2023.08.24

<ニュース>降矢ななさんの絵本が改訂新版で登場! 『たびにでよう』

長年スロヴァキアで創作活動を続けている、絵本作家の降矢ななさん。
降矢さんがスロヴァキアに旅立った1992年にうまれた絵本『たびにでよう』の改訂新版を、このたびあらたに刊行しました。


「たびにでよう たびにでよう
 リュックをせおって あるいていこう」

そんな言葉といっしょに家を出発した、男の子と犬。

木の実を食べて男の子の耳が大きくなったり、魚と出会って男の子も魚になってしまったり……つぎつぎに奇想天外なできごとがおこりますが、男の子と犬は前へ前へと歩いていきます。
とても不思議で、ちょっと不気味で、とびっきり楽しい冒険物語。


実はこの絵本、言葉があるのは最初と最後だけ。
男の子と犬の冒険は、左から右へアニメーションのように描かれた絵で表現されています。

次のページへとイメージがつながっていくと、登場人物たちがいきいきと動き出し、さらに読む人のイメージをふくらませます。

作者、降矢ななさんの言葉をご紹介します。

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この絵本の中には、当時の私の気持ち……まだ見ぬ新しい世界への期待や不安、そして希望がこめられています。
この本のページをめくりながら、主人公の男の子と黒犬と一緒に不思議な世界を旅してください。
そして、みなさんがいつか『たびにでよう』って、広い世界への一歩を踏み出してくれたらうれしいです。

『たびにでよう』著者あとがきより)
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ただいま、富山県の「高志の国 文学館」では、「絵本作家 降矢なな原画展」が行われています。
本展の図録では、『たびにでよう』についても、作品の魅力やユニークな印刷方法について紹介されています。
『たびにでよう』の原画は、4色分版で描かれています。
黒、青、赤、黄、それぞれのインキ用の原画を描き、製版し、1色ずつ印刷していくのです。

そのイメージ動画も、展覧会にあわせて制作してくださいました。
1枚の絵ができあがっていく様子を体感できる楽しい内容です。
ぜひご覧ください。





「絵本作家 降矢なな原画展」は9月4日(月)が最終日となります。

ページをめくるたび、心がどんどん自由になっていくような、そんな絵本です。
本の中に広がる世界を旅してみてください。

(降矢なな・作)
たびにでよう

単行本絵本

たびにでよう

降矢なな

「たびにでよう たびにでよう リュックをせおって あるいていこう」
そんなリズミカルな言葉から始まる、男の子と犬のふしぎな冒険物語です。

木になっているリンゴを食べたら耳が大きくなって、いろいろな音が聴こえてきたり……。木イチゴを食べたら鼻が長くなって、きれいな小鳥たちがとまりにきたり……。
ほとんどのページに文字がなく、奇想天外なできごとがアニメーションのように左から右へと描かれています。

「この絵本の中には、当時の私の気持ち……まだ見ぬ新しい世界への期待や不安、そして希望がこめられています。この本のページをめくりながら、主人公の男の子と黒犬と一緒に不思議な世界を旅してください。そして、みなさんがいつか「たびにでよう」って、広い世界への一歩を踏み出してくれたらうれしいです。」(著者あとがきより)

降矢ななさんが、今も暮らすスロヴァキアへ旅立った年にうまれた絵本。
1992年初版の『たびにでよう』の改訂新版。改訂新版よりあとがきを追加しています。

  • 3歳~
  • 2023年8月1日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み