2022.01.28

<コラム>童心社2021年新刊読みものをふりかえり! ―小学校高学年向け・大人の方におすすめ編―

2021年に刊行した童心社の新刊読みものから、小学校高学年向け、そして大人の方におすすめの作品をご紹介します。


≪小学校5・6年生~≫

『ひまりのすてき時間割』
(井嶋敦子 作/丸山ゆき  絵)

ひまりは、やりたいことがあると夢中で突っ走る元気な女の子です。
ある出来事をきっかけに学校に行くことができなくなってしまったひまりは、小児科の和子先生から「ADHD」という診断を受けます。
自分の毎日を見つめ直し書きつづる「時間割」。それは自分を好きになるためでもありました。


『空から見える、あの子の心』
(シェリー・ピアソル 作/久保陽子 訳/平澤朋子 絵)

友だちとなじめない6年生のエイプリルは、昼休みに年下の子のお世話をするボランティアをはじめました。
気にかかるのは、校庭をひとりでうろうろと歩き回ったり、寝そべったりする男の子、ジョーイです。
自閉的な性格で自分のことを言葉で伝えることが苦手なジョーイと、そんなジョーイを理解しようと関わりつづけるエイプリルの物語です。


『愛蔵版 新シェーラ姫の冒険(上)』『愛蔵版 新シェーラ姫の冒険(下)』
(村山早紀 作/佐竹美保 絵)

「シェーラひめのぼうけん」シリーズの続編として、2003年から2007年にかけてフォア文庫として刊行され、人気を博した「新シェーラひめのぼうけん」シリーズ。
「シェーラひめのぼうけん」で登場するシェーラ姫とファリードとの間に生まれた双子のお姫さま、サファイヤとルビーが主人公です。
14年の時を経て、2021年、装いも新たに上下巻の愛蔵版「新シェーラ姫の冒険」として刊行されました。

上下巻のセットもあります。
https://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494046102


≪大人の方におすすめ≫

『かこさとしと紙芝居』
(かこさとし・鈴木万里 著)

かこさとしは、1948年に大学を卒業してから40代半ばまで、セツルメントというボランティア活動をとおして、毎週のように手描き紙芝居を子どもたちの前で演じていました。
その後の創作活動へと繋がる、かこさとしの紙芝居。
本書では、かこさとしの膨大な紙芝居資料をふりかえり、作品の魅力を探ります。


『ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道』
(『ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道』実行委員会 編)

『おしいれのぼうけん』の作者であり、なかまたちとともに日本の新しい子どもの本の世界を切りひらいた絵本作家・田畑精一。その数々の言葉が紹介されています。
絵本の表現や、子どもたち、自作絵本への想い……。そこには子どもの本づくりの原点がありました。


『本の力』
(酒井京子 著)

多くの優れた絵本・紙芝居を生み出してきた編集者であり、現童心社会長である酒井京子が、数々の傑作がいかにして誕生したかを生き生きと語ります。
作家・画家、そして新人編集者が格闘し三位一体となって、3年がかりでつくりだした『おしいれのぼうけん』
社内の強い反対と闘いながら出版、大ヒットとなった「14ひきのシリーズ」──本づくりにかかわるクリエイター達の熱い思いが伝わるエッセイです。


皆さんが読んでみたい1冊はありましたか?
2022年の読みものもどうぞご期待ください。
ひまりのすてき時間割

単行本図書

ひまりのすてき時間割

井嶋敦子 作/丸山ゆき

ひまりは、やりたいことがあると夢中で突っ走る元気な女の子。じっとしていられなくて、わすれもの一番、ケアレスミス一番、ケンカっぱやいの一番だけど、明るくて、みんなから愛されていた。ところが、六年生になった途端、まじめな担任・安部深雪先生とそりが合わず、しかられてばかり。ついには、「ティッシュ万札事件」が起こった。ひまりのポケットティッシュに、なぞの一万円札が入っていて、大さわぎになってしまったんだ!
親友の真由が心配していたら、ひまりはしだいに元気を取りもどした。そして、「見て見て!」といいながら、ひまりがてわたしてくれたのが、「ひまりのすてき時間割」。ひまりが、「すてき」を目指して試行錯誤する毎日をつづったノートだった。
ひまりはどんな思いを抱えているんだろう? 元気になった理由は何だろう? 朝のおまじない? ただいまのおまじない? 夜のおまじない? 真由が、気になって「ひまりのすてき時間割」を読み進めていくと……。

  • 小学5・6年~
  • 2021年11月15日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
空から見える、あの子の心

