2022.03.04

<連載・今日はなんの日?>3月10日の東京大空襲を今の子どもたちに伝える紙しばい

平和について考えさせられる日が続いています。
今日は、東京大空襲を描いた紙芝居『三月十日のやくそく』をご紹介します。


「そんなことで、せんそうに かてるか!」
学校の訓練で、すもうを取らされていた主人公の“ぼく”は、すもうが弱くて先生にどなられてばかり。
けれど、そんなとき、友だちのガンちゃんは、すもうにわざと負けてぼくを助けてくれます。
やさしくて強いガンちゃんは、ぼくの大切な友だちです。


毎日アメリカの爆撃機B29が、あちこちでばくだんを落としてまわっていました。
でも、自分の所には空襲はまだこないと思っていたぼく。
そして訪れた、1945年3月10日の真夜中。空は爆撃機にうめつくされ、町は炎につつまれます。
熱風にあおられながら逃げまどうさなか、ぼくはガンちゃんにであいます。


「また あおう、やくそくだぞ」
ぼくとガンちゃんは再会を誓いますが……。


著者、早乙女勝元さんの実体験を元にしたという本作。
12歳の頃、東京大空襲を体験した早乙女さん。生きのびた人々の記憶を再現したルポルタージュ作品『東京大空襲』(岩波新書)で日本ジャーナリスト会議奨励賞を受賞。「東京空襲を記録する会」での活動や、ご自身が名誉館長を務める「東京大空襲・戦災資料センター」で、東京大空襲の語り部として、未来を担う世代に平和を訴え続けています。
また、本作のコラムには、日本はアメリカだけでなく、「たくさんのアジアの国々を巻き込んで、戦争をしていた」事にも触れ、世界中の多くのかけがえのない命が失われていったこの時代を生きぬこうとしていた子どもの視点で書かれています。

3月10日を前に、この紙芝居を演じあい、平和についてご家族で話してみてはいかがでしょうか。

12場面/4・5歳~
(早乙女勝元 脚本/伊藤秀男 絵)
*2020年度五山賞受賞作



◆関連イベント
東京大空襲を語り継ぐつどい
日 時:3月6日(日) 13時開場 13時30分開会 16時20分閉会予定
会 場:カメリアホール( JR総武線「亀戸駅」北口徒歩2分 )
参加費:1,000円
定 員:150名( 事前申し込み 先着順 2月15日より受付 )
内 容:講演 毎日新聞記者・栗原俊雄氏 空襲犠牲者の救済と日本の戦後補償~戦争被害受忍論という「法理」、体験を語る 関野清雪さん「学童疎開から逃げ帰って」、戦災資料センターの20年の歩み、センターで学んだ子どもたち

お申し込み
https://tokyo-sensai.net/wp/wp-content/uploads/2022/02/cc2c3aa8dee53eb73300b87741927b14.pdf

お問い合わせ:東京大空襲・戦災資料センター
https://tokyo-sensai.net/

著者・早乙女勝元さん (撮影・照屋真治)

三月十日のやくそく

2020年度定期刊行紙しばい ともだちだいすき

三月十日のやくそく

早乙女勝元 脚本/伊藤秀男

毎日、あちこちで空襲がある。学校も兵隊になる訓練ばかりだ。でも、ぼくのところにまで空襲はまだこないと思っていた。けれど、その日はやってきた。1945年3月10日の真夜中、空は爆撃機にうめつくされ、町は炎につつまれた……。熱風にあおられながら逃げまどうさなか、ぼくは友達のガンちゃんにであう。「また あおう、やくそくだぞ。」と、再会を誓ったけれど……。著者、早乙女勝元さんの実体験をもとにした紙芝居。

  • 4・5歳~
  • 2021年3月1日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み