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オオカミは海をめざす

単行本図書

オオカミは海をめざす

三田村信行 作/北沢夕芸

イリヤ。ぼくたちは、彼のことをそう呼んでいた。 けれどそれは、彼の名前ではなかった。彼にはもともと名前はなかった。人が間に合わせに〃イリヤ〃という名前を彼に与えたにすぎない。もっとも、ぼくたちにとっては、そんなことはどうでもよかった。イリヤはイリヤで、それ以外の何者でもなかった。その名前に、ぼくたちは今でも親しみと懐かしさを感じている。その名前に、憧れを感じる者もいる。もちろんぼくも、みんなと同じように、イリヤに親しみと懐かしさと憧れも感じている。ただひとつだけ、みんなが感じていないものを、ぼくはイリヤに感じていた。

それは、恐怖──。しかし不思議なことに、イリヤに感じていた恐怖こそが、ぼくがイリヤにもっとも引きつけられたところのものなのだ。
イリヤは、ある日突然ぼくたちの前に現れ、強い印象をぼくたちに与えて消えた。イリヤとぼくたちとの関わりを要約してみれば、ただそれだけのことにすぎなかったが、その内実は、謎と秘密と不思議な冒険に満ちていた。

三田村信行の創作は、幼年から高学年まで多岐にわたり、作品数も膨大ですが、一貫して書き続けてきたモチーフが“オオカミ”です。1988年『オオカミのゆめ ぼくのゆめ』を嚆矢とするならば、その集大成とも言える作品が『オオカミは海をめざす』です。
児童文学というジャンルすら忘れさせる、一級のミステリー&エンターテインメント作品。

  • 小学5・6年~
  • 2025年7月発売予定
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 予約受付中
山の神の使い

単行本図書

山の神の使い

最上一平 作/マメイケダ

山形にすむぼくのじいちゃんは、ちょっと不思議な人で、なんでも自分でつくってしまえる。大河という名前をつけてくれたのもじいちゃんだ。5月の休みに、ぼくととうさんは、じいちゃんちにいくことになった。山あいにある田んぼの田植えを手伝うのだ。にゅるっと弾力のある田んぼの泥、月山の残雪にあらわられる田植え馬、若葉の緑のにおい。じいちゃんが教えてくれることを、ぼくは身体いっぱいで見て聞いて感じたーー。

春、夏、秋と、祖父のすむ山形を訪れるぼくの目を通して、自然の雄大さと、家族のいとなみが、みずみずしく描きだされる。

  • 小学3・4年~
  • 2025年8月発売予定
  • 定価1,870円 (本体1,700円+税10%)
  • 予約受付中