2020.07.10

<対談>山本悦子さん×いとうみくさん――日々のすべては物語のタネになる

≪2018年11月30日 童心社にて≫

『先生、しゅくだいわすれました』『神隠しの教室』『二年二組のたからばこ』などの著者、山本悦子さん、そして『糸子の体重計』『かあちゃん取扱説明書』『天使のにもつ』などの著者、いとうみくさん。
お互いの作品についての思い、作家になろうと思ったきっかけ、創作活動について――など、仲のよいお二人ならではの楽しい対談となりました。



お互いの作品について



――お二人の交流はいつごろからなのですか?


山本:もともと作品は知っていたのですが、3年ほど前、共通の友人の出版を祝う会で初めてお会いしました。

いとう:山本さんがいらっしゃるのは知っていたので、ご挨拶に行ったんです。

山本:私は「あーみくさんだー!」って。作品を既に読んでいたので、もう知り合いのつもりになっていて。

――ご本人よりも先に作品と出会われていた、ということなんですね。『先生、しゅくだいわすれました』『かあちゃん取扱説明書』については、お二人が「姉妹本」だと紹介してくださっているとうかがいました。


山本:私が勝手に言いふらしてるんですけどね(笑)。書店に行くと、この2冊を並べてくださっていることがとても多くて。「姉妹本なのでよろしく」と言ってまわっています。

いとう:画家が同じ佐藤真紀子さんということもありますしね。私も「姉妹本、なるほど!」と思っていました。

――山本さんの『二年二組のたからばこ』(2018年11月刊行)、そしていとうさんの『天使のにもつ』(2019年2月刊行)と近い時期に新作を刊行されるお二人。お互いの新作は読まれましたか?


山本『天使のにもつ』をゲラの段階ですが読ませていただきました。『日本児童文学』に連載されていたころから目にしてはいたのですが、こうやって1冊の本になると、より魅力的だな、と。斗羽風汰くん、というチャラチャラした、軽い(笑)、いかにも「中学生にいるな~! こういう子」という主人公が職場体験に行くお話で、「楽をしたい」と考えている子なので、きっと苦労するだろうなと思っていたのですが、案の定苦労して(笑)。エンジェル保育園で子どもたちに振り回されながらなじんでいく様子が微笑ましかったです。読み進めていくうちに、気がつくと風汰くんのことがとても好きになっているんです。みくさんの作品は登場人物がとても魅力的ですし、登場人物のことが好きになるんですよ。風汰くんも素敵だし、子どもたちもかわいいし、エンジェル保育園の先生たちもとても信念をもって働いているし……。しおん君の抱える「にもつ」に気づいてからの風汰くんの心の葛藤は、とても迫力があるというか、重みを感じながら読ませていただきました。そこからのラストは、泣けてしまいました。

いとう:ありがとうございます。

――いとうさんは、『二年二組のたからばこ』を読まれましたか?


いとう:はい。はじめに感じたのは、「山本さんは、学校が好きなんだな~!」ということ。たからくんという何でも落としてしまう子がいて、たからくんの落とし物を入れるための「たから箱」がある、というお話です。語り手になるみなちゃんも、たからくんもとてもかわいい。そしてたからくんが落としたどんぐり一つぶさえもきちんとたから箱に返してあげる、二年二組って素敵なクラスだと思いました。私自身、学校がそんなに好きな子どもではなかったのですが(笑)、山本さんの作品を読んでいると、学校っていい場所なんだなと感じます。信頼できる人がたくさんいるんですよね。友だちも、先生も。みなちゃんは「たからくんが落とし物をしないためには、もう貸さないほうがいいんだ!」とまで思ってしまって――最後にはそうじゃなかったと気づくんですが、そういう子どもの気持ちも隠さず書かれていて、それが、子どもの姿なんだな、と思うんです。著者である山本さんのまなざしがとても優しいと感じます。

――また、これまでの作品からもお互いに1作ずつ選んでいただきました。山本さんからお話しいただけますか?


