童心社のおはなしえほん

たんぽぽになりたくて

内田麟太郎 文/南塚直子

たんぽぽのわたげは わらいながらとんでいく… また たんぽぽに なれるから

たんぽぽになれば、友達に、うさぎに、ちょうちょに、また会うことができます。風に身をまかせて飛んでいく綿毛は、自分で行き先を決めることができません。それでもなお、綿毛が笑いながら飛んでいくのは、新たな出会いへの希望に胸を膨らませ、再び野原いっぱいに花を咲かせたいと願っているから。画面からあふれんばかりに描かれたたんぽぽからは、巡る命の輝きと生きるよろこびが伝わってきます。旅立ちの季節、出会いの春に読みたい絵本です。

  • 全国学校図書館協議会選定
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 初版:2024年2月9日
  • 判型:B5変型判/サイズ:20.7×22.2cm
  • 頁数:28頁
  • 3歳~
  • ISBN:978-4-494-01644-0
  • NDC:913

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内容説明

たんぽぽのわたげは わらいながらとんでいく… また たんぽぽに なれるから

たんぽぽになれば、友達に、うさぎに、ちょうちょに、また会うことができます。風に身をまかせて飛んでいく綿毛は、自分で行き先を決めることができません。それでもなお、綿毛が笑いながら飛んでいくのは、新たな出会いへの希望に胸を膨らませ、再び野原いっぱいに花を咲かせたいと願っているから。画面からあふれんばかりに描かれたたんぽぽからは、巡る命の輝きと生きるよろこびが伝わってきます。旅立ちの季節、出会いの春に読みたい絵本です。

読者の声

読者さま

何度も何度も読みました。(60歳・女性)

「いきたいところは えらべないのに かぜが いきさきは きめるのに でも わたげは わらいながら とんでいく また たんぽぽになりたくて」のところがすてきで、何度も何度も読みました。
そして、そこの絵がすばらしくこころにしみました。
読者さま

「わたげは わらいながら とんでいく」という節がすごく気に入りました。(67歳・女性)

「わたげは わらいながら とんでいく」という節がすごく気に入りました。
いきたいところは えらべないのに」まさに人生だと思いました。くきを精一杯伸ばして、少しでも遠くに飛んでいこうと自らも努力している、けどあとは身を風にゆだねるんだ。風と一緒に!

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書評

しあわせの約束 母のひろば718号(2024年3月15日発行)
 たんぽぽになりたいのはだれ?
 うさぎ? ちょうちょ? それともこのこ?
 そう思いながら、ページをひらくと――。
 たんぽぽになりたいのは、たんぽぽのわたげだった。わたげは笑いながらとんでいく。たんぽぽの花だったときの幸福な記憶を胸に、またあの幸福に出会うのを楽しみに、そのことが約束されていることがうれしくて。
 自分ではどうにもならないことを受け入れて、自分が自分になることに、もうこれ以上のしあわせはないと、このちっぽけなたんぽぽのわたげは知っている。そのふわふわのからだごと感じている。
 だから、たんぽぽのわたげは笑っている。こどももうさぎもちょうちょも笑っている。どのページもどのページも笑顔がいっぱい。明るいひかりがページからあふれだして、わたしたちのこころまで明るく照らしだしてくれるようだ。
 読みながら笑顔になっている自分に気づく。
 自分を肯定することの大切さとか、自分が自分であることの大事さとか、おとなはすぐそんなことを考えてしまうけれど、おとなだって、ただうれしくなりたくて読めばいい。こどもたちがそう読むように。
石井 睦美/児童文学作家

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