2021.05.28

<ありがとう エリック・カールさん>『どこへいくの? To See My Friend!』

昨日、海の向こうから悲しいお知らせが届きました。
絵本作家のエリック・カールさんがご逝去されました。91歳でした。
心よりご冥福をお祈りいたします。

エリック・カールさんが、「14ひきのシリーズ」のいわむらかずおさんと共作された絵本『どこへいくの? To See My Friend!』を、今日はご紹介します。


エリック・カールさんといわむらかずおさんの出会いは、2000年の1月。
日本でおふたりの原画展が開催されることとなり、栃木県の「いわむらかずお絵本の丘美術館」でトークショーが行われました。

このとき、エリック・カールさんといわむらかずおさんは、すぐに意気投合したといいます。
同じころに初めての絵本を出版していること、絵本作家になる前はともにグラフィックデザイナーだったこと、子どもが大好きで、自然が大好きで、ジョークも好き……といった具合にたくさんの共通点があったからだそうです。

そしてエリック・カールさんから、こんな提案が。

「ふたりで絵本を作らないか。わたしが左の表紙から描きはじめて、かずおさんが右の表紙から描く、そしてまん中のページで、ふたりの絵が出会うのさ」(※)

こうして、おふたりの絵本づくりがはじまりました。

エリック・カールさんが帰国されてからも互いにラフスケッチのやりとりを続け、、2000年6月にはいわむらかずおさんがアメリカのエリック・カールさんのスタジオを訪れました。


そして2001年、『どこへいくの? To See My Friend!』が出版となりました。


どこへ いくの?

ともだちに あいに!


どんな ともだち?

うたが うまいんだ。


こうして右から左へ、左から右へとどんどんともだちが増え、真ん中のページでみんなが出会います。
ページをめくれば、観音開きの大画面にエリック・カールさんといわむらかずおさんの描くともだちがいっぱい! 楽しい歌が聞こえてくるようです。


ぼくの ともだちは

きみの ともだちさ。

My friend is your friend.


エリック・カールさんといわむらかずおさんのあたたかな友情からうまれた、ともだちと出会ううれしさあふれる一冊です。

本に挟み込まれているパンフレットには、エリック・カールさん、いわむらかずおさんの言葉が掲載されています。


(いわむらかずお、エリック・カール 作)

※童心社定期刊行物「母のひろば」449号(2001年10月15日)より
14ひきのシリーズ

14ひきのシリーズ

いわむらかずお さく

おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、そしてきょうだい10ぴき。ねずみの大家族が自然と共に生きる絵本の世界。

※こちらの12巻セットは、1巻『14ひきのひっこし』~12巻『14ひきのもちつき』までを含むシリーズ全巻のセットです。

  • 3歳~
  • 2002年7月20日初版
  • 揃定価17,160円 (本体15,600円+税10%)
  • 立ち読み
どこへいくの? To See My Friend!

単行本絵本

どこへいくの? To See My Friend!

いわむらかずおエリック・カール

世界的絵本作家二人による合作絵本。

日本語、英語、左右両方の表紙から始まり、それぞれ対訳関係になって、ストーリーが展開します。

  • 3歳~
  • 2001年11月15日初版
  • 定価1,870円 (本体1,700円+税10%)