山本:私は『糸子の体重計』を選びました。これを初めて読んだときは、本当に衝撃的でした。「これ、本当にデビュー作!?」と。5人の子どもたちが出てきて、ある章ではそっけないいじわるな子が、別の章ではまた違う顔を見せていたりと、章を重ねるごとに登場人物がどんどん立体的になっていく。いろいろな見方をすることによって子どもの本当の姿が見えてくるんです。画期的な作品だと思います。そして、誰がどう見ても変わらないのが、糸子なんですよね(笑)。こんな子、クラスに確かにいたな、と。一歩まちがえるとガサツな嫌な子になってしまうんですけどね。絶妙なバランス。何年経ってもこの作品を読んだときの衝撃は忘れられません。



――5人の子ども一人ずつ章を立てる、という構想はもともとあったのでしょうか。

いとう:はじめは最初の章「ダイエット」だけで『糸子の体重計』として同人誌に掲載していただいて、それで満足していたんですけど、そこでいただいた講評で、「まわりの人々への目配りが必要。物語は人を書くことに他ならない」と。私としては糸子をもう書いたという感じがあったので(笑)糸子をふくらませるよりは、真逆の町田良子を書いてみようと思って。

山本:私はマミちゃんのことが「よくわかる!」と思いました。「そうだよ、良子ちゃんのことが好きなんだよ!」と。こんな子いるな、とクラスの人間関係を思いながら読みました。いろいろな面から人物を掘り下げていくという、みくさんの書きぶりがとてもよかったです。

――では、いとうさんが選ぶ山本さんの作品は何でしょうか。


いとう:私は『神隠しの教室』です。最初に読んだときは「すごいな!」と。やっぱり学校が舞台なんですけど、「学校が、守るの!?」と驚きました。その発想はなかったんですよね。誰かが守る、というのは考えられることですけど……。これはやっぱり山本さんでなければ思いつかないことではないかと。この作品に出てくる子どもたちもいろいろな問題を抱えているんですけど、保健室の先生も子どものころいじめられていた、とか子どもの母親が関係してくる、などとても重層的で。ミステリーの要素もあるんですけど、児童文学としての奥深さがあってとてもすごいと思いました。今回読み直してみて、とんでもないことに気づいたんです。今まで気づいていなかったのが申し訳ないのですが……。山本さんってファンタジーも書かれるんだ!って。

山本:そうなんですよ! 私も先日講演会のお題で「ファンタジーとリアリズム」というのがあって、改めて自作を振り返ってみたんですけど、現実にありえないことをファンタジーとするのなら、2:1くらいの割合でファンタジーの方が多かったんです。私自身、リアリズムの作家だと思っていたので、びっくりしました(笑)。

いとう:ですよね(笑)この『神隠しの教室』も、ファンタジーの部分があって、そこも魅力なんだと発見しました。やっぱりファンタジーって子どもは楽しいですよね。『がっこうかっぱのイケノオイ』にしても、私だったら絶対このかっぱ飼ってみるな、って思っちゃう。日常からちょっと離れたファンタジーの世界があって、また戻ってくる――そういうドキドキするような魅力が山本さんの作品にあるんです。なぜ、これまでそれに気づかずにいたんだろうと不思議で…。

山本:私、すごくリアリティにこだわっているんです。時間や場所を超えて――という部分はファンタジーなんですけど、それ以外のところはできるだけリアルに書いているんですよ。例えば校長室に卒業アルバムがあって、それはケースの中にアルバムと文集が入っている、とか、パソコン室はもとは視聴覚準備室だった、とか、本当のことしか書かないようにしています。『がっこうかっぱのイケノオイ』の学校も、勤めていた学校のことを書いているんです。

いとう:言われてみるとなるほどたしかに。やっぱり学校が描かれているからでしょうか。学校、教室のシーンなどが印象として強く残って、とても世界が身近に感じるからかもしれません。

山本:学校ってみんなが知っている場所ですからね。読者の方は自分の知っている学校をイメージできるのではないでしょうか。




作家になるまで



――お二人の視点で2作を語っていただくと、また違った作品の魅力が見えてくるようです。ありがとうございました。ここからは、お二人が作家を志したきっかけについてうかがっていきたいと思います。山本さんは、いつごろ「物語を書こう」と思われたんですか?


