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いばらの髪のノラ(全3巻)

いばらの髪のノラ(全3巻)

日向理恵子 作/吉田尚令

『いばらの髪のノラ〈Ⅰ〉黄金の心臓』『いばらの髪のノラ〈Ⅱ〉雨の都と月の竜』『いばらの髪のノラ〈Ⅲ〉世界の器』を収録した、3冊セットです。プレゼントにぴったりの美麗ケース付き。

  • 小学3・4年~
  • 2024年9月11日初版
  • 揃定価4,730円 (本体4,300円+税10%)
  • 立ち読み
いばらの髪のノラ 〈Ⅲ〉世界の器

いばらの髪のノラ(全3巻)

いばらの髪のノラ 〈Ⅲ〉世界の器

日向理恵子 作/吉田尚令

ノラに〈黄金の心臓〉を手に入れることはできない。だから、棲み家にも帰れない。棲み家にいても、地面の上でも、だれに会ってもノラは、失敗することしかできない。心臓が暴れている。こんなにおどろきつづけているのだから、とっくに魔法は起きていていいはずだった。けれどもノラの心臓は、まともに脈を打つことすら、できないでいた。起こりかけてはねじまがり、消えてはよみがえる魔法が、ノラのなかで行き場を求めて吹き荒れる。
「……ああああぁあ」地面に顔をすりつけて、ノラは泣いた。涙で魔法がみんな溶けてしまえばいいと思った。そうすればもうノラは、どこにも行けなくなる。なにも望むことができなくなる。(ごめんなさい。最初から、なにもほしいなんて思わなければよかった。なんにも、しなければよかった)棲み家の北の塔で、じっとしていればよかった。足首の鈴が鳴ることがないように、じっといつまでも、息をひそめていればよかったのだ。そうしたら、なにも起こらずにすんでいたのに。
……大きな魔法が働いて、ノラたちは〈あかつきの町〉の僧院にいた。言葉を話すゾウたちの僧院で、ノラは父の墓と、父が書き残した本がここにあることを知る。この町は、神炉の火をたくわえる研究をしていた人間たちの町だった。図書館で父の本を見つけるが、書かれていたことに打ちのめされるノラ。
――ノラ。すべての魔女は、世界の器になる。器が必要になろうとしている。
おだやかなのに、その声はとても厳しかった。その響きは似ていた、〈ラ〉に、セムに、キサラに、ミダに、ホゥカに、ウラナさんに。たくさんの声に似ていて、けれども、だれとも似ていなかった。
――あなたの歩いてきた世界の入れ物に、あなたはなる。その器が、世界を新しくする。
どういう意味なのか、ノラにはわからない。ただ、知らない響きのその声が、苦しくなるほどなつかしかった。
――さあ、行かなくては。
ノラの肩を見えない手が押す。その力は、悲しくなるほどかすかだ。
食べものをもとめて暴走する神炉は、〈あかつきの町〉を破壊しながら、ゾウたちの僧院をめざす。生け贄になることから逃げ出した男の子・モモがいるのだ。リンゴはモモを守るために、神炉の前に立ちふさがる。そして、神炉は光の束となってリンゴを取りこんでしまう。リンゴは神炉に食べられてしまった。絶望するノラだが、シュユ・シンの助言により、リンゴを助けるためのただ一つの方法を選ぶ。
人間が飼いならすことはできない神炉。もう、神炉がいない世界を選ぶことはできない。でも、魔女が再び地上に戻り、人間と力を合わせることができれば。人と魔女がもう一度、話し合いを重ねながら、共生の道を考え続けることを始めよう――魔法の力をすべて失ったノラは、リンゴとソンガ、三人の姉たちと、再び旅を始める。地上で出会った人たちに、自分が何を見て、何を考えたかを伝えるために。それこそが魔女の仕事なのだ。

  • 小学3・4年~
  • 2024年8月27日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み
いばらの髪のノラ 〈Ⅱ〉雨の都と月の竜

いばらの髪のノラ(全3巻)

いばらの髪のノラ 〈Ⅱ〉雨の都と月の竜

日向理恵子 作/吉田尚令

人間と神炉の共生はそもそもまちがいだったのか、人間と魔女はもうわかりあえないのか…出会う人たちに助けられ、さまざまな想いを受け、仲間とともに、ノラの旅は〈雨鳥の都〉から〈月見の塔〉へと続いていく。

  • 小学3・4年~
  • 2024年6月14日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
いばらの髪のノラ 〈Ⅰ〉黄金の心臓

いばらの髪のノラ(全3巻)

