2020.05.12

<連載>ふたりの母が子どもを見つめ、愛し、描いた『おふろでちゃぷちゃぷ』

今年、刊行50周年と累計200万部という節目を迎えた絵本『おふろでちゃぷちゃぷ』。
本作は、日本一の絵本『いないいないばあ』(※1)と同じく「松谷みよ子あかちゃんの本」シリーズの1作です。

著者の松谷みよ子さんは、あかちゃん向けの絵本がほとんどなかった時代に子育てを経験しました。
その中で「あかちゃんだからこそ美しい日本語と最高の絵を」という思いで『いないいないばあ』を作り出していきました。
こうしてはじまった「松谷みよ子あかちゃんの本」シリーズの第8作として、『おふろでちゃぷちゃぷ』は1970年に刊行されます。


『おふろでちゃぷちゃぷ』の創作のはじまりを、松谷みよ子さんはこう思い返しています。

「おふろは好きなあかちゃんときらいなあかちゃんがある。けれど、きらいな子も自然におふろが好きになるような、生のよろこびにあふれた本がつくりたかった。
一枚一枚ぬいではだかんぼになること、おふろの中で水をちゃぷちゃぷさせ、せっけんをぶくぶくさせること、それはどの子にも共通の、原始的ともいえるよろこびではあるまいか」(※2)

「清潔ですべすべして、むちむちしたはだかのあかちゃん」(※3)を描ける画家として松谷さんの頭に浮かんだのが、いわさきちひろさんでした。
ともに子育てを経験した母同士でもある松谷さんといわさきさんは、原画を並べて討論を重ねながら、本作を作り上げていきました。


それから半世紀。おふろが「いいとこ」だとあかちゃんに伝える絵本として、本作は読みつがれてきました。
今日もどこかのお家から「あたま あらって きゅーぴーさん」という声とあかちゃんの笑い声が聞こえてくるようです。

※1 『いないいないばあ』は累計発行部数682万部で日本で一番発行部数の多い絵本です(トーハン「ミリオンぶっく2020」調べ)。
※2、3とも童心社定期刊行物「母のひろば」74号(1970.7.15)より

(松谷みよ子・ぶん いわさきちひろ・え)

おふろでちゃぷちゃぷ

松谷みよ子 あかちゃんの本

おふろでちゃぷちゃぷ

松谷 みよ子 ぶん/いわさき ちひろ

あひるちゃん、どこいくの? あれ、タオルをもって、どこいくの? いいとこいいとこ。
わかった! おふろだ! グワッグワッ そうだよ はやく おいで~。

  • 0・1歳~
  • 1970年5月5日初版
  • 定価770円 (税込)
  • 立ち読み
いないいないばあ

松谷みよ子 あかちゃんの本

いないいないばあ

松谷 みよ子 ぶん/瀬川 康男

いない、いない、ばあ。にゃあにゃが、くまちゃんが、ほらね、いない、いない……。
発行部数680万部を超える、日本で一番売れている絵本です。(トーハンミリオンブック2020調べ)

  • 0・1歳~
  • 1967年4月15日初版
  • 定価770円 (税込)
  • 立ち読み
  • 在庫僅少
松谷みよ子 あかちゃんの本

松谷みよ子 あかちゃんの本

松谷 みよ子 ぶん/瀬川康男、他

日本で初めてのあかちゃん絵本として出版されて40年以上、世代を超えて読みつがれ、たくさんのあかちゃんとおかあさんを笑顔にしてきたロングセラー絵本シリーズ。『いないいないばあ』『いいおかお』他、全9巻の美麗ケース付き。

  • 0・1歳~
  • 初版
  • 揃定価7,040円 (税込)