単行本図書

空から見える、あの子の心

シェリー・ピアソル 作/久保陽子 訳/平澤朋子

エイプリルは、まわりの子たちが恋やおしゃれに目ざめていく様子についていけない。同級生と距離をとりたくて、休み時間に年下の子のお世話をするボランティアをはじめた。気にかかるのは、校庭をひとりでうろうろと歩き回ったり、寝そべったりする男の子、ジョーイ。いったい何をしているのだろう?
ある日、エイプリルはジョーイが足で校庭に巨大な絵をかいていることに気がつく。渦巻き、タイガー、ピザ、雪の結晶……ジョーイのかく絵は壮大なアートだ! そんなジョーイを、そっと見守るエイプリルだが、ひょんなことから絵のことが学校中にしれわたり、ジョーイにとんでもない依頼がまいこむ……。
自閉的な性格で、自分の言葉で気持を伝えることが苦手なジョーイ。そんなジョーイを理解しようと向き合う少女エイプリル。ふたりの出会いが、学校をまきこんだおおごとに発展していく!

  • 小学5・6年~
  • 2021年12月22日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み
新シェーラ姫の冒険(上)

愛蔵版 新シェーラ姫の冒険

新シェーラ姫の冒険(上)

村山早紀 著/佐竹美保

シェーラザード王国に生まれた双子のお姫さま、青い瞳のサファイヤ姫と赤い瞳のルビー姫。二人が十二歳になった時、遠い過去から送られた異世界の魔物たちの群れが再びこの砂漠の世界に襲いかかります。父王ファリードと女王シェーラザードは、かつての仲間と共に魔物の群れと戦い、二人は魔神ラーニャの力で自らを石に変えて異世界からの扉をかろうじて閉ざしたのです。父と母を、世界を救うため双子のお姫さまは旅立ちます。

  • 小学5・6年~
  • 2021年3月15日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
新シェーラ姫の冒険(下)

愛蔵版 新シェーラ姫の冒険

新シェーラ姫の冒険(下)

村山早紀 著/佐竹美保

ルビーとサファイヤは、伝説の旅の魔法使いサウードと巡り会い、シェーラザード王国へ帰ります。しかし、世界の果ての「天のきざはし」にある世界樹の根元で眠るいにしえの姫君の魂を浄化させることこそが世界を救うただひとつの方法であり、そこは死人しか行けない場所だと知らされます。サファイヤは自らが世界を救う運命にあることを引き受け、再び旅立ちます。ナルダが大切に持っていた世界を救うための魔法の書物を手に。

  • 小学5・6年~
  • 2021年3月15日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
かこさとしと紙芝居

単行本図書

かこさとしと紙芝居

かこさとし鈴木万里

かこさとしは、一九四八年に大学を卒業してから四十代半ばまで、セツルメントというボランティア活動をとおして、毎週のように手描き紙芝居を子どもたちの前で演じていました。
子どもたちの欲求に応えるおもしろい作品を探究しつづけたことが、その後の創作活動へと繋がっていきました。また、かこは紙芝居の歴史を研究し、その本質を知ろうとしました。
本書では、かこの膨大な紙芝居資料をふりかえり、作品の魅力を探ります。

  • 一般~
  • 2021年8月25日初版
  • 定価2,420円 (本体2,200円+税10%)
  • 立ち読み
ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道

単行本図書

ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道

『ありがとう絵本作家・田畑精一の歩いた道』実行委員会

<子どもたちをできるかぎり“いきいき”と描きたいと思っている。“いきいき”ということは、絵の中の子どもたちにちゃんと「いのち」があること>『おしいれのぼうけん』の作者であり、なかまたちとともに日本の新しい子どもの本の世界を切りひらいた絵本作家・田畑精一。その数々の言葉を紹介。戦争を体験して、絵本作家になるまでのこと。絵本の表現や、子どもたち、自作絵本への想い……。そこには子どもの本づくりの原点が!

  • 一般~
  • 2021年7月2日初版
  • 定価1,320円 (本体1,200円+税10%)
  • 立ち読み
本の力

単行本図書

本の力

酒井京子

多くの優れた絵本・紙芝居を生み出してきた編集者であり、現童心社会長である酒井京子が、数々の傑作がいかにして誕生したかを生き生きと語る。作家・画家、そして新人編集者が格闘し三位一体となって、3年がかりでつくりだした『おしいれのぼうけん』。社内の強い反対と闘いながら出版、大ヒットとなった「14ひきのシリーズ」──本を創るとはどういうことなのか。クリエイター達の熱い思いがまざまざと伝わってくるエッセイ。

  • 一般~
  • 2021年6月22日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み