2019.08.06

<新刊 連載2/2>絵本『こくん』

6月に刊行された絵本『こくん』。
歩行器を使う少女ちさとと、やんちゃなお友だちしゅんくんの心の響きあいを描いた1冊です。
今回は作者村中李衣さんの言葉をご紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
自分とは違うだれかに出会うことは、自分と深く出会い直すこと。
戸惑ったりドキドキしたりしながらひとつずつ開けていく子どもたちの「未来」への招待状になればと、石川えりこさんとふたりで、『こくん』(童心社)を創った。
どんなにささやかでも、信じる絵本の世界から、異なりを排除しない世界をめざして、大人であるわたしも発信し続けていきたい。

村中李衣
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

絵を手がけたのは、『また おこられてん』(作・小西貴士)などで数多くの子どもたちの姿を描いてきた、石川えりこさんです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
子どもは 自分を試す 勇気に「こくん」する。
向かう滑り台はまるで生き物のように うねり出すよね、李衣さん。
風が起こり 上り詰めたら ねぇねぇ見えたはずだよ、園庭を超え街の先の海の向こうの世界がね。
私見たことあるもん。李衣さんも見たことあるよね? 私の中の子ども眼をひらき 鉛筆を握りしめる。

石川えりこ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

子どものさりげない毎日の中にある、大きな心のドラマ。
ふたりのあたらしい一歩を、ぜひ絵本でご覧ください。

(村中李衣・作 石川えりこ・絵)
こくん

童心社のおはなしえほん

こくん

村中 李衣 作/石川 えりこ

退院して大好きなつばさ園にくると、しゅんくんがかけてきた。歩行器をみて「てつだってやる」というしゅんくんに、わたしは「いらない」と強い声で言った。わたしは体を思うように動かすのが難しい。でも、歩行器があればみんなと歩ける。ある日、挑戦するしゅんくんの姿を見て、わたしもすべり台にのぼりたいと思った。わたしは、こくんって、うなずく。だいじょうぶ。きっとできる……。
新しい一歩をふみだしたふたりの物語。

  • 4・5歳~
  • 2019年6月20日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み