童心社のおはなしえほん

きょう、おともだちができたの

得田之久 作/種村有希子

はずかしがりやのゆうなちゃん。はじめておともだちができて、胸がふくらみます。「おかあさん! きょう、おともだちができたの。なまえはね、りなちゃんっていうの」。楽しい一日をすごしたその夜、ゆうなちゃんは、すこし不安になります。「りなちゃん、あしたもあそんでくれるかな……」。子どものまっすぐな気持ちを描いたおはなし。
入園シーズンにぴったりの、はじめておともだちができた日の絵本です。

  • 全国学校図書館協議会選定図書/日本子どもの本研究会選定/第2回「未来屋えほん大賞」入賞(2018)/国際推薦児童図書「The White Ravens2018」選定/平成30年度 神奈川県児童福祉審議会推薦優良図書
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 初版:2018年2月20日
  • 判型:B5変型判/サイズ:20.7×22.2cm
  • 頁数:28頁
  • 4・5歳~
  • ISBN:978-4-494-01627-3
  • NDC:913

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内容説明

はずかしがりやのゆうなちゃん。はじめておともだちができて、胸がふくらみます。「おかあさん! きょう、おともだちができたの。なまえはね、りなちゃんっていうの」。楽しい一日をすごしたその夜、ゆうなちゃんは、すこし不安になります。「りなちゃん、あしたもあそんでくれるかな……」。子どものまっすぐな気持ちを描いたおはなし。
入園シーズンにぴったりの、はじめておともだちができた日の絵本です。

読者の声

読者さま

胸が熱くなりました!

今年幼稚園の入園がきまっている孫の女の子は、とてもはずかしがりやさんです。この絵本を読んで、我が孫のことかと、胸が熱くなりました。心が熱くなる絵本でした。ありがとうございました。(大阪府 T・N 六五歳)

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2020/10/12

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〈東京・谷中〉『きょう、おともだちができたの』種村有希子さん原画展&トークイベント

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推薦のことば

色で感情を描くこと 「こどもの本」2018年8月号(日本児童図書出版協会)
 子どもの頃は、感情にともなって目の前の世界に「色」を感じていたように思います。そのはじまりは、私の場合、弟の生まれた日でした。よほど嬉しかったのでしょう。そして同時に、それまでの日々がモノトーンに見えていたことにも気がつきました。まさにこの絵本の主人公・ゆうなちゃんにりなちゃんという友達ができて、世界が色鮮やかに輝きだしたのと同じです。
 編集の西尾さんが私に絵を依頼したのは、「感情を色で表現できる人だから」だったそうです。まさにその通りで、いつも絵本の中では出来る限り固有色にとらわれずに、主人公の感情の色を描きたいと思っています。
 モノトーンの園庭から、明日の約束をして別れる場面への色の変化は一番難しかったところです。気恥ずかしさが残りつつ喜びが溢れ出す帰り道へつなぐ色――寒色でありながら暗くない色を試行錯誤しました。悲しみにも喜びにも濃度があって、そのわずかな変化を色に置き換えてこだわれたのは、この物語がとてもゆったり丁寧に感情を追った作品だからです。
 原稿を初めて読ませていただいたときに、自分もこうやってなんでもお母さんに報告していたなあと思い出して、自分のことのように描けました。逆に幼稚園児の甥っ子と手をつないで歩いているときの大人側の目線にも重なりました。見守られる子どもの気持ちと、見守る大人の気持ち、その両方がこの絵本全体のあたたかい空気を作っています。ちなみに見守っているのは大人だけではなく、花や雲だってひっそりとほほえんでいるのです。子どもの読者は、こうした細かいところにもすぐに気がついて喜ぶようです。これは作者の得田さんのアイディアだったのですが、自分にはない表現だったので、新鮮でした。
 また、ラストシーンの「変顔」をうまく描けるか不安だったのですが、取材先の幼稚園で気軽に「できるよ!」と披露してくれた女の子に助けられました。本物を参考にしたおかげで、出来上がった絵本を見て、甥っ子が変顔の真似をしてくれました。いい絵本になったと感じる嬉しい出来事でした。
種村有希子(『きょう、おともだちができたの』画家)

書評

朝日新聞朝刊 2018年4月28日
絵本評論家・作家 広松由希子さん
東京新聞 朝刊 2018年4月6日
中日新聞 夕刊 2018年4月3日
大切なことがぎゅっと詰まった絵本(「母のひろば」646号) 2018年3月15日
 この絵本の主人公、おとなしいゆうなちゃんにお友だちができました。 心躍りながら帰宅した夜の気持ち──「早く明日にならないかな」という待ち遠しさと「明日も遊んでくれるかな」と心に忍び寄る不安とで揺れる 気持ち──が、語りすぎない文と、子どもの頰の柔らかさまで捉えている 絵とで、とても丁寧に表現されていて、見事な絵本です。「今」を全力で生きる子どもが「明日」の心配をする。明日を思う体験は、とても大切な 心の成長なのだと気付きました。
 このお話の中には、子どもにとって大切なことが散りばめられているようです。他人の「いいところ」を見つけること。同じように自分にもいいところがあることを見つめること。気持ちを真っすぐに表現すること。思い切って挑戦すること。そしてそれが報われるという安心感。そして何より、子どもはこの本の絵を見ながら、大人たち(だけでなく、お月さまや道端のお花だって!)が、そっと傍らで温かく子どもを見守っているということに気付くでしょう。
  友だちができるというのは、子どもにとって大した事柄だと思います。 これから新入園・入学・進級の時期。優しさがにじみ出るようなこんな本を、店頭に置いておすすめしたいなと思います。
茅野由紀(ちの ゆき/ブックハウスカフェ店長)
「保育の友」(全国社会福祉協議会)2018年6月号
紺野順子さん
読売新聞夕刊2019年4月1日
「『友だち』を考える」
「この本読んで!」2019年春号
「児童書店員が選ぶ未来に残したい絵本2018」種村由美子さん(ティール・グリーン in シード・ヴィレッジ)
『さぴあ』(SAPIX小学部) 2018年5月号
『kodomoe』(白泉社)2018年6月号
「こどもの本」(日本児童図書出版協会)2018年8月号
種村有希子さん

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