童心社の絵本

ひとのなみだ

内田麟太郎 文/nakaban

 だいとうりょうが さけぶ
 せんそうが はじまる
 でも ぼくは いかない
 いくのは ロボットのへいたい

ロボットの兵隊が戦争に行く世界で、ぼくたちは安心して暮らしているはずだった。
非戦と平和への願いを込めて、詩人・内田麟太郎が描く近未来とは──。

  • 定価1,760円 (本体1,600円+税10%)
  • 初版:2024年6月30日
  • 判型:A4変型判/サイズ:26.3×21.6cm
  • 頁数:32頁
  • 小学1・2年~
  • ISBN:978-4-494-01597-9
  • NDC:913

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内容説明

 だいとうりょうが さけぶ
 せんそうが はじまる
 でも ぼくは いかない
 いくのは ロボットのへいたい

ロボットの兵隊が戦争に行く世界で、ぼくたちは安心して暮らしているはずだった。
非戦と平和への願いを込めて、詩人・内田麟太郎が描く近未来とは──。

関連情報

2024/7/8

<東京>7/23(火)よりフラヌール書店にて新刊絵本『ひとのなみだ』原画展がおこなわれます

先月刊行した絵本『ひとのなみだ』の原画展が開催されます。お近くの方はぜひ足をお運びください。nakaban 絵本原画展『ひとのなみだ』日 時:2024年7月23日(火)〜8月5日(月)    12:0 ...

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書評

絵本『ひとのなみだ』を書いて 母のひろば722号(2024年7月15日発行)
 平和の絵本には、平和を願う絵本と、平和を願っている絵本があると思う。そしてどちらが子どもたちに大切かと問われれば、私は平和を願っている絵本だと答える。『ひとのなみだ』は、平和を願う絵本である。
 平和を願っている絵本には、『もこもこもこ』や『わたしのワンピース』などがある。これらの絵本はひとことも平和について語っていないが、どれもが平和を願っていることを疑う者はいないだろう。平和を願う絵本は、これらの宝が、すべての子どもたちに渡る願いをこめて、書かれる絵本ではないだろうか。いや、その子の親に向かって「敵だ!」と引き金を引く自分を問う絵本だと。
 絵本を読んでくれた親の遺体に取りすがり泣く子どもと、おなじ「ひとのなみだ」を流せるひとでありたい。
内田 麟太郎(『ひとのなみだ』著者)
自分が自分であるために 母のひろば722号(2024年7月15日発行)
 物語に誘われる同情の涙のことではありません。勇ましさに奮い立った時の危うい涙でもありません。暗闇の中でひとりぼっちで、心細くおかあさんを呼ぶ時の、かなしく澄んだ涙があります。その涙は一見弱々しいようですが、自分が自分であるための大切な命綱であるような気がします。
 しかし、わたしたちの涙は枯れています。無理もありません。情報が多すぎます。残念ながら、それらのほとんどがわたしたちを洗脳、支配するための情報です。人生を浪費してしまうような、煙幕のような情報も増えています。まるでここは戦場のようで、これではシニカルに生きざるを得ません。こうして知らないうちに「ひと」がどこかへ導かれて行ってしまうような、どうしようもない時代になってしまいました。本来の自分を見つめなければならない時です。
nakaban(『ひとのなみだ』画家)

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