童心社のおはなしえほん

おつきさま ひとつずつ

長野ヒデ子

ぽっかり月がでています。小さいあこちゃんは、おかあさんと手をつないでかえります。「おかあさん、おつきさまがついてくるよ」「そうよ。おつきさまは、あこちゃんがだいすきだからよ」「ねえおかあさん、アフリカにもおつきさまある?」「あるわよ」「イギリスにもある?」「あるよ」「おつきさまがみーんなにひとつずつあって、よかったね」あこちゃんは安心して、お家にかえりつきました。
心にのこる月夜のおはなしです。

  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 初版:2019年9月1日
  • 判型:B5変型判/サイズ:20.7×22.7cm
  • 頁数:28頁
  • 3歳~
  • ISBN:978-4-494-01633-4
  • NDC:913

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内容説明

ぽっかり月がでています。小さいあこちゃんは、おかあさんと手をつないでかえります。「おかあさん、おつきさまがついてくるよ」「そうよ。おつきさまは、あこちゃんがだいすきだからよ」「ねえおかあさん、アフリカにもおつきさまある?」「あるわよ」「イギリスにもある?」「あるよ」「おつきさまがみーんなにひとつずつあって、よかったね」あこちゃんは安心して、お家にかえりつきました。
心にのこる月夜のおはなしです。

読者の声

読者さま

あこちゃんの問いにこたえるおかあさんがすてきです。(80歳・女性)

なんきょくにもアフリカにもアメリカにもひとつずつあるお月さま。あこちゃんは、ゆっくりゆっくりおかあさんと手をつないでかえります。あこちゃんの問いにこたえるおかあさんがすてきです。よぶんなことを言わないで、「そうね」とこたえるおかあさんのゆとりある対応が好きです。「ひとつずつかあ いいなあ〜」 という、おとうさんもすてき。
読者さま

ステキな絵本をありがとうございます(31歳・女性)

図書館で借りて、1歳半の娘に読みきかせました。いつもは読み終わらないうちに、ページをパラパラと先にめくっていた娘が、じっと話を聞いていました。本を返却した後も、娘は他の絵本に月が出てくると「こんばんは」と言うようになりました。ふとした時に「まんまるなー」とも唱えています。本を買って娘に見せると大興奮していました。
ステキな絵本をありがとうございます!

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 『おつきさまひとつずつ』の中で、母は何を描こうとしたのだろう? 月夜の下を歩くと、おつきさまが一緒についてくるのがうれしいあこちゃん。世界中の国におつきさまがひとつずつあるのかと不思議に思い、おかあさんに尋ねるあこちゃん。無邪気で突拍子もないあこちゃんの言葉におかあさんは共感し、「あるわよ」「そうね」「ほんとね」とありのままに受け止め、肯定してくれる。そして、あこちゃんと世界のあちこちの夜空に月がたたずんでいる様子を思いめぐらす。

 あこちゃんの月への思いは子どもらしく、偽りがない。実際、地球から一番近い距離の天体である月は、地球にはかりしれない影響を与え、あらゆる生き物の生活や存在に作用する。ちいさいあこちゃんは、もちろんそんなことなど分からないが、そのような思いに至るのは、月がそれほどにもあこちゃんの心を動かし、大きく作用しているからなのだろう。自然の力はすごい。子どもの心を一瞬にして捉える。だからこそ、おかあさんもそういう時、「月はひと一つしかないのよ」と言わず、「ひとつずつ」というあこちゃんの言葉に特別な意味を見出し、「そうね」と言ってくれたのかもしれない。

 今や二人の娘を子育て中の私は、幼児期の子どもの言葉がいかに衝撃的で印象深いものであるかを目の当たりにする。この間、レストランで使用禁止のトイレに遭遇した4歳の次女は、「なんで?あけたら、へびがいっぱいでてくる?」と真顔で私に尋ねた。吹き出しそうになるのをこらえて、「じゃあ、あけてみようか?」と提案したら、彼女はよりいっそう真顔になり、拒絶した。子どもの想像力たるやとてつもない。娘たちの月への興味や疑問も尽きない。空に月が見えただけで興奮し、月に何か呼びかけている。そして、十五夜のお月見を何より楽しみにしている。幼い娘たちのそんな姿を見て、ちいさいあこちゃんのおかあさんの気持ちが分かる。そして、おつきさまがみんなにひとつずつあってよかったと心から思うのだ。
長野麻子(東京成徳大学子ども学部子ども学科教授) 母のひろば665号より