もしもにそなえる 防災かみしばい (全6巻) 

モシモニソナエルボウサイカミシバイ

在庫僅少

原本憲子 監修

モシモニソナエルボウサイカミシバイ

東日本大震災を経験し、あらためて子どもたちの命を守らなければという思いから、実用性に富む紙芝居を作りました。子どもたち自身が安全に気づき、非常時には自分の身を守ろうと行動することができる力を育てるために役立つ紙しばいです。

監修の原本憲子(はらもとのりこ)さんは、東京都公立幼稚園園長として15年勤務後、聖徳大学教授として幼児の安全教育・危機管理のための研究をつづけ、現在、学校安全教育研究所教授。文部科学省のワーキンググループメンバー等として防災教育の専門家の立場から提言をおこなっています。

  • 揃定価11,660円 (本体10,600円+税10%)
  • 初版:2014年7月30日
  • 判型:各B4判/サイズ:各26.5×38.2cm
  • 頁数:各8~12場面
  • 3歳~
  • ISBN:978-4-494-07272-9
  • NDC:369.3

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この紙芝居について頂いた反響の中から、代表的な質問2つについて、監修の原本憲子さんよりお返事をいただきましたのでご紹介します。

Q 海のない県の園で、津波訓練の紙芝居は必要あるの?
→当然、各園が行う各種訓練は、地域の実態を考慮して行うものですので、津波の被害を受ける可能性がない場所では津波災害の訓練をする必要はありません。
むしろ、山に近ければ「地すべり被害」、市街地で木造密集地であれば「火災・倒壊」を想定しての訓練を強化する必要があります。

幼児期の安全指導では、小学校以降の指導内容とは異なり、各教科により地震について学問的に指導する必要はありませんが、日本の地形的特性から、地震災害の被害が全く及ばない土地はありません。夏休みに海へ遊びに行ったりすることもあります。
4~5歳児にでもなれば、幼児なりに津波の怖さと、いざという時、迅速な行動が命を守ることについて紙芝居で学んでおくことは、決して無駄なことではありません。

Q うちの園では「お・か・し・も」ではなく「お・は・し・も」で指導しているけれど、どちらがいいの?
→どちらでも構いません。
もともと集団避難の際の基本行動、「おさない・かけない・しゃべらない」を子供にわかりやすいようにということでの指導の工夫の一つとして登場したものです。後に火災時、大事なものを取りに戻って亡くなった子供が出てしまったために、「もどらない」をプラスしました。

日本ではいつの間にか「おかしも」が共通語になってしまいましたが、子どもに学ばせることは「走らない」か「駆けださない」かの用語ではなく、正しい行動です。自園の子供のために、先生が考え、幼児には「かけない」より「はしらない」の方がしっくりくると思えば、「おはしも」で構いません。大事なことは、スローガン的な言葉を覚えさせることではなく、いざという時、身に着く行動力です。

ただし、小学校では「おかしも」の指導が、共通のタイトルのようになっている場合もありますので、就学前指導では、「おかしも」という場合もあることを伝えてもいいですね。
紙芝居を利用する場合、「〇〇幼稚園では、お・は・し・もだね!」と解説すればいいだけのことです。安全標語を教えることが目的ではありません。各園、各先生が自園の子供のために創意工夫することが望まれます。
    

内容説明

東日本大震災を経験し、あらためて子どもたちの命を守らなければという思いから、実用性に富む紙芝居を作りました。子どもたち自身が安全に気づき、非常時には自分の身を守ろうと行動することができる力を育てるために役立つ紙しばいです。

監修の原本憲子(はらもとのりこ)さんは、東京都公立幼稚園園長として15年勤務後、聖徳大学教授として幼児の安全教育・危機管理のための研究をつづけ、現在、学校安全教育研究所教授。文部科学省のワーキンググループメンバー等として防災教育の専門家の立場から提言をおこなっています。

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もしももしものもしもんが、きた!

もしもにそなえる 防災かみしばい

もしももしものもしもんが、きた!

すとうあさえ 脚本/くすはら順子 絵/原本憲子 監修

お片づけをしないたかしくんに、みきちゃんは注意をします。「もしも積み木を踏んだら痛いよ!」たかしは言い返します。「もしも、もしもってうるさいなぁ!」そのとたん「ふぁっふぁっふぁ。よんだのはだれだー」と“もしももしものもしもん”が登場しました。「もしもん」は、みんなの避難訓練の成果を確かめようと、教室を揺らします。子どもたちは訓練の成果を発揮しつつも、想定していなかったことも起こりはじめ……。

  • 3歳~
  • 2014年7月30日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
れんしゅうしてて よかったね 

もしもにそなえる 防災かみしばい

れんしゅうしてて よかったね 

宮﨑二美枝 脚本/夏目尚吾 絵/原本憲子 監修

今日はひまわり園の避難訓練の日です。「練習いつはじまるのかなあ。ドキドキしちゃう」すると、本当に大きな地震が、起きたのです。ダイちゃんとトモちゃんは、普段から、避難訓練で先生のお話をしっかり聞いて、いろいろな練習をしていたので……。
東日本大震災でも、改めて認識された、普段行う避難訓練の重要性についてお伝えする紙しばいです。東日本大震災以降、最近特に力を入れている、二次避難についても描いています。

  • 3歳~
  • 2014年7月30日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
にげてにげて つなみがくるよ!

もしもにそなえる 防災かみしばい

にげてにげて つなみがくるよ!

やすいすえこ 脚本/鈴木幸枝 絵/原本憲子 監修

にっこり村の、にこにこ園では今日はひなんくんれんです。消防団のいのししさんもきて、とくべつなひなんくんれんだって。まずは地震のくんれん。ぐらぐらっと地震がきたら、どうする? みんなは防災ずきんをかぶって机の下や安全な場所で頭を守ってダンゴムシのポーズ。よくできました。つぎは、つなみのひなんくんれん。いのししさんが大きな波の模型をひっぱります。もし、つなみがきたらみんなはどうする? 高いところににげるのよ。そして、はしりながらこう言ってね。「にげてにげてー、つなみがくるよー」子どもたちはむらの大人たちによびかけながら、いちばん高い丘をめざしてはしります。村のひとたちもいっしょに、ひなんくんれんです。

  • 3歳~
  • 2014年7月30日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
「おかしも」は かじの おやくそく

もしもにそなえる 防災かみしばい

「おかしも」は かじの おやくそく

礒みゆき 脚本・絵/原本憲子 監修

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  • 3歳~
  • 2014年7月30日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
にんじゃせんせい いざまる

もしもにそなえる 防災かみしばい

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津田真一 脚本/市居みか 絵/原本憲子 監修

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  • 3歳~
  • 2014年7月30日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み
だいじ だいじ

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  • 3歳~
  • 2014年7月30日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み

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大災害から子どもを守るために、今できることを考える(母のひろば 305号) 2014年10月15日
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原本 憲子(はらもと のりこ/元聖徳大学教授・学校安全教育研究所教授)