いばらの髪のノラ 〈Ⅰ〉黄金の心臓

日向理恵子 作/吉田尚令

かつて人間とともに地上で暮らしていた魔女は、〈神炉の火〉を手に入れた人間たちによって地上を追いやられて以来、交わることがなかった。主人公の魔女ノラの心臓は生まれてすぐに一度、止まりかけた。ノラの心臓をなおしてくれたのは、地上の人間の医者だった。“魔女は心臓で魔法をかける”??しかしノラは自分の意思ではなく驚いた拍子にしか魔法をかけることができない。一度止まりかけた心臓のせいで、しかも人間にさわらせたせいで。ノラは自分が落ちこぼれの魔女で、姉さんたちのお荷物だと思いながら暮らしていた。ある日ノラは、北の塔の書庫で一冊の古い本に書かれていた「黄金の心臓」という言葉を見つける。それは魔法の力を正しく強くするもので、地上のどこかにあると。ノラは〈黄金の心臓〉を見つけ出すために、地上へと旅立つ。
人間が見つけた〈神炉の火〉とは、神炉という地底の種族が自ら生み出す力を利用することだった。人間は神炉を地上へと引きずり出して利用してきたが、それでも神炉を飼い慣らすことはできていなかった。不安定な神炉が暴走することによる被害も少なくない。神炉の生け贄のために育てられた少女リンゴを、ノラは助け、行動をともにするようになる。
猫と人間のハイブリッドとして作られたタタン。人間の町で出会う少年ヒオ。〈時の牢獄〉にとらわれているシュユ・シン。魚の森の〈ラ〉……さまざまな出会いが、あるときにはノラを支え、あるときには不安で涙を流しながら〈黄金の心臓〉を探し求めるノラの旅がはじまる。

  • 小学3・4年~
  • 2024年4月15日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋と雨かんむりの花

単行本図書

雨ふる本屋と雨かんむりの花

日向理恵子 作/吉田尚令

ルウ子とサラが「雨ふる本屋」へ行くと、舞々子さんのようすがへんです。いつもお茶とお菓子の準備もわすれるので、ヒラメキ幽霊の執筆も進みません。原因は難しいお菓子のレシピだと教えてくれたブンリルーが、ルウ子に「いったい何を連れてきたの?」と言いますが、ルウ子には心当たりがありません。ルウ子がもとの世界から連れてきたのはサーカス団、図書館でだれにも読まれず忘れられているサーカスの物語だったのです……。
大人気「雨ふる本屋」シリーズ第5作。

  • 小学3・4年~
  • 2020年7月1日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋と雨もりの森

単行本図書

雨ふる本屋と雨もりの森

日向理恵子 作/吉田尚令

すきまの世界に、かつて夢みられたまま忘れられた「王国」が氾濫し始めました。〈雨ふる本屋〉でも異変が。白紙のままの巨大な〈雨ふる本〉、収められるべき物語はどこにあるのでしょう。ルウ子とブンリルーは、すべての鍵を握る謎の“影の男”ウキシマ氏を探し出します。そして聞かされた「王国」の姿。ルウ子が突き動かされるように王国の物語を書き始めたとき、すべての歯車が一斉に回り、壮大な「博物館」が出現したのです。

  • 小学3・4年~
  • 2018年6月13日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋とうずまき天気

単行本図書

雨ふる本屋とうずまき天気

日向理恵子 作/吉田尚令

フルホンさんが、「絶滅かぜ」にかかってしまった!それは、生きとし生けるものに絶滅の呪いをかけてしまう病。〈雨ふる本屋〉に、すきまの世界の皆に危機が迫ります。彼らを助けるために奔走するルウ子とサラが出会った摩訶不思議な女の子、ブンリルーの秘密とは……。新しい旅の幕開けです。今回スケールが一段と増したすきまの世界での冒険を通じてルウ子は自分と向き合い、「物語を書くこと」への確かな手応えを得ていきます。

  • 小学3・4年~
  • 2017年5月10日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋の雨ふらし

単行本図書

雨ふる本屋の雨ふらし

日向理恵子 作/吉田尚令

「雨あめ 降れふれ 〈雨ふる本屋〉!」ルウ子と妹のサラがひみつの呪文をとなえて訪れた〈雨ふる本屋〉に、重大な危機がせまります。本屋や図書館を破壊してまわる”ミスター・ヨンダクレ"の目的とは?ルウ子は〈雨ふる本屋〉を、そして妹のサラを救うことができるのでしょうか?冒険の日々がはじまります。読みおわったときに、心がほっとするファンタジー。

  • 小学3・4年~
  • 2012年10月30日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
魔法の庭へ

単行本図書

魔法の庭へ

日向理恵子 作/三角芳子

「〈魔法の庭〉を見つけなさい、ミミの子どもの子ども…」むかし魔女だったおばあさんと暮らす少女、ナナミ。狂ってしまった妖精郷の時間を治すため、魔女になることを決意する。しかし〈魔法の庭〉を見つけないと魔女にはなれないという。〈魔法の庭〉とは何なのか?「雨ふる本屋」が好評の著者による創作児童文学第2弾。

  • 小学5・6年~
  • 2010年2月15日初版
  • 定価1,485円 (本体1,350円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫品切・重版未定
雨ふる本屋

単行本図書

雨ふる本屋

日向理恵子 作/吉田尚令

おつかいの帰り、ルウ子は、カタツムリにさそわれて“雨ふる本屋”へ。出迎えてくれたのは、摩訶不思議な本と、ドードー鳥の店主と助手の舞々子、そして妖精たち。ドードー鳥の店主が、ここにある本は、人間に忘れられた物語に、雨をかけてできあがるという……。
「物語」への、愛と信頼をこめたファンタジー。

  • 小学3・4年~
  • 2008年11月20日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み