2020.07.07

〈新刊図書〉人気シリーズ第5作『雨ふる本屋と雨かんむりの花』

今月発売されたばかりの、人気シリーズ「雨ふる本屋」第5作のご紹介です。

本作では、前作の『雨ふる本屋と雨もりの森』で登場し、未完成のままだった"「王国」と呼ばれる大きな想像の物語"のその後が描かれます。

いつもの図書館で、取り組んでいる物語を苦心しながら書いていたルウ子は、妹サラとともに、図書館の本棚の通路から、カタツムリの人形と不思議な呪文を使っていつものように「雨ふる本屋」へと訪れます。



雨ふる本屋の製本室では、なにも書かれていない白紙のままに生まれた「王国」の物語が、作家の幽霊ヒラメキの力を借りて、文字と挿絵のついた本として少しずつその姿を現していました。
ヒラメキはかつて、雨ふる本屋がある「すきまの世界」に危機を招いた「王国」を物語として完成させるため、日夜執筆室にこもって執筆を続けているのです。
しかし、舞々子さんが最近何かに夢中でお茶の時間がなくなってしまい、ヒラメキは執筆がすすまないと言います。



子どもの頃に「王国」を生み出した人物、ウキシマ氏も雨ふる本屋を訪れ、みんなでお茶会をすることになりました。
ルウ子は、お茶会に誘おうと、ほっぽり森に住むブンリルーを呼びにいきますが、謎の奇術師のウサギ「シッチャカ・メッチャカ」に出会い、ブンリルーとともに謎のサーカスを追うことになりますが……。


本作では、謎のサーカスの正体を追う物語とともに、作家の卵として葛藤するルウ子の物語が描かれます。本を読む喜び、読む人がいない本の悲しみ、そして自分を見失いそうになりながら物語の書き手として成長していこうとするルウ子の思いが、重なりながら物語が展開していきます。「王国」の物語は完成するのか、そして「雨かんむり」とは……!?

読者を魅了するこのシリーズのファンタジックな世界は本作でも健在!
崖から水がふきだす「滝の綱渡り」、黄金の化石と水槽でできた「化石と古生物の広場」、舞々子さんが取り組もうとするお菓子「竜巻ケーキ」など、見たことのない光景が次つぎと広がっていきます。


最後には、図書館でお気に入りの本を借りるルウ子とサラが描かれます。かつて本を愛する子どもだった著者自身や、本を愛する子どもたちに向けた、著者の思いにあふれたエンディングを迎えます。
ぜひ、前作『雨ふる本屋と雨もりの森』とあわせてお楽しみ下さい。

358ページ/小学中学年~


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「雨ふる本屋」おすすめレビュー大募集!
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2050
雨ふる本屋と雨かんむりの花

単行本図書

雨ふる本屋と雨かんむりの花

日向理恵子 作/吉田尚令

ルウ子とサラが「雨ふる本屋」へ行くと、舞々子さんのようすがへんです。いつもお茶とお菓子の準備もわすれるので、ヒラメキ幽霊の執筆も進みません。原因は難しいお菓子のレシピだと教えてくれたブンリルーが、ルウ子に「いったい何を連れてきたの?」と言いますが、ルウ子には心当たりがありません。ルウ子がもとの世界から連れてきたのはサーカス団、図書館でだれにも読まれず忘れられているサーカスの物語だったのです……。
大人気「雨ふる本屋」シリーズ第5作。

  • 小学3・4年~
  • 2020年7月1日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋と雨もりの森

単行本図書

雨ふる本屋と雨もりの森

日向理恵子 作/吉田尚令

すきまの世界に、かつて夢みられたまま忘れられた「王国」が氾濫し始めました。〈雨ふる本屋〉でも異変が。白紙のままの巨大な〈雨ふる本〉、収められるべき物語はどこにあるのでしょう。ルウ子とブンリルーは、すべての鍵を握る謎の“影の男”ウキシマ氏を探し出します。そして聞かされた「王国」の姿。ルウ子が突き動かされるように王国の物語を書き始めたとき、すべての歯車が一斉に回り、壮大な「博物館」が出現したのです。

  • 小学3・4年~
  • 2018年6月13日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋とうずまき天気

単行本図書

雨ふる本屋とうずまき天気

日向理恵子 作/吉田尚令

フルホンさんが、「絶滅かぜ」にかかってしまった!それは、生きとし生けるものに絶滅の呪いをかけてしまう病。〈雨ふる本屋〉に、すきまの世界の皆に危機が迫ります。彼らを助けるために奔走するルウ子とサラが出会った摩訶不思議な女の子、ブンリルーの秘密とは……。新しい旅の幕開けです。今回スケールが一段と増したすきまの世界での冒険を通じてルウ子は自分と向き合い、「物語を書くこと」への確かな手応えを得ていきます。

  • 小学3・4年~
  • 2017年5月10日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋の雨ふらし

単行本図書

雨ふる本屋の雨ふらし

日向理恵子 作/吉田尚令

「雨あめ 降れふれ 〈雨ふる本屋〉!」ルウ子と妹のサラがひみつの呪文をとなえて訪れた〈雨ふる本屋〉に、重大な危機がせまります。本屋や図書館を破壊してまわる”ミスター・ヨンダクレ"の目的とは?ルウ子は〈雨ふる本屋〉を、そして妹のサラを救うことができるのでしょうか?冒険の日々がはじまります。読みおわったときに、心がほっとするファンタジー。

  • 小学3・4年~
  • 2012年10月30日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋

単行本図書

雨ふる本屋

日向理恵子 作/吉田尚令

おつかいの帰り、ルウ子は、カタツムリにさそわれて“雨ふる本屋”へ。出迎えてくれたのは、摩訶不思議な本と、ドードー鳥の店主と助手の舞々子、そして妖精たち。ドードー鳥の店主が、ここにある本は、人間に忘れられた物語に、雨をかけてできあがるという……。
「物語」への、愛と信頼をこめたファンタジー。

  • 小学3・4年~
  • 2008年11月20日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み