2023.05.14

<連載④>家のなかも外遊びも、とびきり楽しく! 『14ひきのさむいふゆ』

ことしおかげさまで40周年をむかえる「14ひきのシリーズ」
1作ずつご紹介する連載企画、第4回です。

『14ひきのひっこし』『14ひきのあさごはん』『14ひきのやまいも』に続いて、1985年に出版されたのは、『14ひきのさむいふゆ』
いわむらさんはそのころを思い返し、「描きたくてしかたなかった」テーマなのだと言います。


雪がふりしきる中、あたたかな部屋の中で思い思いに過ごす14ひき。
そりを手づくりしたり、家族みんなでゲームを楽しんだり。
雪があがったら……さあ、外に出よう!


最初は、『14ひきの冬ごもり』というタイトルで構想を練っていたといういわむらさん。
「外で遊べないたいくつな冬の日、14ひきがどんなふうに過ごしているかを描きたかった」そうです。

家の中でも、14ひきは楽しんでいます。
手づくりのおまんじゅうをはこぶのは、とっくん。「とっくんトラック」は、この『14ひきのさむいふゆ』で初登場しました。

この絵本に登場する「とんがりぼうし」ゲームは、いわむらさんのお兄さんがどこかからおぼえてきてアレンジしたものなんだそうですよ。

どの作品も、とことん取材・観察をしてから絵の制作に入るいわむらさん。『14ひきのさむいふゆ』は冬の間に丹念に取材をし、実際に絵を描くのは‟あついなつ”になってしまったそうです。
クーラーのないアトリエで、水をはったバケツに足を入れて涼をとりながら描きすすめていったというエピソードも教えてくださいました。

あたたかな家の中と雪景色のコントラストがあざやかに表現されているところもご注目ください。

次回もどうぞお楽しみに!

(いわむらかずお・さく)
14ひきのさむいふゆ

14ひきのシリーズ

14ひきのさむいふゆ

いわむらかずお さく

風がなる、雪がまう。さむい冬。
ストーブがもえるあたたかな部屋で、14ひきたちそれぞれが、何かを作っています。

「のこぎり ゴーリゴリ」

おじいちゃんやいっくんたちは、竹と板で何を作っているのかな?

お母さんやおばあちゃん、ろっくんたちが台所で作っていたのは、おまんじゅう。

おまんじゅうをふかしたら、
「わあっ こんなに ふくらんだ」。
おやつを楽しんだら、お父さんたちが作った「とんがりぼうしゲーム」でもりあがろう。

雪がやみ、おひさまがでてきました。
おじいちゃんたちが作っていたのは「そり」。
青い空の下、白い森で、みんなで楽しいそり遊びです。

人気ロングセラー「14ひきのシリーズ」第4作。
ストーブのもえるあたたかな室内のぬくもり、冷たい風が頬をうつ爽快なそり遊びなど、冬の魅力がつまった1冊。自然によりそい、ともに生きる家族の姿があたたかく描かれています。

  • 3歳~
  • 1985年11月1日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
14ひきのひっこし

14ひきのシリーズはじめての「14ひきのシリーズ」(全2巻)

14ひきのひっこし

いわむらかずお さく

森の奥めざして、さあしゅっぱつ。川をわたり、不安な一夜をすごして、やっとみつけた、すてきな根っこ。みんなで力をあわせて家をつくり、橋も、水道もできた。たべものもたくさんあつめて、さむい冬がきてもだいじょうぶ。みんな、ほんとうにごくろうさま。

人気ロングセラー絵本「14ひきのシリーズ」の第1作。ねずみの家族があたらしいすみかを求めて森へひっこし、木の根元に家づくりをするこの作品から、シリーズの物語がはじまります。

お父さんが図面を書いて、子どもたちも手伝って、居心地のいい家をみんなで一緒につくります。
大人の部屋は1階、子どもたちの部屋は2階と3階。竹を切って床を作ったら、みんなのベッドを並べよう。

豊かな自然の中でくらす、お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、そしてきょうだい10ぴき。1ぴき1ぴきの個性が丁寧に描きこまれていて、何度見ても発見があります。

  • 3歳~
  • 1983年7月10日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
14ひきのあさごはん

14ひきのシリーズはじめての「14ひきのシリーズ」(全2巻)

14ひきのあさごはん

いわむらかずお さく

もりのあさ。
はやおき いちばんは おじいさん。
おかあさんがおきて、おばあさんがおきて、こどもたちもめを さます。
おねぼうさんは だれ?

顔をあらったら、みんなで朝ごはんの準備です。まきわりはお父さん。お母さんとおばあちゃん、さっちゃんとよっちゃんは、どんぐりのこなでパンづくり。他の子どもたちは野いちごつみにでかけます。
やきたてのどんぐりパンに、ジャムとジュース。おいしいきのこのスープができたら、テーブルを囲んで、みんなでいただきます。

『14ひきのひっこし』と同時に刊行された、人気ロングセラー絵本「14ひきのシリーズ」の最初の1冊。
すがすがしい森の朝を舞台に、14ひきたちの1日のはじまりを描いた、累計部数100万部をこえる人気のロングセラー絵本です。

  • 3歳~
  • 1983年7月10日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
14ひきのやまいも

14ひきのシリーズ

14ひきのやまいも

いわむらかずお さく

きのみ みつけた。
くさのみ みつけた。
もりの あきは、みのりの あき。

14ひきたちはみんなで、やまいもほりにでかけます。
森の中、おじいさんがみつけたのは、やまいものつる。
つるの上には、おいしいやまいもの芽「むかご」もなっています。

ザック ザック
シャベルで ザック

おじいさんといっくんが、やまいもをきずつけないよう、まわりに穴をほっていきます。
まだまだ下へとのびている大きなやまいも。
みんなで力をあわせて、穴から土をはこびだします。
やまいもにつなをむすんで、えいさ、えいさとやまいもつなひきです。そしてついにみんなで、大きなやまいもを掘りあげます。
最後には、とろろごはんに、むかごもいっぱいのおいしいゆうごはんです。

森の秋の豊かな実りを描いた、人気シリーズの第3作。
おいしいやまいもがどうやって実り、料理されるのか、食育にもつながる人気のロングセラー絵本です。

  • 3歳~
  • 1984年7月20日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み