2023.07.18

<新刊図書>かぼちゃの旬はいつ? たべもの産地図鑑 ①野菜

身近な食べ物なのに、知っているようで知らない情報が満載の新シリーズ「どこからきたの? たべもの産地図鑑」(全4巻)

『①野菜』『②果物『③水産物』『④穀物・畜産物』から、今回は『①野菜』をご紹介します。


とつぜんですが、問題です。
かぼちゃの生産量が最も多い都道府県は、どこでしょう?


……答えは北海道。
国産かぼちゃの約半分が、北海道で生産されています。

では、かぼちゃの収穫量が最も多い時期はいつでしょう?


……答えは夏から秋まで。
12月下旬の冬至に食べられることから、かぼちゃには冬のイメージもありますが、キュウリやスイカと同じ、ウリの仲間だと聞くと、夏の時期の収穫量が多いのも納得です。

「じゃあ、冬至に食べているかぼちゃは、どこのかぼちゃ?」と気づいたあなたはするどい!
冬至の頃までは、貯蔵された国産かぼちゃも出荷されていますが、冬から春にかけて出回るかぼちゃの多くは実は輸入かぼちゃなんです。



東京の中央卸売市場の実績を見ると、8月から10月にかけて北海道産のかぼちゃが市場に出回り、そのあとメキシコ産、2月頃からはニュージーランド産と続き、国産かぼちゃが少なくなる時期を補っているのがよくわかります。

これら輸入かぼちゃは、じつは日本でつくられている西洋かぼちゃの種から育てられたもの。

野菜には成長出荷に適した時期がそれぞれにありますが、日本でかぼちゃを作りにくい季節になると、日本と季節が反対のニュージーランドやメキシコで、日本のかぼちゃを作っていることがわかってきます。
他にも、「かぼちゃで食べているのは『中果皮』という厚くやわらかい皮の部分」であること、かぼちゃの品種の違いなど、目からウロコの発見も!


以上、ご紹介したのは、『①野菜』の「かぼちゃ」でした。


『①野菜』本編には、ご紹介したかぼちゃをはじめ、キャベツ 、トマト、にんじん、たまねぎ、じゃがいもなど、15種の主要な野菜が取り上げられていて、知っているようで知らなかった、それぞれの野菜についての情報がぎゅっとつまっています。



コラムや資料編では、「野菜が一年中食べられるわけ」「 野菜ごとの収穫量・産出額」「 輸入野菜はどこから?」といった切り口から、野菜の生産や自給率を幅広い視点から学ぶこともできます。

グラフ、表がたくさん入っており、必要な情報を読みとり整理していく、調べ学習にぴったりのシリーズ。大人の方が読んでもおもしろく、興味深い情報が満載です。

小学5・6年生から/56ページ
井田仁康 監修/グループ・コロンブス 編
https://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494018772



どこからきたの? たべもの産地図鑑

どこからきたの? たべもの産地図鑑

井田仁康 監修/グループ・コロンブス

毎日食べている野菜や果物、肉や魚。どこでだれがつくり、どんなふうに運ばれて、スーパー、そしてわたしたちの食卓へ届いているのでしょう。主要な食べ物の、国内外の産地をとりあげ、生産や輸送の工夫、自給率、持続可能な生産について考えます。小5社会「日本の国土」「日本の食料生産」に対応。
『①野菜』、『②果物』、『③水産物』、『④穀物・畜産物』の4冊セット。

  • 小学5・6年~
  • 2023年3月31日初版
  • 揃定価14,960円 (本体13,600円+税10%)
①野菜

どこからきたの? たべもの産地図鑑

①野菜

井田仁康 監修/グループ・コロンブス

身近な野菜について、おもな産地を紹介。それぞれの土地の気候や自然条件をいかした工夫によって、時期をずらした栽培や貯蔵管理が行われ、一年中野菜が供給されるしくみがわかります。また、流通やスーパーに届くまでも紹介。小5社会「日本の国土」「食料生産」に対応。

  • 小学5・6年~
  • 2023年3月31日初版
  • 定価3,740円 (本体3,400円+税10%)
  • 立ち読み