対話ではじめる こどもの哲学—道徳ってなに? (全4巻)
「なんで勉強しなきゃいけないの?」ほんとは気になっているぎもんのあれこれ、みんなはどう思ってるんだろう? だいやとメル、りんとレオの対話を読んで、きみも哲学対話してみよう! 道徳の授業にもおすすめ。
- 揃定価9,900円 (本体9,000円+税10%)
- 初版:2019年3月25日
- 判型:B5変型判/サイズ:24.3×19.1cm
- 小学3・4年~
- ISBN:978-4-494-04593-8
- NDC:114
内容説明
「なんで勉強しなきゃいけないの?」ほんとは気になっているぎもんのあれこれ、みんなはどう思ってるんだろう? だいやとメル、りんとレオの対話を読んで、きみも哲学対話してみよう! 道徳の授業にもおすすめ。
-
家族・友だちのぎもん
「お姉ちゃんはがまんしないとだめ?」「友だちは多いほうがいい?」「いじめはなぜ起きるの?」みんなはどう思ってる? りん(女の子)とレオ(犬)の対話を読んで、いっしょに考えてみよう!
- 小学3・4年~
- 2019年3月25日初版
- 定価2,475円 (本体2,250円+税10%)
- 立ち読み
書評
- 母のひろば658号 2019年3月15日発行 自ら考える存在としての「子ども」
- 「道徳」の新しい授業が小学校で始まりました。文科省はこれまでの授業の形を大きく変え、子どもたち自身で道徳について「考え、議論する」ように求めています。この4巻のシリーズは、さまざまな道徳のテーマを、子どもたちが自分自身で考え、探求できるようにと考えて書きました。1人で読んでもよいですが、学校や家庭でみなさんで読んで、話し合ってもらえるように工夫しています。小学校中学年から高学年向けですが、もっと低年齢のお子さんでも利用できますし、大人が読んでも楽しめます。
近年日本では、道徳や総合的学習の時間などを中心に、「子どもの哲学」が注目されています。子どもの哲学とは、子どもたちが哲学的な問いについて自分たちで議論しながら探求する活動をいいます。1970年代にアメリカで開発され、現在、多くの国で実施されています。『小さな哲学者たち』というドキュメント映画をご覧になるとわかりますが、小学生も、もっと年少の子どもたちも「愛とは何か」「知性とは何か」「なぜ世界は存在するのか」「善悪の基準」「なぜ戦争は起きるのか」などといった哲学的な問いに、強い関心を持って議論に参加します。その内容も大人とほぼ遜色がありません。子どもというのは、これまで考えられていた以上に、しっかり思考し議論できる存在なのです。
本書では、この子どもの哲学の手法を用い、道徳の項目に合わせて、1〜4巻のテーマをそれぞれ『自分のぎもん』『家族・友だちのぎもん』『社会のぎもん』『命・自然のぎもん』として構成しました。1、3巻の絵をはまのゆかさんに、2、4巻の絵をこばようこさんに描いていただきました。それぞれにとても素敵な画風で、著者として本当に嬉しく思っています。
各巻では、「なんで勉強しないといけないの?」など5つの問いをめぐって、キャラクターどうしで対話がなされます。その後に「きみのみんなの考えは?」「これも考えてみよう」コーナーを設けて、1人でもみなでも、いろいろ考えたり、議論ができるように工夫しました。巻末の「対話のやり方」では子どもの哲学の対話の進め方を紹介し、コラムでは対話で役立つ言葉や、社会と対話についてなど、いろいろなヒントを入れています。
私が実際に小学校で実践すると、先生方は、子どもがたちが大人が思う以上に深く物事を考えていること、ふだんは大人しい子がはっきりと自分の考えを述べることを知って、驚かれます。子どもを侮らず、1人の人間として対話してみてください。きっとお子さんの新たな一面を発見し、人間の尊厳と人格の独立性というものを実感できると思います。 - 河野哲也(こうの てつや/立教大学教授)
もっと見る