単行本図書

新版 科学者の目

かこさとし 文・絵

科学技術史に偉大な足跡をのこした41人の発想や着眼点のユニークさを、工学博士・技術士としての視点からわかりやすく描いた人物伝。
1969年11月から朝日新聞日曜版の子ども欄に連載後、1974年に刊行され、子どもたちに科学への興味と科学者への憧れを抱かせる本として、多くの読者の心に残る作品でした。
本書『新版 科学者の目』では、巻末の科学技術史略年表を更新、かこさとしさんのご長女・鈴木万里さん(加古総合研究所)のあとがき、日本の子どもたちの科学への関心に心を注いだ、科学者かこさとしさんの姿が心にせまる伝記集です。

  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 初版:2019年7月5日
  • 判型:A5判/サイズ:21.7×15.5cm
  • 頁数:199頁
  • 小学5・6年~
  • ISBN:978-4-494-02057-7
  • NDC:402

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 新版 科学者の目[全1巻]

内容説明

科学技術史に偉大な足跡をのこした41人の発想や着眼点のユニークさを、工学博士・技術士としての視点からわかりやすく描いた人物伝。
1969年11月から朝日新聞日曜版の子ども欄に連載後、1974年に刊行され、子どもたちに科学への興味と科学者への憧れを抱かせる本として、多くの読者の心に残る作品でした。
本書『新版 科学者の目』では、巻末の科学技術史略年表を更新、かこさとしさんのご長女・鈴木万里さん(加古総合研究所)のあとがき、日本の子どもたちの科学への関心に心を注いだ、科学者かこさとしさんの姿が心にせまる伝記集です。

読者の声

読者さま

かこさとしさんの暖かい眼差しが文章に現れており、自分が科学好きになったきっかけとなった本です。(55歳・男性)

子供の頃、恐らく図書館で読み、その後フォア文庫版を購入し、今でも持っています。 記憶に残るのは、レフ・ランダウと日本人の女性科学者ですが、目次を見て、その方が丹下ウメさんだと思い出しました。その他にも、確か100までの加算を瞬く間に行った幼き日のガウス、千里眼を暴いた山川健次郎など思い出します。  いずれの科学者についても、かこさとしさんの暖かい眼差しが文章に現れており、自分が科学好きになったきっかけとなった本です。また、この本が新版で出されるというのは大変嬉しい事です。
読者さま

偉人の業績が分かりやすくまとめてあり、1人ひとり読んでいくのが楽しかった。(図書館関係者さん・女性)

文章スタイルが定形で、知られざる偉人の人となりから紹介が始まり、親しみを持ちながら読み進めることができるところが良い。
朝時間など決められた時間に区切りよく読める点もよい。
カラーページもなく、地味で固い印象を受けるが、偉人の業績が分かりやすくまとめてあり、1人ひとり読んでいくのが楽しかった。

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書評

毎日新聞 2019年12月8日 書評執筆者が選ぶ「2019 この3冊」
磯田道史(国際日本文化研究センター准教授・日本近世・近代史)
母のひろば663号 (2019年8 月15日発行)
鋭く優しいかこさんの「目」

 古今東西の科学者41人の業績と生涯を描いた読み物ですが、その人選も描きかたも、かこさんならではのユニークなものです。ニュートン、ダーウィン、キュリー夫人、湯川秀樹など定番の人はなく、代わりにブンゼン(化学実験で使われる数々の器具を発明)、祖沖之 (中国で5世紀にすでに円周率πの値を小数点以下6桁まで求めた)など一般にはあまり知られていない科学者を多く紹介しています。ただ単にすごい発見をした偉い人ということではなく、「真の科学者はどういう態度でなければいけないかを知り、科学をおそれたり毛ぎらいするのでなく、私たちのものとして使いこなすようにしてほしいと願って」書いたとかこさんも述べています。
 どの人もそれぞれの扉にオリジナルの肖像画が描かれ、副題としてその人の「目」を一言で表現しているのも面白いです。たとえばアボガドロ数で知られるアボガドロは「分子をとらえたカメレオンのまなこ」、電気生理学を切り開いたガルバーニは「カエルよ許したまえ、目ざとく動いたあの目玉」など、どれもかこさんの面目躍如の表現です。巻末にここで挙げられた科学者を含む科学・技術史略年表がついているのも参考になります。
 本書は1974年に刊行された本の新装版ですが、45年の月日を経ても古さは感じさせず、かこさんの「目」は鋭くかつ優しく、子どもたちに科学の世界を紹介しています。
福田晴代(ふくだ はるよ/科学読物研究会会員)

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