童心社の絵本

ひとのなみだ

内田麟太郎 文/nakaban

 だいとうりょうが さけぶ
 せんそうが はじまる
 でも ぼくは いかない
 いくのは ロボットのへいたい

ロボットの兵隊が戦争に行く世界で、ぼくたちは安心して暮らしているはずだった。
非戦と平和への願いを込めて、詩人・内田麟太郎が描く近未来とは──。

  • 全国学校図書館協議会選定
  • 全国SLA「2025えほん50」選定
  • 定価1,760円 (本体1,600円+税10%)
  • 初版:2024年6月30日
  • 判型:A4変型判/サイズ:26.3×21.6cm
  • 頁数:32頁
  • 小学1・2年~
  • ISBN:978-4-494-01597-9
  • NDC:913

感想を書く

内容説明

 だいとうりょうが さけぶ
 せんそうが はじまる
 でも ぼくは いかない
 いくのは ロボットのへいたい

ロボットの兵隊が戦争に行く世界で、ぼくたちは安心して暮らしているはずだった。
非戦と平和への願いを込めて、詩人・内田麟太郎が描く近未来とは──。

読者の声

読者さま

心を「グサッ!」と刺された絵本です。(64歳・男性)

心を「グサッ!」と刺された絵本です。テレビ(映像)のウクライナ、中東ガザを見て、悲惨な姿を見て、痛ましい、惨たらしいと思っているが、自分の中の他人事のような気を、言葉と絵で反省を促されました。あとがきの「ひとでいたい」の内田さんの言葉は心が痛いです。
読者さま

nakabanさんの涙に体温を感じました。

nakabanさんの涙に体温を感じました。ひとでいること、涙をながせることとは... 考えさせられました。
Flaneur書店の原画展コーナーの広さがよかったです。
読者さま

本書は大変参考になりました。(48歳・男性)

「人はなぜ、なみだを流すのか?」この問いに答えたり、娘たちに説明する上で、本書は大変参考になりました。嬉しいことも悲しいことも、どんな経験でもなみだを流せる経験が、人を成長させ、人生を豊かにしてくれることを改めて認識しました。このような、良書を発刊してくださり心より御礼申し上げます!
読者さま

ひとのなみだは、あたたかいです。(女性)

この本の発売は、nakabanさんのブログで知りました。今、ウクライナとロシア、ガザ(パレスチナ)とイスラエルの間では戦いが続いています。武力では、問題は解決できないと思います。時間をかけて話し合いを続けることを、あきらめてはいけないと思っています。
ひとのなみだは、あたたかいです。それは、どこの国の人でも同じです。それを忘れないでいたいと思います。

もっと見る

関連情報

2025/2/28

<長野県安曇野市>展覧会『戦後80年 ちひろと世界の絵本画家たち絵本でつなぐ「へいわ」』が開催されます。

3月1日(土)から安曇野ちひろ美術館にて展覧会『戦後80年 ちひろと世界の絵本画家たち絵本でつなぐ「へいわ」』が開催されます。童心社からは昨年出版された『ひとのなみだ』(内田麟太郎・文 nakaban ...

続きを読む

2024/8/6

〈群馬県前橋市〉『ひとのなみだ』絵本原画展が開催されます!

8月10日(土)から前橋市フリッツ・アートセンターにて『ひとのなみだ』絵本原画展が開催されます。お近くの方はぜひ足をお運びください。♦︎『ひとのなみだ』絵本原画展日 時:2024年8月10日(土)〜9 ...

続きを読む

2024/7/8

<東京>7/23(火)よりフラヌール書店にて新刊絵本『ひとのなみだ』原画展がおこなわれます

先月刊行した絵本『ひとのなみだ』の原画展が開催されます。お近くの方はぜひ足をお運びください。nakaban 絵本原画展『ひとのなみだ』日 時:2024年7月23日(火)〜8月5日(月)    12:0 ...

続きを読む

もっと見る

書評

絵本『ひとのなみだ』を書いて 母のひろば722号(2024年7月15日発行)
 平和の絵本には、平和を願う絵本と、平和を願っている絵本があると思う。そしてどちらが子どもたちに大切かと問われれば、私は平和を願っている絵本だと答える。『ひとのなみだ』は、平和を願う絵本である。
 平和を願っている絵本には、『もこもこもこ』や『わたしのワンピース』などがある。これらの絵本はひとことも平和について語っていないが、どれもが平和を願っていることを疑う者はいないだろう。平和を願う絵本は、これらの宝が、すべての子どもたちに渡る願いをこめて、書かれる絵本ではないだろうか。いや、その子の親に向かって「敵だ!」と引き金を引く自分を問う絵本だと。
 絵本を読んでくれた親の遺体に取りすがり泣く子どもと、おなじ「ひとのなみだ」を流せるひとでありたい。
内田 麟太郎(『ひとのなみだ』著者)
自分が自分であるために 母のひろば722号(2024年7月15日発行)
 物語に誘われる同情の涙のことではありません。勇ましさに奮い立った時の危うい涙でもありません。暗闇の中でひとりぼっちで、心細くおかあさんを呼ぶ時の、かなしく澄んだ涙があります。その涙は一見弱々しいようですが、自分が自分であるための大切な命綱であるような気がします。
 しかし、わたしたちの涙は枯れています。無理もありません。情報が多すぎます。残念ながら、それらのほとんどがわたしたちを洗脳、支配するための情報です。人生を浪費してしまうような、煙幕のような情報も増えています。まるでここは戦場のようで、これではシニカルに生きざるを得ません。こうして知らないうちに「ひと」がどこかへ導かれて行ってしまうような、どうしようもない時代になってしまいました。本来の自分を見つめなければならない時です。
nakaban(『ひとのなみだ』画家)

もっと見る