山本:小学校5年生のときに友だちが物語を書いていて、「お話って書いてもいいんだ」と気づいたんですよね。それで自分でも書いてみたんです。友だちが書いたお話は今でも憶えていますが、ちょっと怖いものでしたね。家に帰ってすぐにノートに書いて、翌日友だちに見せました。

――それはどんな内容だったんですか?


山本:心が入れ替わるお話でした。主人公が車の助手席に乗っていて交通事故に遭ってしまうんだけど、事故に遭う寸前に友だちを見かけて、心が入れ替わるんです。「あの子は私の代わりに死んじゃった」と思った主人公は、そのあと大人になり時間を戻る薬を作って、事故の瞬間に戻って、「私があの子の人生を取り戻すんだ」……というような内容でした。

――小学校5年生にしてそんなお話を書かれていたとは驚きです! ぜひ読んでみたいです。もともと物語を読むことは好きだったんですか?


山本:大好きでした。図書館ばかり行っているような子で。そのころはSF作品に特に夢中になっていたんですよね。「SFベストセラーズ」というシリーズがあって、『時をかける少女』『謎の転校生』『幻のペンフレンド』など今思えば小松左京などかなり有名な方々が書いていて。少ないお小遣いで買いあさっては暗記するくらい何度も読んでいました。初めて書いて以来、ずっとその友だちとお話の交換をしていたんです。高校を卒業するまで続けていたんですけど、お話を書くノートが20冊くらいになりました。大人になって読んでみたら、これはだれかに見られてはまずい……というような恥ずかしい内容でしたが(笑)。

いとう:私は一番最初に書いたのは、小学校3年生でした。私はいつも外で遊んでいるような子で、文学少女ではなかったんです。ところが、2週間ほど入院したことがあって。はじめは点滴なんかしてぐったりしていたんですけど、だんだん元気になってきて、そうなると今度は退屈になってきて。持ってきた本や漫画も読んでしまって時間をもてあますようになったんです。それで、「自分で物語を書いてみよう」と思い立ちました。「きつねとうさぎ」みたいな童話を書いたんですが。きつねとうさぎが仲よくなる、というような単純なお話でした。今もノートは取っておいてありますが、怖くて開けません(笑)。でもそのことをきっかけにして「私もお話が書けるんだ」と思えて、書くようになりました。大きくなったら童話作家になりたい!なんて言っていました。

――お二人とも「自分も書いていいんだ」という気づきからスタートされているんですね。その後はどんなお話を書いていったんですか?


いとう:一応物語仕立てにはなっているんですけど、今見てみると、子どものころの自分の不満や愚痴なんですよね。「おこづかいが少ない」とか、「いっぱい持っている子はずるい」とか。笑ってしまうんですけど。

――まるで『かあちゃん取扱説明書』のようですね。


いとう:そうですね。ただ当時は自分の思いをというか欲を(笑)物語に反映させているだけでしたけれど。

――山本さんはいかがでしたか?


山本:私はそういうわけでお友だちと高校までお話交換を続けたんですが、作家になれるとは思わなくて、教員を目指して勉強しました。大学を卒業して教員になってからは、仕事に追われて物語のことはすっかり忘れていたんです。その後、一時期教員を辞めていた時期に雑誌の童話コンクールの広告をたまたま目にして、「書いてみようかな」と思って久しぶりに物語を書きました。そこでちょっとした賞がいただけたんです。童話というのは初めて書いたんですが、もう少し頑張ってみようかな、と思えたんです。そのあととある絵本雑誌の童話賞に応募したところ、最終選考まで残ったんですけど、だめで。次はまた最終選考に2つ残って、そのうちの1つが受賞して、プロになれるかな、と思ったんですけどそんなに甘くはなかったんですよね。その後紆余曲折を経て、ようやく本を出版することができました。

