2020.03.08

<季節のおすすめ>ひとりで読めた!「だいすき絵童話」シリーズ

子どもたちにとって絵本から読みものへのかけ橋となることを願い、2018年にスタートした童心社の「だいすき絵童話」シリーズ。
イメージが広がる絵とともに、子どもひとりでも読みきることのできる、バラエティ豊かなおはなしが特徴です。
今回は、小学校1・2年生におすすめの本シリーズをずらっとご紹介します。


『二年二組のたからばこ』(山本悦子・作 佐藤真紀子・絵)

『先生、しゅくだいわすれました』のコンビがおくる、学校を舞台にした物語です。「おとしものチャンピオン」のたからくんをクラスメイトの女の子”みな”の視点から描いた本作。なぜそんなにおとしものをするのか不思議に感じたり、何度も貸してと言われてわずらわしく思ったり……みなが、たからくんの思いを知り、受けとめ、本当の仲間になるまでの、素直で揺れやすい心模様が丁寧に描かれています。学校って、教室ってあったかいところだと改めて感じさせてくれる1冊。



『まえばちゃん』(かわしまえつこ・作 いとうみき・絵)

ななこが、ぐらぐらするまえばをゆらしていると、「どうしてゆらすの?」と口の中で声がします。赤ちゃんのときからいっしょにいたという、まえばちゃんの声でした。それから、友だちとけんかしても、苦手なかけっこのときも、いつもはげましてくれるまえばちゃん。ぜったいぬかないと決めていたのに……幼い子が、自分の内なる親友と対話しつつ成長していく姿を、ユーモラスに描きます。歯の生え変わりという自分の身に起きる不思議から広がっていく物語です。



『タコのターくん うみをでる』(内田麟太郎・作 井上コトリ・絵)

タコのターくんは海を出て、草原まで出かけることになりました。ライオンのラオくんから手紙がとどいたのです。海からでるときは「タコ水」の入ったすいとうをもっていきます。つかれたら、あたまをぬらせばいいのです……。
数々のナンセンス絵本の名作を生み出した内田麟太郎さんによる童話。飄々としたユーモアにのせて、ターくんのゆかいな旅を楽しんでください。



『あらいぐまのせんたくもの』(大久保雨咲・作 相野谷由起・絵)

おばあさんはコインランドリーにやってきました。するとそこには1匹のあらいぐまがいました。「ぼくのハンカチもいっしょにあらってほしいの」。あらいぐまのハンカチには「かなシミ」がしみこんでいました。
あらいぐまの「かなシミ」は、子どもの毎日の中にもきっとあるもの。それをあたたかく受けとめ、そっと背中を押すおばあさんの一言一言は、読者も前向きな気持ちにしてくれます。



『はるかちゃんは、手をあげた』(服部千春・作 さとうあや・絵)
二年二組のはるかちゃんは、教室ではほとんど声を出すことはありません。家ではちゃんとしゃべれるのに、はるかは学校で話すのがこわくて、はずかしくてできないのです。
ところが、となりの席にクラスで一番元気なあきらくんがやってきたことから、はるかちゃんの毎日が変わっていきます。友だちとかかわり合うことで、お互いに思いを響きあわせ成長していく姿が描かれます。



身近なテーマから、本の中だからこそ出会える不思議な物語の世界まで。読書の楽しさを子ども自身で感じられる「だいすき絵童話」シリーズ、ぜひ手にとってみてください。
二年二組のたからばこ

だいすき絵童話

二年二組のたからばこ

山本悦子 作/佐藤真紀子

たからくんのおとしものを見つけたら入れておく箱が「たから箱」。たからくんは物を大切にしないからおとしても平気な顔してるって、友だちは思ってる。たからくんが日直になった日、生活科室のかぎがなくなって…。

いつもおとしものをしてしまうたからくんをクラスメイトの女の子”みな”の視点から描いた本作。なぜそんなにおとしものをするのか不思議に感じたり、何度も貸してと言われて煩わしく思ったり……みなが、たからくんの思いを知り、受けとめ、本当の仲間になるまで、子どもの素直で揺れやすい心模様が丁寧に描かれています。小学校の教員として長く勤めてこられた著者山本悦子さんの、いろいろな子がいるけれど、みんながありのまま過ごせる、それが「普通」であってほしい、という願いがこめられた物語。
佐藤真紀子さんによる絵もふんだんに入って、子どもたちの表情、教室の空気が伝わってきます。

  • 小学1・2年~
  • 2018年11月15日初版
  • 定価1,100円 (本体1,000円+税10%)
  • 立ち読み
まえばちゃん

だいすき絵童話

まえばちゃん

かわしまえつこ 作/いとうみき

ななこが、ぐらぐらするまえばをゆらしていると、「どうしてゆらすの?」と口の中で声がします。赤ちゃんのときからいっしょにいたという、まえばちゃんの声でした。それから、友だちとけんかしても、苦手なかけっこのときも、いつもはげましてくれるまえばちゃん。ぜったいぬかないと決めていたのに……
幼い子が、自分の内なる親友と対話しつつ成長していく姿を、ユーモラスに描きます。
第9回絵本テキスト大賞優秀賞受賞作。

  • 小学1・2年~
  • 2018年11月15日初版
  • 定価1,100円 (本体1,000円+税10%)
  • 立ち読み
タコのターくん うみをでる

だいすき絵童話

タコのターくん うみをでる

内田麟太郎 作/井上コトリ

タコのターくんはうみをでて、そうげんまで出かけることになりました。ライオンのラオくんから手紙がとどいたのです。うみからでるときは、タコ水をいれたすいとうをもっていきます。つかれたら、あたまのてっぺんをぬらせばいいのです。くにゃくにゃぺたん。ターくんがさばくをあるいていると、ガラガラヘビにあいました。「おい、タコ!」ガラガラヘビはどくのあるきばをみせつけました……。
ユーモアたっぷりの絵童話。

  • 小学1・2年~
  • 2019年6月20日初版
  • 定価1,100円 (本体1,000円+税10%)
  • 立ち読み
あらいぐまのせんたくもの

だいすき絵童話

あらいぐまのせんたくもの

大久保雨咲 作/相野谷由起

家の洗濯機がこわれてしまい、おばあさんはコインランドリーにやってきました。するとそこには1匹のあらいぐまがいました。「ぼくのハンカチもいっしょにあらってほしいの」。あらいぐまのハンカチには「かなシミ」というシミがついていました。洗濯を待つあいだ、おばあさんはたずねました。「どんなかなしいことがあったのか、おしえてくれる?」。あらいぐまは「かなシミ」の理由をおばあさんに話してみることにしました。

  • 小学1・2年~
  • 2019年11月1日初版
  • 定価1,210円 (本体1,100円+税10%)
  • 立ち読み
  • 重版未定
はるかちゃんが、手をあげた

だいすき絵童話

はるかちゃんが、手をあげた

服部千春 作/さとうあや

二年二組のほとんどの人は、まだ、はるかの声をきいたことがありません。家ではちゃんとしゃべれるのに、はるかは学校で話すのがこわくて、すごくはずかしくてできないのです。ある日せきがえで、あきらくんがとなりになりました。二年二組でいちばん元気な男の子です。大きな声のあきらくんが話していることがきこえて、はるかは自分も同じだとおもわず「あっ」と小さく声をあげます。はるかの声がきこえたあきらくんは……。

  • 小学1・2年~
  • 2019年11月15日初版
  • 定価1,100円 (本体1,000円+税10%)
  • 立ち読み