2022.03.04

<新刊紹介>絵本ではじめるポジティブな性教育! 話題の新刊『うみとりくの からだのはなし』

子どもに対する性教育というと、

「何歳くらいからはじめればいいの?」
「どんなことを伝えればいいんだろう」

など、疑問や不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

今日ご紹介するのは、産婦人科医・遠見才希子さんによる新シリーズ「性とからだの絵本」『うみとりくの からだのはなし』です。


主人公は双子のうみとりく。
前から見ても、横から見ても、そっくりのふたり。
でも、うみとりくは、全然ちがうのです。
うみの体はうみのもの。
りくの体はりくのもの、だから。


本作では、「からだの権利」について丁寧に伝えます。
それは、自分の体にだれがどんなふうにさわるかは、自分が決めるということ。

たとえばくすぐりっこ。
最初は楽しくても、だんだんいやな気持ちになることもあるかもしれません。
そういうときは「いやだ」「やめて」って言ってもいいのです。

反対に、相手の体をさわるときには、「同意」つまり「さわっていいよ」の意思確認が大切です。





うみとりくは、自分の体に興味津々。
自分の体のとくに大切なところ=「プライベートパーツ」について知ることは、自分を守る第一歩です。
「自分のプライベートパーツをさわるのは自分だけ」
「だれかのプライベートパーツをかってに見たりさわったりしない」
「プライベートパーツは写真や動画にとらない」など、プライベートパーツをどうやって大切にすればよいか具体的に示します。

この絵本の作者であり、これまでに1,000校以上で性教育の講演を行ってきた、遠見才希子さんの言葉を紹介します。

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「性教育ってちょっとハードルが高いな」というイメージがあるかもしれません。
日本では性をタブー視する風潮もあり、私自身も、性教育を受けずに大人になったひとりです。医学生になって、中高生向けの性教育活動をはじめましたが、いざ親になると、小さな子にどう伝えたらいいかわかりませんでした。

「子どもと同じ目線で一緒に考えられる絵本をつくりたい」という思いから生まれたのが「性とからだの絵本」シリーズです。性教育というと月経や射精というイメージがあるかもしれませんが、国際的には、性を「人権」という視点でとらえた幅広い「包括的性教育」を、5歳ごろから体系的に学ぶことが推奨されています。ポイントは、「他者を尊重しながら、性や体のことを自分で選択できる自己決定力を育むこと」。それは、性犯罪を防ぐことをふくめ、みんなの健康と幸せの実現につながります。

このシリーズは、そんなポジティブなアプローチのひとつになるように、心をこめてつくりました。未来を生きる多くの子どもたちに届くことを願っています。

産婦人科医・遠見才希子

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本作は、こう結ばれます。


じぶんの からだは じぶんのもの。
あいての からだは あいてのもの。

おたがいの からだを
たいせつに するために
あいての きもちを きこう。
じぶんの きもちを つたえよう。

みんな このせかいで
たったひとりに
かけがえのないひとだから。


自分の体と心を大切にすること。それと同じように自分以外のひとも尊重すること。
親子でいっしょに読むことで、子どもたちに大事なメッセージを伝えることができる1冊です。

32ページ、4・5歳から。
おかげさまで、発売日を待たずに増刷が決定しました!


(遠見才希子・作 佐々木一澄・絵)

本シリーズの続刊、『あかちゃんが うまれるまで』(絵・相野谷由起)、『おとなになるっていうこと』(絵・和歌山静子)は、4月初旬の刊行予定です。

性とからだの絵本

性とからだの絵本

遠見才希子

からだの権利やプライベートパーツ、受精から妊娠、出産、そして第二次性徴や性の多様性まで、国政的に標準的な「包括的性教育」の幅広いテーマを、やさしい言葉とあたたかい絵で伝えます。みんなの幸せと健康につなげるためのポジティブな性教育のシリーズです。
たがいの性とからだを尊重し、ちがいを認めあう、あたらしい性教育のための絵本3巻セット。

<セット内容>
・『うみとりくのはなし』
双子のうみとりくは、そっくりだけど、全然ちがう。お母さんになでられるのが好きなりくと、苦手なうみ。互いのからだを大切にするために、体の自己決定と同意、プライベートパーツについて、いっしょに考えます。

・『あかちゃんがうまれるまで』
ママのおなかに赤ちゃんがきた! どこからきた?どうやってうまれるの?ぼくとともに、赤ちゃんの誕生までによりそいます。

・『おとなになるっていうこと』
「せいりようひん」ってなんだろう? ぼくのぎもん、おねえちゃんの悩み、おかあさんの幼なじみのかおるさんの話…。第二次性徴と、みんなそれぞれのからだの違い、性自認まで、性をめぐる変化と多様性を考えます。

  • 小学1・2年~
  • 2022年3月30日初版
  • 揃定価4,730円 (本体4,300円+税10%)
うみとりくの からだのはなし

性とからだの絵本

うみとりくの からだのはなし

遠見才希子 作/佐々木一澄

ふたごのうみとりくは、そっくりだけど、ぜんぜんちがう。
りくはおかあさんになでられるのが好きだけど、うみはなでられるのが苦手。
そんな2人といっしょに、みんながそれぞれのからだを大切にするためには、
どうしたらよいのか考える絵本です。
●自分の体にだれがどんなふうに触れるかは、自分で決められること。
●相手の体に触れるときは、同意が必要なこと。
●触るのも見るのも自分だけの、とくべつ大事な場所、プライベートパーツとは?
●プライベートパーツを触られそうになったら? 触られてしまったら?
大事なことだけれど、なかなか話しあうのが難しいからだの話を、かわいらしい双子といっしょに、やさしいシンプルなことばで考えます。
性犯罪から身を守ることはもちろん、相手の体を尊重する態度を身につけます。
「生命の安全教育」の教材にも最適です。

  • 4・5歳~
  • 2022年3月1日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
あかちゃんが うまれるまで

性とからだの絵本

あかちゃんが うまれるまで

遠見才希子 作/相野谷由起

ママのおなかに赤ちゃんがきた!
どこからきた?
どうやってうまれるの?
「ぼく」の目を通して、四季のうつろいとともに、生命が胎内で芽ばえ、育ち、誕生するまでの過程によりそいます。
赤ちゃんができる仕組み、産科での診察のようす、胎児の成長も、やさしい絵と語り口で伝えます。帝王切開や不妊治療も紹介し、さまざまな生まれ方に触れることもできます。

  • 小学1・2年~
  • 2022年3月30日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み
おとなになるっていうこと

性とからだの絵本

おとなになるっていうこと

遠見才希子 作/和歌山静子

「せいりようひん」ってなんだろう?
ぼくはおとこらしくないとだめ?
ぼくの疑問、おねえちゃんの悩み、おかあさんの幼なじみの話などを通して、第二次性徴やからだの違い、さまざまな性のあり方まで、性をめぐるさまざまな問題を考えます。

  • 小学1・2年~
  • 2022年3月30日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み