2019.06.03

<連載>雨の日が楽しくなる!「雨ふる本屋」シリーズ『雨ふる本屋の雨ふらし』

2回目の今日ご紹介するのは、シリーズ第2作『雨ふる本屋の雨ふらし』です。

本作はルウ子と妹のサラが一緒に「雨ふる本屋」を訪れるところから、物語がはじまります。

そこには、店主のフルホン氏、舞々子さん、幽霊のヒラメキなど、いつものメンバーがせいぞろいしていました。
ルウ子たちが人間の世界で買ってきたお菓子でさっそく楽しいお茶会……となるはずが、話題は「雨ふる本屋」に迫る、ある危機について。
それは「ミステリアサウラのミスター・ヨンダクレ」が「雨ふる本屋」にやってくるのではないか、といううわさです。
ミスター・ヨンダクレとは、<書物に酔いしれし者>。世界各地の本屋、古書店、図書館をわたり歩いては、蔵書の気に入らないところを見つけ出し、つぶしてまわる骨の竜の姿をした恐ろしい存在なのです。

恐れていたことは現実に――。
ミスター・ヨンダクレはついに姿を現し「雨ふる本屋」を襲い、手あたり次第に本を読んでは打ち捨てていきました。
「雨ふる本屋」はもうめちゃくちゃです。本を作るために欠かせない、雨も、消えてしまいました。
さらには、妹のサラがミスター・ヨンダクレに誘拐されてしまったのです!

ルウ子たちは、妹のサラを、「雨ふる本屋」を取りもどすことができるのでしょうかーー。

本作でも、ハッピーエンドへの鍵を握るのは「夢の力」。「雨ふる本屋」の世界には、素敵な魔法や不思議な道具がたくさんあふれています。けれど、それらを「ほんとう」にするためには、使うひとの「思い」や「夢みる力」が必要なのです。
ルウ子は、大切な妹や仲間、場所を守るために強く思い、願い、不思議な力に助けられながらミスター・ヨンダクレに立ち向かいます。
今ではすっかりいい相棒となったホシ丸くんとともに。

最後に、フルホン氏のこんなひとことを紹介します。

「作家が世界から物語をくみとり、作品にしあげるのと同じように、この星も、生まれ、生き、朽ち、そこへ水をめぐらせながら、物語をつむいでいるのだ。雨は、いわば、その長大な物語の、天地をつむぐつむぎ糸だよ」

ささやかな日々の中に、雨のひとつぶにも物語があることに気づかせてくれるのが、「雨ふる本屋」シリーズの大きな魅力。
「物語の力」「夢の力」を信じることで生まれるものを、ぜひ確かめてみてください。
(日向理恵子・作 吉田尚令・絵)








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雨ふる本屋と雨もりの森

単行本図書

雨ふる本屋と雨もりの森

日向理恵子 作/吉田尚令

すきまの世界に、かつて夢みられたまま忘れられた「王国」が氾濫し始めました。〈雨ふる本屋〉でも異変が。白紙のままの巨大な〈雨ふる本〉、収められるべき物語はどこにあるのでしょう。ルウ子とブンリルーは、すべての鍵を握る謎の“影の男”ウキシマ氏を探し出します。そして聞かされた「王国」の姿。ルウ子が突き動かされるように王国の物語を書き始めたとき、すべての歯車が一斉に回り、壮大な「博物館」が出現したのです。

  • 小学3・4年~
  • 2018年6月13日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋とうずまき天気

単行本図書

雨ふる本屋とうずまき天気

日向理恵子 作/吉田尚令

フルホンさんが、「絶滅かぜ」にかかってしまった!それは、生きとし生けるものに絶滅の呪いをかけてしまう病。〈雨ふる本屋〉に、すきまの世界の皆に危機が迫ります。彼らを助けるために奔走するルウ子とサラが出会った摩訶不思議な女の子、ブンリルーの秘密とは……。新しい旅の幕開けです。今回スケールが一段と増したすきまの世界での冒険を通じてルウ子は自分と向き合い、「物語を書くこと」への確かな手応えを得ていきます。

  • 小学3・4年~
  • 2017年5月10日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋の雨ふらし

単行本図書

雨ふる本屋の雨ふらし

日向理恵子 作/吉田尚令

「雨あめ 降れふれ 〈雨ふる本屋〉!」ルウ子と妹のサラがひみつの呪文をとなえて訪れた〈雨ふる本屋〉に、重大な危機がせまります。本屋や図書館を破壊してまわる”ミスター・ヨンダクレ"の目的とは?ルウ子は〈雨ふる本屋〉を、そして妹のサラを救うことができるのでしょうか?冒険の日々がはじまります。読みおわったときに、心がほっとするファンタジー。

  • 小学3・4年~
  • 2012年10月30日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み
雨ふる本屋

単行本図書

雨ふる本屋

日向理恵子 作/吉田尚令

おつかいの帰り、ルウ子は、カタツムリにさそわれて“雨ふる本屋”へ。出迎えてくれたのは、摩訶不思議な本と、ドードー鳥の店主と助手の舞々子、そして妖精たち。ドードー鳥の店主が、ここにある本は、人間に忘れられた物語に、雨をかけてできあがるという……。
「物語」への、愛と信頼をこめたファンタジー。

  • 小学3・4年~
  • 2008年11月20日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み