2021.06.28

<いま、読みたい絵本>大切な人の願い、かないますように……『ひ・み・つ』

来週、7月7日は七夕ですね。
みなさんはもう短冊を書きましたか?
今年はどんなお願いをしますか?

七夕に大切な人の願いをかなえようとがんばる少年を描いた、田畑精一さんの絵本『ひ・み・つ』を今日はご紹介します。



ゆうきは、しんばあちゃんにお手紙を書きました。
しんばあちゃんは、七夕の日がお誕生日。こんど80歳になります。


「しんばあちゃん。
もうすぐ 80さいの おたんじょうびですね。
プレゼントに いちばんほしいものは なんですか。」


すると、しんばあちゃんからのお返事には、「天国のおじいちゃんといっしょにダンスがしたい」という「ひ・み・つ」の願いごとが書いてありました。
しんばあちゃんは、おじいちゃんとは40年も会っていないというのです。

しんばあちゃんのため、ゆうきは天国に行っておじいちゃんを呼んでこようとします。
そんなこと、できるのでしょうか?
仲よしのたくやとるみに相談したところ、魔法使いになればいい、というアイディアが出てきました。

去年の劇で魔法使いを演じたときの帽子を取り出したゆうきが呪文をとなえると、なんと動物の言葉がわかるようになりました。
動物たちにみちびかれて、お宮の森にやってきたゆうきは……?



大好きな人にもう一度会いたい、というしんばあちゃんの願いをかなえるため、ゆうきはみずから考え、とにかくやってみるのです。
ゆうきの強い思いが起こした奇跡を、ぜひ絵本でご覧ください。


最高のプレゼントをもらったしんばあちゃんは、ゆうきにむけた手紙にこう書きます。


「おばあちゃん、いきてく げんきが どーんと わいてきちゃった。」


作者は『おしいれのぼうけん』を手がけた田畑精一さんです。
2004年に刊行された本作でも、子どもが自分の力でがんばる姿をいきいきと描きました。

子どもの子どもらしい表情、美しい森や星空、あたたかさが伝わるしんばあちゃんのシーンなど、みどころがたくさん!
星祭を前に、ぜひご家族で味わってみてください。


(たばたせいいち・さく)


『ひ・み・つ』の原画をはじめ、田畑精一さんの画業を紹介する追悼展「ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道」が、明日6/29まで池袋のギャラリー路草にて開催されています。
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2331
ひ・み・つ

たばたせいいちの絵本

ひ・み・つ

たばたせいいち さく

ゆうきはおばあちゃんの大切な《ひみつ=願い》のために、一生懸命がんばります。そして…。

  • 4・5歳~
  • 2004年5月30日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
おしいれのぼうけん

絵本・ぼくたちこどもだ

おしいれのぼうけん

ふるたたるひたばたせいいち

お昼寝前に、ミニカーのとりっこでけんかをしたさとしとあきらは、先生に叱られておしいれに入れられてしまいます。そこで出会ったのは、地下の世界に住む恐ろしいねずみばあさんでした。
ふたりをやっつけようと、追いかけてくるねずみばあさん。でも、さとしとあきらは決してあきらめません。手をつないで走りつづけます―。80ページものボリュームがありながら、かけぬけるように展開するふたりの大冒険。1974年の刊行以来多くの子どもたちが夢中になり、版を重ねてきました。累計239万部を超えるロングセラー絵本。

  • 3歳~
  • 1974年11月1日初版
  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 立ち読み