単行本図書

見て味わう×読んで知る 平安時代の古典と文化

川村裕子 監修

平安時代に成立した、または平安時代が舞台となっている、4つの有名な古典作品を紹介。
それぞれの作品について、代表的な数場面をとりあげて、①声に出して読んでみよう(原文と現代訳)、②お話を知ろう、③平安時代の文化を知ろう、の3本立てで解説。古典のあらすじや作者について伝えるとともに、当時の文化的な背景をしっかり解説しているので、小5国語の古典はもちろん、小6歴史の平安時代の学習内容にも対応。また、現代的なイラストとともに、絵巻物や古い絵本、屏風などの絵も豊富に掲載して、当時の雰囲気をビジュアルでも味わえます。

  • 定価5,940円 (本体5,400円+税10%)
  • 初版:2023年11月30日
  • 判型:A4判/サイズ:30.3×21.6cm
  • 頁数:144頁
  • 小学5・6年~
  • ISBN:978-4-494-01881-9
  • NDC:910

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内容説明

平安時代に成立した、または平安時代が舞台となっている、4つの有名な古典作品を紹介。
それぞれの作品について、代表的な数場面をとりあげて、①声に出して読んでみよう(原文と現代訳)、②お話を知ろう、③平安時代の文化を知ろう、の3本立てで解説。古典のあらすじや作者について伝えるとともに、当時の文化的な背景をしっかり解説しているので、小5国語の古典はもちろん、小6歴史の平安時代の学習内容にも対応。また、現代的なイラストとともに、絵巻物や古い絵本、屏風などの絵も豊富に掲載して、当時の雰囲気をビジュアルでも味わえます。

書評

ビジュアルとともに楽しむ平安時代 母のひろば715号(2023年12月15日発行)
 小・中学校で古典の本文を音読すること、暗唱することは体験しているものの、内容をじっくり味わったことはない……。大学の教室でもそのような反応に接することがあります。
 本書では、大きな絵とともに本文が掲載されています。たとえば、光源氏が小柴垣から美しい少女を覗いている絵を見ながら、「髪は扇をひろげたるやうにゆらゆらとして、顔いと赤くすりなして立てり」と音読してみる。物語の場面が生き生きと立体的に迫ってくることでしょう。
 さらに本書では、あらすじを紹介し、また本文の場面と関連づけて、装束や調度などの生活文化、官職や年中行事などの有職故実(ゆうそくこじつ)、政治や歴史の流れなどへと、自然に興味や関心が向き、多角的な理解が深まるように構成されています。イラストや写真も豊富で、学校の国語便覧や日本史の資料集などよりも、やさしく古典の文学と文化に向き合うことができるのではないでしょうか。
 いま、美術館、博物館、図書館などでは、古典文学をテーマにした絵本や屏風などを展示する催しがさかんに行われています。教室を飛び出して、新しい絵画作品にめぐり会い、古典の文学の多様なひろがりを実感する。本書はそのお手伝いをしてくれるかもしれません。
 また、本書の「物語の読まれ方」という箇所で説明されているとおり、平安時代には、姫君は物語絵を見つめながら、女房が読み上げる本文に耳を傾ける、という物語の鑑賞のされ方がありました。平安時代にならって、子どもは絵に注目し、保護者の方や先生がゆっくりと音読してあげ、いっしょに平安時代を舞台にした作品を楽しんではいかがでしょうか。
いわぎけんたろう/武蔵野大学准教授

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