絵本・こどものひろば

中田くん、うちゅうまで行こ!

中田くん、うちゅうまで行こ!

立ち読み

カートにいれる

さえぐさひろこ 文/佐藤繁

声の小さい高橋さんと、お調子者の中田くん。ちいさな心いっぱいに抱えた悩み。クラスの中では見えてこない気持ちがわかりあえたとき、ふたりはいっしょにぶらんこにのって、“うちゅう”へ行った。

  • 定価1,440円 (本体1,333円+税)
  • 判型:B5判/サイズ:26.6×19.1cm
  • 頁数:32頁
  • 3歳~
  • ISBN:978-4-494-02551-0
  • NDC:913

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自分の気持ちを大きな声で表現できない子、いつも快活で悩みとは無縁に見える子。どんな子でも、胸の内にいろんな思いを抱えて生きています。ふとしたきっかけで、友だちのふだん見せない一面に触れたとき、自分なりにできる精一杯の気持ちで何かしてあげたくなる瞬間の、あたたかい思いやりの気持ちが描かれた作品です。

読者の声

書店でやっと出会えて
「男の子にはどうかな」と思いましたが、書店で、やっと出会えて、さっと読んで、「読ませてみよう、読み聞かせてみよう」と思い購入しました。(40歳)

推薦のことば

人が「うちゅう」へ行きたくなる時
女の子と男の子。幼い頃は性別など関係なく、同じように遊んだのに、いつの頃からかお互いが恥じらいためらい、なかなかうまく打ち解けられなくなってしまうものです。『中田くん、うちゅうまで行こ!』は、女の子と男の子の乗っかったレールが、ちょうど別れてゆく直前の物語です。
授業の予習をしたにもかかわらず、発表の時の声が小さいと先生にお小言を頂戴する高橋さん。いたいた、こんな女の子!そんな内気な彼女とは対照的に、クラスメートの中田くんはのんきな性格。いるいる、こういう男の子!
下校の途中で高橋さんは、公園の砂場で手袋の片方を拾います。そこへ現れた中田君。そして二人は、教室にいる時とはちがうお互いを知ることに…。
本作では関西弁が重要なキーを占めており、子どもならではの楽天性、もの寂しさ、はじけ具合、余韻がとても上手く醸し出されています。さえぐささんのつぶやくような言葉と、不必要に文に干渉しない佐藤さんの絵。両者とも近しい体温を持っていて、穏やかに溶け合っています。後半で作中の二人が旅立った空が素晴らしい。紛れもない日本の空です。「うちゅう」に続く子どもの空です。ある冬の日の静かな午後、乾いた空気の中で、彼らは同じレールの上に乗っかって、お互いの切なさを無言で理解しあっていたのでしょう。何を言うのかよりも、何を言わないかが大事だと知っているみたいに。
他者に対する控えめで健気な心づかいがしみ入る一冊です。
中川洋典(イラストレーター)

書評

山梨日々新聞 2010年2月7日 読書欄
小さな胸いっぱいに抱えた思い
AERA with Kids 2010年春号
悩んでいる友だちに何ができるかな?