いとう:私は「童話作家になりたい」と言っていたものの、全然書いていなくて(笑)。小学校高学年になるとちょっとその夢を公言するのが気恥ずかしくなってきて、言わなくなりました。でも作文とか、読書感想文など、書くことは好きだったんです。なので、文章を書く仕事がしたいと思って、ライターになりました。ちゃんと物語を書こうと思ったのは、子どもが生まれて子どもに児童文学というものを読むようになってから。私にも書けるんじゃないかと思って、書いては出版社に送って、ということをするようになったんです。


物語はこうしてうまれる



――お二人それぞれのやり方で目標を持ってそれに向かって努力されていたんですね。そうしてプロの作家になられて、現在では多くの作品を出版されているお二人ですが、ふだんの創作活動についてもお話をお聞かせいただければと思います。そもそも物語というのは、どのように思いつかれるものなのでしょうか。


いとう:しょっちゅう考えているんですけど……。新聞に載っていた1枚の写真や、ふと目にしたニュースや、身の回りにいるちょっと変わった人とか(笑)、そういうちょっとしたことがお話のタネになることが多いでしょうか。何でもきっかけになる、ということですが。

山本:私もふだんからいろいろ考えているんですけど、なかなか作品に結びつかない(笑)。『神隠しの教室』なんかは、そうやって少しずつひろったエピソードを集めて一つの物語にした、という感じです。職員室に忘れ物をして「ちょっと取りに行ってくるねー」と教室を出た瞬間、もしここにあるはずのない教室があったらどうなるかな、と思ったり、みんないるはずなのに、学校が急に静まりかえったときは「今私はどこにいるの?」と思ったり。校舎が古くなって建てかえるために取り壊す様子を見たり――、そういう「かけら」が少しずつ少しずつ集まって、できたお話なんです。一つのエピソードでポン! と一つのお話が書けるということはないですね。

――日々の一瞬一瞬の中に物語のタネがあるんですね。いざ書きはじめるときは、こんな展開でこんなふうに終わる――ということは思い描いて進めていかれるんですか?


いとう:私、そのことを山本さんに聞いてみたかったんです! 長いお話もたくさん書かれていますが、辻褄が合わなくなること、ありませんか?

山本:ありますあります。プロットを立てて書きはじめるのですが、途中で「あ、違うな」と思って書きながら少し変えたり、戻って新しい登場人物を足したりするとそれがガタガタッと崩れてきてしまって…(笑)。何度も書き直しました。みくさんは、プロットを立てないそうですね?

いとう:そうなんです。だから辻褄は本当に合わない。戻って書き直し、戻って書き直し、です。連載にしてもできたものを切っていく、という作り方です。山本さんも辻褄が合わなくなるというのを聞いて、ちょっと安心しました(笑)。

――では、いとう先生はゴールがどこかわからずに書いていかれるんですか?


いとう:そうです。ゴールが決まっているものもありますが、だいたいは「こんな世界を、こんな子を書いてみたい」ということをぼんやり思いながら書いていきます。だから、書いている間はすごく気持ちがもやもやしたままなんです。書いている自分が「わけがわからない」と。でも書き進めていくと、だんだん見えてくるんですよね。「あ、この子はこんな子だったんだ」なんて発見もしたりして。書き進めていくうちに、ラストがみえてきます。その瞬間が気持ちいいんです。

――ご自分の感覚、気持ちとも向き合いながら、書いていくんですね。では作品を書く上で、何かを調べたり取材に出かけたり、ということはありますか?


山本:みくさんは、『アポリア』の時、取材をしましたか?

いとう:しました。ライターの仕事で保育園の取材をしていて、東日本大震災のあと被災地の保育園をいくつか訪れたんです。カメラマンと一緒に車で被災地をまわったりお話をうかがったり。実際に見たり、匂いを感じたりしたことは作品を書くにあたってはやはり影響があったと思います。

――山本先生はいかがですか?


