのまま過ごせる、それが「普通」であってほしい、という願いがこめられた物語。
佐藤真紀子さんによる絵もふんだんに入って、子どもたちの表情、教室の空気が伝わってきます。

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書評

母のひろば655号 ぎゅうっ! 2018年12月15日
 《たからばこ》と聞いて、頭の中に浮かんでくるのはなんでしょう? あ、今、金銀財宝がいっぱい詰まった《宝箱》を思い浮かべませんでしたか?あのね、二年二組の《たからばこ》は違うんです。なんと、たからくんの落とし物を見つけたら入れておく《たからくんのはこ》なんですよ。自分専用の落とし物入れができるほど毎日たくさんの落とし物をしているのに、たからくんは気にするふうもありません。授業中もしょっちゅう「かして」と言ってくるので、となりの席のみなちゃんは、とっても迷惑しています。
 落とし物をするのは、物を大事にしないからだ。このまま貸していたら、たからくんのためによくない。今度「かして」って言われたら……。
 お母さんや友達との会話を通して、みなは、いろいろ考えます。
 でも、そんなある日、事件が起きて……。
「先生は、わたしと たからくんを ぎゅうっと だきしめてくれた。」
……たからくんの痛みと健気さ、みなの気づきと後悔、そして、飾りのないふたりの涙が、胸にぐっとせまってきます。泣きじゃくるふたりを抱きしめられる先生が、とってもうらやましくて。も〜、先生、ずるいよ〜。
 佐藤真紀子さんのイラストも物語に深みを出していて、目には見えない大切なたからものが詰まった、「ぎゅうっ」と抱きしめたくなる1冊です。
(くりさわ まり/児童文学作家)
栗沢まり

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