しっぺいたろう
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昔、旅の坊さんが、ある村を通りかかった。その村はまつりが近づくとどこかから白い矢がとんできて、ささったうちは神様に娘をお供えしなければならないという。その正体は化け物だと見抜いた坊さんは……。
- 文部科学省選定
- 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
- 初版:2018年1月1日
- 判型:B4判/サイズ:26.5×38.2cm
- 頁数:12場面
- 4・5歳~
- ISBN:978-4-494-09271-0
- NDC:913
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内容説明
昔、旅の坊さんが、ある村を通りかかった。その村はまつりが近づくとどこかから白い矢がとんできて、ささったうちは神様に娘をお供えしなければならないという。その正体は化け物だと見抜いた坊さんは……。
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書評
- 母のひろば652号 「白羽の矢」から娘を救うのは? 2018年10月15日
- 日本では、「人柱」や「人身御供」といった、うそのような本当の話が各地に伝わっています。天災や水難から村や人間を守る「お祓い」のため、誰かをいけにえとして、生き埋めにしたり、捧げたりするという話です。
ある家の屋根に、1本の「白羽の矢」がつきささった場面からこの『しっぺいたろう』は始まります。画家の田島征三さん独特の深緑をした屋根にささった白い矢に、観客の目は集中します。この村では、祭りのたびに「白羽の矢」が立てられた家の娘を神にささげなければならないのです。
通りがかった坊さんはその話を聞き、神の正体がヒヒという猿の化け物だと見抜きます。そして、化け物が一番怖がっているという「しっぺいたろう」を、何日もかけて探し出し、祭りの晩に両者を遭遇させます。「しっぺいたろう」は実は犬だったのです。血みどろの闘いのあと、勇ましく立っていたのは、しっぺいたろう。迫力ある絵に圧倒されます。助けられた村人たちは、しっぺいたろうのお堂を建てて、今でも大切に拝んでいるそう。
脚本の津田真一氏の解説によると、人身御供の風習に苦しむ村を勇敢な犬が救うお話はほかに、「早太郎」や「猿神退治」などの名で日本各地に残されているとのことです。ここ宮川(伊勢市)でも、かつて川の災害から村を守るためお坊さんが人柱となったそうで、今でも堤防に碑が建っています。 - 橋村孝子(はしむら たかこ/紙芝居ピッポの会事務局)
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