コラム
2023.04.03
<連載③>土の力、根っこの力――『14ひきのやまいも』

おかげさまで今年40年という節目をむかえる「14ひきのシリーズ」。
毎月1作ずつご紹介する連載企画、第3回です。
『14ひきのひっこし』『14ひきのあさごはん』刊行の翌年、1984年に『14ひきのやまいも』が出版されました。
秋の森で、14ひきが力をあわせて大きな大きなやまいもをほるおはなしです。
丹念に描きこまれた美しい風景、おいもほりの楽しさが画面いっぱいに広がります。
この作品でいわむらかずおさんは、「土の力、植物の力、根っこの力――生命を描きたかった」と語っています。
いわむらかずおさんご自身、やまいもでつくるとろろが大好きなんだそう。
戦後、疎開先から東京へ戻りふたたび家族で暮らせるようになったころ、「麦とろ」がごちそうだった、といわむらさん。
お父さんがとろろをするときに、すりばちをおさえる手伝いをしたことをよく憶えているとか。
やまいもをもちかえった14ひき。
家族みんなで食事を準備する姿も描かれています。
ほうちょう トントン、
せんぎり トントン。
おなべ クツクツ、
むかご クツクツ。
すりこぎ ゴリゴリ……
「絵で表現する絵本作家になりたいと考えていた」といういわむらさんですが、「トントン」「ゴリゴリ」などの音や言葉があることでリズムがうまれ、場面が豊かになる、と感じているそうです。
声に出して読んでみると、台所のにぎやかさや、14ひきがはたらく様子がよりいきいきと伝わってきますね。
次回は、初めて「とっくんトラック」が登場するあの作品です。
どうぞお楽しみに。
(いわむらかずお・さく)
毎月1作ずつご紹介する連載企画、第3回です。
『14ひきのひっこし』『14ひきのあさごはん』刊行の翌年、1984年に『14ひきのやまいも』が出版されました。
秋の森で、14ひきが力をあわせて大きな大きなやまいもをほるおはなしです。
丹念に描きこまれた美しい風景、おいもほりの楽しさが画面いっぱいに広がります。
この作品でいわむらかずおさんは、「土の力、植物の力、根っこの力――生命を描きたかった」と語っています。
いわむらかずおさんご自身、やまいもでつくるとろろが大好きなんだそう。
戦後、疎開先から東京へ戻りふたたび家族で暮らせるようになったころ、「麦とろ」がごちそうだった、といわむらさん。
お父さんがとろろをするときに、すりばちをおさえる手伝いをしたことをよく憶えているとか。
やまいもをもちかえった14ひき。
家族みんなで食事を準備する姿も描かれています。
ほうちょう トントン、
せんぎり トントン。
おなべ クツクツ、
むかご クツクツ。
すりこぎ ゴリゴリ……
「絵で表現する絵本作家になりたいと考えていた」といういわむらさんですが、「トントン」「ゴリゴリ」などの音や言葉があることでリズムがうまれ、場面が豊かになる、と感じているそうです。
声に出して読んでみると、台所のにぎやかさや、14ひきがはたらく様子がよりいきいきと伝わってきますね。
次回は、初めて「とっくんトラック」が登場するあの作品です。
どうぞお楽しみに。
(いわむらかずお・さく)
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14ひきのやまいも
いわむらかずお さく
きのみ みつけた。
くさのみ みつけた。
もりの あきは、みのりの あき。
14ひきたちはみんなで、やまいもほりにでかけます。
森の中、おじいさんがみつけたのは、やまいものつる。
つるの上には、おいしいやまいもの芽「むかご」もなっています。
ザック ザック
シャベルで ザック
おじいさんといっくんが、やまいもをきずつけないよう、まわりに穴をほっていきます。
まだまだ下へとのびている大きなやまいも。
みんなで力をあわせて、穴から土をはこびだします。
やまいもにつなをむすんで、えいさ、えいさとやまいもつなひきです。そしてついにみんなで、大きなやまいもを掘りあげます。
最後には、とろろごはんに、むかごもいっぱいのおいしいゆうごはんです。
森の秋の豊かな実りを描いた、人気シリーズの第3作。
おいしいやまいもがどうやって実り、料理されるのか、食育にもつながる人気のロングセラー絵本です。- 3歳~
- 1984年7月20日初版
- 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
- 立ち読み