2024.05.29

地球の気温が2℃上がると、どうなるの? 絵本『たった2℃で…』

『たった2℃で…』(キム・ファン 文 チョン・ジンギョン 絵 童心社)


2023年は世界の平均気温が観測史上もっとも高い1年だったということ、みなさんは知っていましたか?

 2023年は観測史上最も暑い年に(WMO)


「地球温暖化」の問題が注目されるようになったのは、1985年の世界会議がきっかけだったといいます。
それから約40年。
日本に暮らす私たちも、真夏日の増加や異常気象など、その影響を実感することが増えてきましたね。


絵本『たった2℃で…』は、2023年10月に韓国で刊行されました。
子どもたちに地球温暖化があたえる影響についてわかりやすく伝えることができる1冊です。

たとえば海。


海水温が2℃上昇すると……。


  「魚の大移動がはじまる。
  魚にとって2℃は、人間がかんじる20℃ぐらいの大きなちがいだ。
  だから魚たちの移動は、いのちがけなんだ。」 
 



海の中でなくても、気温が2℃上昇することでさまざまな変化が起きると考えられています。

海岸の砂浜では、ウミガメのメスばかり生まれることになる。
パンダが暮らす山では、食料のタケとササが育たなくなってしまう。
海の氷がへったせいで、ホッキョクグマは獲物を狩ることができなくなる――。

読者は、さまざまな生きものがこれまでどおりに生きられなくなるかもしれない「未来」を、ページをめくることで体験するのです。


韓国では、こんな感想が届いています。

●わかってはいたけれど、深刻には受け入れていなかったそれまでのわたしを反省しました。
わたしの子どもが生きていく地球のために、気候環境問題について深く考え、関心をもたなくてはなりません。
子どもたちと一緒に読むことを強くおすすめします!
――読者の方より

●絵もきれいで内容もやさしくわかりやすく共感できる本。動物が好きな娘は、この本を読んで泣いてしまいました。ゴミを減らしていけるよう、もっと頑張らなくては。
――読者の方より

本作では、地球温暖化を「病気」と表現しています。

病んでいる地球を治すため、これ以上悪化させないために、私たちに何ができるのか。
ひとりひとりの問題として考える第一歩になる1冊です。


小学校1・2年生から。

(キム・ファン・文 チョン・ジンギョン・絵)
たった2℃で…

単行本絵本

たった2℃で…

キム・ファン 文/チョン・ジンギョン

気候変動による地球の温暖化は、まったなしの大問題です。2021年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎さんの「気候モデル」により、CO2濃度が2倍になると地球の温度が約2度あがることが、世界で初めて計算で明らかになったのです。この絵本では、もし地球の気温が2℃あがったら、私たち人間もふくめて地球上のすべての生きものに大きな影響があることを、子どもたちにも直感的にわかるような構成と絵によって伝えます。

  • 小学1・2年~
  • 2024年5月15日初版
  • 定価1,980円 (本体1,800円+税10%)
  • 立ち読み