2019.06.07

〈連載〉雨の季節が楽しくなる!「雨ふる本屋」シリーズ『雨ふる本屋と雨もりの森』

連載最後となる第4回では、2018年6月に刊行された最新刊第4作『雨ふる本屋と雨もりの森』をご紹介します。

ルウ子と妹のサラは、図書館で見知らぬ黒い上着の男が、ポケットからカタツムリを取り出し、姿を消すのを偶然みかけます。
それは、ルウ子とサラだけが知っているはずの”すきまの世界”にある雨ふる本屋への行き方と同じでした。
男は雨ふる本屋に行ったのでしょうか? 二人は男を追いかけて、案内役のもも色のカタツムリをとりだし、ひみつの呪文をとなえ、雨ふる本屋へ向かいます。

一方、すきまの世界でも、”影の男”と呼ばれる謎の男のことがうわさになっていました。
男が現れると、近くにあった何かがなくなるといいます。”影の男”とは、ルウ子たちがみかけた黒い上着の男でしょうか? 黒い上着の男を追いかける途中で、大切なカタツムリをなくしてしまったルウ子とサラは、雨ふる本屋の仲間たちと、”影の男”をさがしに出かけます。

やがて、ルウ子たちは占い師にであい、”影の男”が子どもの頃に夢見た世界〈王国〉が、膨らみ始め、すきまの世界を飲み込もうとしつつあることを知ります。

ルウ子たちは、”影の男”=ウキシマ氏についに出会います。
しかし、ウキシマ氏本人でも王国の氾濫が止められないことを知って……。

シリーズ最高傑作の呼び声も高く、子どもだった頃のウキシマ氏と、ルウ子の思いが重なりあう感動のラストは圧巻です。
かつて子どもだった大人たち、そして全ての子どもたちに贈る、豊かな想像力とやさしさに満ちた物語です。ぜひお楽しみください。

こちらもぜひご覧ください。
『雨ふる本屋と雨もりの森』著者・日向理恵子さん インタビュー 

2008年第1巻の刊行から、小学校高学年から大人まで幅広い読者から愛されている本シリーズ。
冒険ファンタジーでありながら、将来作家を目指すルウ子の、物語や言葉への思い、心の葛藤が深く描かれ、読者から多くの共感を得ています。
「将来小説家になりたい」という子どもたちからの感想もたくさん届いていて、物語や本の力を実感するシリーズです。これからもぜひ応援よろしくお願いします。
現在、日向理恵子さんは第5巻の執筆に向けて準備中です。どうぞお楽しみに。
(日向理恵子 作/吉田尚令 絵)








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雨ふる本屋と雨もりの森

単行本図書

雨ふる本屋と雨もりの森

日向理恵子 作/吉田尚令

すきまの世界に、かつて夢みられたまま忘れられた「王国」が氾濫し始めました。〈雨ふる本屋〉でも異変が。白紙のままの巨大な〈雨ふる本〉、収められるべき物語はどこにあるのでしょう。ルウ子とブンリルーは、すべての鍵を握る謎の“影の男”ウキシマ氏を探し出します。そして聞かされた「王国」の姿。ルウ子が突き動かされるように王国の物語を書き始めたとき、すべての歯車が一斉に回り、壮大な「博物館」が出現したのです。

  • 小学3・4年~
  • 2018年6月13日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋とうずまき天気

単行本図書

雨ふる本屋とうずまき天気

日向理恵子 作/吉田尚令

フルホンさんが、「絶滅かぜ」にかかってしまった!それは、生きとし生けるものに絶滅の呪いをかけてしまう病。〈雨ふる本屋〉に、すきまの世界の皆に危機が迫ります。彼らを助けるために奔走するルウ子とサラが出会った摩訶不思議な女の子、ブンリルーの秘密とは……。新しい旅の幕開けです。今回スケールが一段と増したすきまの世界での冒険を通じてルウ子は自分と向き合い、「物語を書くこと」への確かな手応えを得ていきます。

  • 小学3・4年~
  • 2017年5月10日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋の雨ふらし

単行本図書

雨ふる本屋の雨ふらし

日向理恵子 作/吉田尚令

「雨あめ 降れふれ 〈雨ふる本屋〉!」ルウ子と妹のサラがひみつの呪文をとなえて訪れた〈雨ふる本屋〉に、重大な危機がせまります。本屋や図書館を破壊してまわる”ミスター・ヨンダクレ"の目的とは?ルウ子は〈雨ふる本屋〉を、そして妹のサラを救うことができるのでしょうか?冒険の日々がはじまります。読みおわったときに、心がほっとするファンタジー。

  • 小学3・4年~
  • 2012年10月30日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋

単行本図書

雨ふる本屋

日向理恵子 作/吉田尚令

おつかいの帰り、ルウ子は、カタツムリにさそわれて“雨ふる本屋”へ。出迎えてくれたのは、摩訶不思議な本と、ドードー鳥の店主と助手の舞々子、そして妖精たち。ドードー鳥の店主が、ここにある本は、人間に忘れられた物語に、雨をかけてできあがるという……。
「物語」への、愛と信頼をこめたファンタジー。

  • 小学3・4年~
  • 2008年11月20日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み