2021.06.24

<イベント>6/24より「ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道」がはじまりました。

『おしいれのぼうけん』など、数々の絵本や紙しばいを手がけた田畑精一さんが亡くなって1年が経ちました。

その田畑精一さんの画業を偲ぶ展覧会「ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道」が、6月24日(木)より、東京池袋の「ギャラリー路草」にてはじまりました。
本展覧会は、田畑さんと親しかった絵本作家や編集者などが集まった実行委員会が主催するものです。

24日に行われた関係者のみのささやかなオープニングセレモニーでは、田畑さんと深いご親交があり、本展覧会の実行委員長で絵本作家のいわむらかずおさんが、はじまりのご挨拶をされました。

「田畑さん!」と会場に掲げられた大きなお写真に語りかけた、いわむらさん。
友人として心に残る田畑さんとの思い出を語り、「平和」と「子ども」を大切にした作品づくりや「子どもの本・九条の会」の活動など、信念を貫いた田畑さんの絵本作家人生についてもお話しされました。

最後に「田畑精一さんの仕事と、その生き方に拍手を送りましょう」と呼びかけられ、会場は大きな拍手に包まれました。



本展覧会では、世代を超えて読みつがれ230万部超のロングセラーとなった『おしいれのぼうけん』のピエゾグラフ、先天性四肢障害児父母の会との共作『さっちゃんのまほうのて』、「日・中・韓 平和絵本」シリーズの1冊『さくら』など、絵本や読み物、紙芝居の原画が約120点展示されています。
田畑さんが若いころ制作に関わった人形もご覧いただけます。

会場には、田畑さんが描いたたくさんの子どもたちのいきいきとした姿があふれています。
1作1作どう描くかこだわりぬいたという田畑さんの情熱、そして子どもたちへの大きな愛が伝わってきます。


田畑精一さんのお写真が掲げられた第1会場「路」。たくさんの原画や、本・紙しばいが展示されています。



第2会場「草」。こちらには長年表紙を手がけた月刊誌『日本の学童ほいく』の原画も展示されています。


6月末に刊行される田畑精一さんの言葉を集めた書籍『ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道』が会場にて先行販売されています。
こちらもぜひお手にとってみてください。

「ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道」は6月29日(火)まで。


■主催:「ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道」実行委員会
■会場:ギャラリー路草
    (東京都豊島区南池袋2-25-5 藤久ビル東五号館14階 03-5843-3371)http://gallery-michikusa.jp/
■会期:6月24日(木)〜 6月29日(火)
■開館時間:11時〜 18時(入場は 17時30分まで。最終日は15時閉場)
■入場料:1000円、高校生以下無料
■お問い合わせ:童心社編集部 03-5976-4402(月曜~金曜 9:00~17:00)
おしいれのぼうけん

絵本・ぼくたちこどもだ

おしいれのぼうけん

ふるたたるひたばたせいいち

お昼寝前に、ミニカーのとりっこでけんかをしたさとしとあきらは、先生に叱られておしいれに入れられてしまいます。そこで出会ったのは、地下の世界に住む恐ろしいねずみばあさんでした。
ふたりをやっつけようと、追いかけてくるねずみばあさん。でも、さとしとあきらは決してあきらめません。手をつないで走りつづけます―。80ページものボリュームがありながら、かけぬけるように展開するふたりの大冒険。1974年の刊行以来多くの子どもたちが夢中になり、版を重ねてきました。累計239万部を超えるロングセラー絵本。

  • 3歳~
  • 1974年11月1日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫僅少
さくら

日・中・韓平和絵本

さくら

田畑精一

桜の花咲く春に生まれたぼく。その年に侵略戦争が始まり、教科書も新聞も戦争の色にぬりかえられました。ぼくも桜の花のように散れ、散れと教えられます……。しかし、戦争が終わり、父を失い、多くの人が亡くなり、家族の生活は悲惨さを極めます。大人になったぼくに、桜の老木が語りかけます。「戦争だけはぜったいにいかん!」と。
日本の絵本作家が呼びかけ、中国、韓国の絵本作家とともにつくる、「日・中・韓平和絵本シリーズ」の1冊。

  • 小学1・2年~
  • 2013年3月26日初版
  • 定価1,760円 (本体1,600円+税10%)
  • 立ち読み
ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道

単行本図書

ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道

『ありがとう絵本作家・田畑精一の歩いた道』実行委員会

<子どもたちをできるかぎり“いきいき”と描きたいと思っている。“いきいき”ということは、絵の中の子どもたちにちゃんと「いのち」があること>『おしいれのぼうけん』の作者であり、なかまたちとともに日本の新しい子どもの本の世界を切りひらいた絵本作家・田畑精一。その数々の言葉を紹介。戦争を体験して、絵本作家になるまでのこと。絵本の表現や、子どもたち、自作絵本への想い……。そこには子どもの本づくりの原点が!

  • 一般~
  • 2021年7月2日初版
  • 定価1,320円 (本体1,200円+税10%)
  • 立ち読み
ひ・み・つ

たばたせいいちの絵本

ひ・み・つ

たばたせいいち さく

ゆうきはおばあちゃんの大切な《ひみつ=願い》のために、一生懸命がんばります。そして…。

  • 4・5歳~
  • 2004年5月30日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
おとうさん

紙芝居ベストセレクション 第1集

おとうさん

スマトラの民話 より/与田凖一 脚本/田畑精一

南の島にひとりぼっちで住んでいた、魔物のマンガラン・グリーン・ベクーは、川で水あびをして遊んでいたお父さんとぼうやをみて、二人がうらやましくなります。ふしぎな呪文をとなえてお父さんそっくりに化けたマンガラン・グリーン・ベクーは、自分が本当のお父さんだと、ぼうやを連れていこうとします。どちらが本物のお父さんか見分けがつかないので、島の王様に相談することになりました。王様はお父さん二人に、交代でぼうやをたいこに入れて山のぼりをするよう命じますが……。

  • 3歳~
  • 1968年6月1日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
ダンプえんちょうやっつけた

絵本・ぼくたちこどもだ

ダンプえんちょうやっつけた

ふるたたるひたばたせいいち

港や工場でたくさんの人が働いている、ひがしはまの町。この町のまん中にわらしこ保育園があります。体の大きな園長先生は、こどもたちからダンプえんちょうと呼ばれています。わらしこ保育園の年長クラスくじら組は全部で9人。くじら組でいちばん小さい子はさくらです。すぐ「こわいんだもーん」というので、みんなはさくらのことを弱虫だと思っています。
「ひがしはまの町中が、わらしこの運動場だよ」
神社の石段はすべりだい、じぞう山の太い木のつるは、ブランコです。
ある日、ダンプえんちょうとひなた山にやってきたくじら組の9人は、ほら穴をみつけて、海賊ごっこをはじめます。
さくらはお姫様の役になりますが、海賊からかくれているお姫様がつまらなくなり、今度は自分から海賊になります。さくらは海賊になりきって、こわかったチャンバラごっこが、できるようになります。海賊になったこどもたち9人は、正義の味方ダンプ丸に、宝物をかけていどみますが……。

『おしいれのぼうけん』につづく「絵本・ぼくたちこどもだ」シリーズ第2作。古田足日さん・田畑精一さんによる、集団のあそびの中で成長していく子供たちの姿を描いたロングセラー絵本。石巻市に実在した「わらしこ保育園」の実践をもとにした作品です。108ページの長編絵本です。お子様と読む時は、2、3回に分けて読んでも楽しめます。

  • 3歳~
  • 1978年4月20日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み