中国・韓国からのメッセージ

イ・オクべ

こんにちは。
 まずは、今回の日本で起きた大地震と津波の犠牲になられた英霊の冥福を祈ります。
 突然、家族と隣人と死別し、幸せなくつろぎの場所と故郷を失った皆さんにどのような慰労の言葉を申し上げればよいか分かりません。新聞と放送を通じて日本の報道に接しながら、たいへん大きな衝撃を受け、悲しい気持ちになりました。
 そして、大きな苦痛に毅然と対処する日本の方々の成熟した姿に大きな感動を受けました。
 早く悲しみから抜け出して、勇気を出して災難の困難を克服して下さい。
「日・中・韓 平和絵本」の第一弾が出版されることをうれしく思います。
 2005年に出発し、6年余りかかった末、ようやく出版することができたので、より一層感慨無量です。共に悩み励まして下さった作家、編集者、出版関係者の方々に感謝申し上げます。今は、日本にとって非常に難しい時期なので、出版の困難もあるでしょう。しかし、「子どもたちに戦争のない平和な世界を手渡したい」という「日・中・韓 平和絵本」の精神は、悲劇的な自然災害の前で平和を威嚇されている日本の子どもたちにとってさらに重要な意味を持って近づくことと思います。
 私は、今回の絵本で、戦争と死の場所でありながら自然の生命が調和した非武装地帯と、分断の鉄の扉を開き別れた家族と会いたい離散家族のおじいさんの悲しい心を描きました。現実の障壁を打ち崩す前に、心の中にある障壁からまず先に崩さなくてはなりません。  平和は自ら尋ねてくるのではなく、平和を望む切実な心によって現れるのです。
一冊の絵本が、すぐさま世の中を変えることはできませんが、平和な世の中を作るための小さな助けにでもなればどれだけ素晴らしいことでしょうか。

韓国・四季出版社・代表 カン・マルシル

 日本と中国・韓国から、志を同じくする画家が集まって'平和絵本'を企画するという話を初めて聞いた時、私は驚きました。お互いの辛い歴史を、絵本で子どもたちに聞かせるということは、まことに難しいことだと思ったからです。また、自国の過去や恥ずかしい歴史を、ありのままに認めて子どもたちに見せることによって、再び同じようなことが起こらないようにしたいという画家の方々の意志と勇気を見て、またさらに驚きました。すでに4年前のことです。

 その驚くべきことが、すでに実現されています。そうしたことを進行していきながら、数多くの困難を、賢く克服する様子を見て、制作にかかわるすべての方が、まことに美しく感じられました。互いの異なる考えが合意点に達していく過程を見ながら、'平和絵本'を作る方々の中に、すでに三か国の'平和'が定着していきつつあるという喜びを味わいました。このように勇気ある企画を私どもの出版社から出版することになったことは、たいへんな光栄であると考え、制作にかかわるすべての方々に感謝申し上げます。

 日本の今回の津波事件を見ながら、中国や韓国の大人だけでなく子どもたちも日本の痛みを自身の痛みのように共に感じ、困難を克服していっている日本国民に激励の拍手を送っているのを見ました。子どもたちが願うように日本にこれ以上原子力発電所の被害が広がらずに一日も早く解決されることを切実に望みます。

韓国・四季出版社・編集者 キム・ジャンソン

まず、大地震とそれにともなう放射能漏出事故で大きな苦痛を味わっている日本国民の皆様に、心より慰労の言葉をお伝えいたします。このように言葉だけで慰労の心を伝えることが、あまりにも無力で申し訳なく感じられます。私たちの善良な隣人たちが一日も早く悲しみを拭い去り力強くまた立ち上がることを切実に願います。

 今回の事態を通じて、私たちは地球全体が自然災害と戦争、核など人類の平和を威嚇する災難を前に、決して他人同士ではいられないという事実を切実に悟りました。しかも、体制が互いに異なる二つの強大国日本と中国と、地球上唯一の分断国家である韓国と北朝鮮が隣接していて、互いの間に遠くない過去において不幸な歴史を共有している東アジアの場合は、より一層言うまでもありません。

 そんな中、様々な困難の中、韓中日三か国の作家が力を合わせて子どもたちに平和のメッセージを伝える平和絵本第一弾が出版されたことは、北朝鮮が抜けているという物足りなさがあったりもしますが、非常に意味深いことだと言わざるを得ません。

 ただやっと第一歩を踏み出しただけなのですが、多くの時間と努力、そして共感と激励がこの大切な絵本の中に宿っています。私たちはその平和に向かった情熱を十二冊がすべて出版される時まで、いやその後にも、永遠に忘れるべきではありません。進んでこの大切な平和の種が全世界あちこちに広まって、寛容と愛の美しい花を咲かせられるように、皆で一緒に力を合わせて努力しなければならないでしょう。

 編集者として、そのように尊いことに参加していることを幸せに思います。

姚紅(ヤオホン)

中・日・韓・三か国には似通った風俗習慣や文化があります。長い歴史上には、すばらしい交流も、心の痛む不幸なできごとも記されています。思いやりと平等と尊重の気持ちがあってこそ、お互いに貴重な文化の富を分かち合えるのです。占領、略奪、殺戮という残虐な手段では、最終的にすばらしいもの全てを得られないばかりか、失うものの方がより多くなってしまいます。

訳林出版社社長 顧愛彬(クーアイリン)

尊敬する日本の読者の皆様
      画家の方々
      出版界の皆様

 皆さん、こんにちは。
このお祝いの言葉を書いているときにちょうど、日本で痛ましい地震が起こり、放射線も人々を脅かしているその光景には、心が痛みます。それに、日本の人たちが第二次世界大戦で受けた爆撃や原爆の苦しみを思いおこさせ、日・中・韓・三か国が手を携えた「平和を願う絵本シリーズ」の出版が、如何に有意義な事業であるかを深く感じさせられました。過去の苦難は、二度と起こらないようにしなければなりません。幸福な生活は、ぜひとも大切にしなければなりません。幸いなことに、訳林出版社はこのプロジェクトに加わり、中国において日本や韓国とともに、穏やかですばらしい暮らしを願って呼びかけることができるのです。
 中国語の「平和」という言葉は、心の静けさや穏やかさも表します。この「平和絵本シリーズ」の日本での出版が、日本の方々に寄りそって、地震の傷の痛みからぬけだし、心の「平和」をみつけだせるよう願っています。
 あらゆる日本の方々、読者、そして強い責任感をお持ちの画家と出版人各位が、いつまでも「平和」な生活を送れますように!

訳林出版社対外合作部主任  謝山青(シエシャンチン)

 一人の編集者として、このような三か国の最も優れた、使命感を持った絵本作家たちのグループに加わって、日本や韓国の出版人と共に仕事ができたことを、たいへん光栄に思っています。彼らの仕事への敬意や、まじめさと情熱には多くを学びました。共に努力した経験は忘れがたいものです。プロジェクトに携わった全ての仲間たちに感謝します。
 私たちの想いと願いが読者に理解され、受け入れられることを願っています。みんなが、この「平和を願う絵本シリーズ」を好きになりますように!

日・中・韓 平和絵本