今日ご紹介するのは、今年めでたく刊行30周年をむかえた『ふくろうのそめものや』。
『いないいいないばあ』を手がけた松谷みよ子さんによる、あかちゃんのための昔話です。


表紙に描かれたかわいい白い鳥。
実は、からすなんです。


「むかし　むかし
からすの　からだは
まっしろでした

ところが　あるひ
みやまかけすを　みて
めを　ぐるぐる　させました
うわあ　なんて　きれいなんだ」

しじゅうからやかわせみなど他の鳥たちの美しい姿を見たからすは、自分もきれいになりたいとふくろうのそめものやへ行くことにしました。
からすは思いどおりに変わることができたのでしょうか？

あかちゃんに語りかけるように書かれた文は、わかりやすく、心地よいリズムがあります。

絵は、和歌山静子さんによる切り絵です。
鳥たちの模様や色の美しさ、鮮やかさが、見る者を楽しませてくれますよ。

「松谷みよ子あかちゃんのむかしむかし」シリーズの1作です。
あかちゃんをおひざにのせて、ゆったりとした気持ちでお楽しみください。

（松谷みよ子・ぶん　和歌山静子・え）