山本:わたしは、普段は学校という手近なところを舞台に書いているので、あまり取材をしたことはなかったんです。初めて取材をしたのは、「ポケネコにゃんころりん」シリーズの8巻『影だけのねこの秘密』を書いたときです。原爆がテーマなので、広島に取材に行きました。最初は何でもない日に行って、広島平和記念資料館を見たり、ボランティアの方に案内をしてもらったり、ホテルの位置や川や橋の様子、町の様子など見たりしたんですが、書くにあたって、やっぱりこれは「原爆の日」の朝に行かないととだめだと。それで、もう一度訪れました。風のにおいや空の色、町の空気は原爆が投下した日のものではないけど、でも、「原爆の日」にその場所に立って、初めて見えてくるものがありました。

――お二人の作品を読んでいる読者の子どもたちの中には、物語を書きたいと思っている子も多いと思います。そんな子どもたちへのアドバイスはありますか?


山本:友だちとケンカしてものすごく腹が立ったことも、すごく嫌な思いをしたことも、とっても嬉しかったことも、ぜーんぶお話のタネになるので、いろいろなことを経験して、それを忘れずに憶えておく、ということが大切だと思います。いずれ役に立ちますよ。

いとう:私もそう思います。書きたいという気持ちがあったら、とにかく書くことですね。たくさん書くと、自ずと上手になっていきます。そして、大切なのは、わかっていることを書くんじゃなくて、自分がわからないこと、知りたいと思っていることを書く、ということですね。書き手が言いたいこと、書き手自身がわかっていることを書いても、読んでいる方はおもしろくないんですよ。何だか偉そうな書きぶりになってしまうような気がして。それよりも、書きながら「どうなるんだろう?」と思いながら書いていくと、作品がおもしろくなっていくと思うんです。私もつい、知っていることや言いたいことを書いてしまうことがあるんですが、それだと書いていても楽しくないし、できあがった作品もおもしろくないんです(笑)物語って、書いていて気づきがあるから楽しいんじゃないかなと思います。

――書き手が心を遊ばせ冒険しているからこそ、物語がいきいきとしておもしろくなってくる、ということなのかもしれませんね。


いとう:たとえば主役の脇にいる人物なんて、私は何気なく登場させるんです。でも書いていくうちに意外に大切なキーマンになっていくこともあって、そんな瞬間が楽しい。

山本:とってもよくわかります! 私も「あ、この人はこのために出てきたのか!」と後から気づくことがあるんです。それは嬉しいです。書いていくうちにその人物の新たな一面が見えてきて、それまでのことがすべてしっくりきた、ということもあります。

いとう:それは、山本さんが書いていくうちにその人物に命が吹きこまれていった、ということでしょうね。ただの登場人物でなく、ひとりの人として描いてきた蓄積があってこその気づきなのだと思います。

――作品を通して今の子どもたちに伝えたいことはありますか?


山本:何かを伝えようと思って書いているわけではないんですよね。読んだあとに、少しでも楽しい気持ちになったり、元気が出たりするといいな、とは思っています。
自分の子どものころを思い出すと、とてもおもしろい作品を読んだあとはとてもハイテンションになって、元気になったんです。そしてこの感動を誰かに伝えたい! という気持ちになって。私の作品を読んでくれる子どもたちにも、そんな気持ちを味わってもらえたら嬉しいです。

いとう:私も「これを伝えたい!」と強く思って書いているわけではなくて……結局自分で書きたいものを書いている、というだけなんですが。読んだあとに少し前を向けたり、希望を持てたり、「大丈夫」と思えたり――何となくでもそんな余韻が残るといいなと思います。

――これからもお二人の作品がとても楽しみです!本日は長時間ありがとうございました。




山本悦子さん(左)いとうみくさん(右)
先生、しゅくだいわすれました

単行本図書

先生、しゅくだいわすれました

山本 悦子 作/佐藤 真紀子

しゅくだいをわすれたゆうすけ。しどろもどろに口からでまかせのウソでいいわけをしていると、えりこ先生が「だめだなあ、ウソをつくならもっと上手につかなくちゃ」「え?」「すぐばれるようなのはだめよ。それから、聞いた相手が楽しくなるようなのじゃなくちゃ」「楽しくなる?」「そう。聞いた人がウソとわかっても、はははってわらっちゃうようなのじゃなきゃ」「じゃあ、上手にウソがつけたら、しゅくだいやってなくてもしかられないってこと?」「そうねえ。だって、だまされちゃったらしかたないし」といって、えりこ先生はにやっとわらった。…次の日から子どもたちはしゅくだいができなかったわけを考えてきて発表することに…。

  • 小学3・4年~
  • 2014年10月25日初版
  • 定価1,210円 (本体1,100円+税10%)
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かあちゃん取扱説明書

単行本図書

かあちゃん取扱説明書

いとう みく 作/佐藤 真紀子

ぼくんちで、一番いばっているのはかあちゃんです。今朝も朝からガミガミうるさくって、ぼくはハラがたちました。かあちゃんにいいたいのは、何日も同じごはんをつくらないでほしいです。さいごに、かあちゃんはすぐ「早く」っていうけれど、ぼくが「早く」っていうとおこるのは、やめてほしいと思います。
……ぼくの作文を読んだ父ちゃんは大笑いして「かあちゃんはほめるときげんがよくなるんだ。とにかくほめること。パソコンもビデオも扱い方をまちがえると動かないだろ、それと同じさ」
扱い方! そうか、扱い方さえまちがえなければ、かあちゃんなんてちょちょいのちょいだ!
哲哉はこうして、かあちゃん取扱説明書を書きはじめたのだが…。

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  • 2013年5月25日初版
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神隠しの教室

単行本図書

神隠しの教室

山本悦子 作/丸山ゆき

授業時間中に子どもたち5人が姿を消した。懸命な捜索活動にも関わらず手がかりがない。マスコミは神隠しと騒ぎ立てた。養護教諭の早苗先生には心当たりがあった。小学生の時この学校で不思議な体験をした。クラスメイトにいじめられた時、自分以外誰もいない、もうひとつの学校に行ったのだ。同じことが今この子たちに起きている…ある日保健室のブログに書き込みがある。行方不明になった5人からだった。『ぼくたち、もうひとつの学校にいるよ。早苗先生はどうやって帰ってきたの?』

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  • 定価1,760円 (本体1,600円+税10%)
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糸子の体重計

単行本図書

糸子の体重計

いとうみく 作/佐藤真紀子

食べることが大好きな細川糸子、クールビューティー・町田良子、大柄な転校生・高峯理子、町田良子にあこがれる坂巻まみ、細川糸子とは給食の天敵・滝島径介……5人の子どもたちの平凡な日々。つらいこと、悲しいことはしょっちゅうだし、どうしようもなく苦しいときもやってくる。そんなとき、クラスを見渡せば、細川糸子がいる。誰に対しても真っ正面から向き合い、しっかりと相手を見て、思ったことを口にする。大人も子どももじたばたしてけんめいに生きている、そんな地に足のついた読みごたえある物語。

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二年二組のたからばこ

だいすき絵童話

二年二組のたからばこ

山本 悦子 作/佐藤 真紀子

たからくんのおとしものを見つけたら入れておく箱が「たから箱」。たからくんは物を大切にしないからおとしても平気な顔してるって、友だちは思ってる。たからくんが日直になった日、生活科室のかぎがなくなって…。 ...

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天使のにもつ

単行本図書

天使のにもつ

いとう みく 著/丹下 京子

「頼んでまでして、なんで仕事しなきゃなんないの?しかもタダで」そんな中学2年・斗羽風汰が職場体験先に選んだのは、保育園だった。「子どもと遊んでりゃいいってこと?ありかも」本当に大丈夫なのか、斗羽風汰。

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  • 2019年2月14日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
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くつかくしたの、だあれ?

単行本図書

くつかくしたの、だあれ?

山本 悦子 作/大島 妙子

2年生になって、かなちゃんと同じクラスになった。でもかなちゃんは新しい友だちと外で元気いっぱい遊んでる。ユキは、かなちゃんといちばんの仲よしになりたくて、つい…。大すきな子のくつをかくしてしまった子の気持ちと、かくされてしまった子の気持ち、その両方をていねいに描いた作品です。

  • 小学1・2年~
  • 2013年10月25日初版
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