報道カメラマンの課外授業 いっしょに考えよう、戦争のこと (全4巻) 

石川文洋 写真・文/茅野市立北部中学校 協力

報道カメラマン・石川文洋さんが取材した、ベトナム戦争をはじめとした、さまざまな戦争。その実態を、写真を通して子どもたちに語りかける平和の授業。戦争の実態を伝えることを通じてはじめて、平和の大切さ、命の尊さがわかる。今だからこそ伝えたい大切なことは「命どぅ宝」。生きていればこそ。

  • 揃定価12,320円 (本体11,200円+税10%)
  • 初版:2018年3月20日
  • 判型:各A4判/サイズ:各30.3×21.6cm
  • 頁数:各47頁
  • 小学5・6年~
  • ISBN:978-4-494-04572-3
  • NDC:916

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内容説明

報道カメラマン・石川文洋さんが取材した、ベトナム戦争をはじめとした、さまざまな戦争。その実態を、写真を通して子どもたちに語りかける平和の授業。戦争の実態を伝えることを通じてはじめて、平和の大切さ、命の尊さがわかる。今だからこそ伝えたい大切なことは「命どぅ宝」。生きていればこそ。

関連情報

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2018/5/29

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1戦争はどう報道されたのか

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戦争は多くの人間の命をうばう。では戦争をなくするためにどうしたらよいか。戦争がどのようなものなのか、事実を知り悲劇を見つめ、「命どぅ宝」について考え、起こるかもしれない戦争を想像する力をつけることだ。

  • 小学5・6年~
  • 2018年3月20日初版
  • 定価3,080円 (本体2,800円+税10%)
  • 立ち読み
2沖縄・戦いはいまも続いている

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  • 小学5・6年~
  • 2018年3月20日初版
  • 定価3,080円 (本体2,800円+税10%)
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3ベトナム・未来へ語り継ぐ戦争

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ベトナム戦争は世界でこれまで起きた戦争の中で唯一、世界中のジャーナリストが自由に取材できた戦争だ。4年間従軍した著者が記録したベトナム戦争の写真を通して、戦争の実態とは何かを子どもたちに問いかける。

  • 小学5・6年~
  • 2018年3月20日初版
  • 定価3,080円 (本体2,800円+税10%)
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4命どぅ宝 戦争はなぜ起こるのか

報道カメラマンの課外授業 いっしょに考えよう、戦争のこと

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日本の戦争がどのようなものだったかを学ぶことは大切だ。なぜなら戦争は悲劇だから。二度と戦争をくり返さないために、戦争のことを知り、教訓として生かし、相手の国を理解し、話し合うことが戦争を防ぐ力になる。

  • 小学5・6年~
  • 2018年3月20日初版
  • 定価3,080円 (本体2,800円+税10%)
  • 立ち読み

書評

死体の写真に生徒が見入った (『週刊金曜日』1186号) 2018年6月1日
 ベトナム戦争を始め、数多くの戦場を撮影してきた報道カメラマンの石川文洋さん。彼が長野県内の中学校で、2010年9月から16年3月にかけて平和学習の授業を行なった。その様子と、生徒や先生の感想を収録したのが本書だ。
 特にベトナム戦争での石川さんの写真は、バラバラになった酷い死体や、殺害した人体から肝臓を切り取り食べる南ベトナム兵など、目を背けたくなる場面も多い。授業で使う写真を選ぶ際、生徒にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を与えないか、教師は気を揉んだという。
 ところが授業中にたばこを吸うなど、落ち着きのない生徒らが見入ったのは、こうした戦場での死体の写真だった。ある教師は「ここに生徒や教師、学校行事、ひいては時代が求めるものがある気がした」と振り返る。
 教科書通りの道徳教育や平和学習が関心を引きにくいのに、家が焼け、死体が転がる戦場の写真が生徒の心に刺さったのはとても示唆的だ。
 ひとつは、スクールカーストやいじめが渦巻く教室もまた「戦場」だということ。生徒の一人は感想文に「加害者と被害者がいるのはいじめも戦争も同じ。自分は傍観者になりたくない」と綴った。石川さんの写真が、生徒を映す「鏡」の役割を果たしたといえる。
 もう一つは、大人が批判を恐れ、忖度していること。死体の写真をめぐり、教師の間で「生徒がトラウマになったら誰が責任を取るのか」ともめたが、石川さんは「沖縄では幼稚園児でも見ていますよ」と諭した。
 戦場の死体の写真は、教室という戦場で語られる「平和」、沖縄などの犠牲の上に立つ日本の「平和」のウソを射抜いた。だから生徒は見入ったのだろう。
斉藤円華/編集部
教育新聞 2018年5月17日
教育新聞 2018年5月17日
中学生と一緒に考えた「戦争」 石川文洋(母のひろば647号) 2018年4月15日
 私は80歳になりました。2日前にベトナムとカンボジアの旅から元気で帰ってきました。こうしてまだ現役カメラマンを続けていられることが嬉しいです。私には、これからもカメラマンとしての夢があります。撮影したい対象もあるし、過去の写真を整理して発表したいとも思っています。
 中でも、今回童心社から「報道カメラマンの課外授業 いっしょ に考えよう、戦争のこと」全4巻を刊行できたことは、最大の夢が実現した思いです。それも、私の住む長野県の中学校で10回にわたり行った授業で、生徒たちに見てもらった写真と生徒たちが書いた感想を掲載した本になったことに、喜びを感じています。
 私は年を重ねるにしたがって、これまでに見てきた戦争の実態を次の世代に伝えたいと思うようになりました。そのような時に声をかけてくださったのが、長野県茅野市北部中学校の両角 太先生でした。茅野市には小学校9校、中学校3校があり、1988年から生涯学習を実施しています。その一環に外部講師による授業があります。2010年は北部中がモデル校なので、戦争について話してもらえないかとのことでした。私にとっては渡りに舟と、喜んで承諾しました。しかも、話の内容に制限はなく、どのような写真を見せてもよいと言うのです。この学校側の判断は画期的なことだと思いました。
 私は諏訪地区3市2町村の高校教員の研究会で「学校は戦争教育に関して腰が引けている」と話したことがあります。沖縄や広島へ行って、地上戦や原爆で日本の民間人が大きな被害を受けたことを知るのも大切ですが、中国大陸ほかで加害者となっていたことも、 もっと生徒たちに知らせるべきだと思っています。
 「私が見た戦争」がどのように生徒に受け止められるか不安でしたが、毎回、学年の全生徒127人が熱心にスライド映写を見て話を聞いてくれ、まったく私語もなく飽きた様子も見られませんでした。1年生の時から卒業するまで4回講義をし、全校生徒にも1度話をしました。さらに別の学年に対して、入学から卒業まで5回の講義を持つことができましたが、生徒たちが熱心だったのは写真の力だったと思います。
 アジア・太平洋戦争(沖縄戦を含む)を除く写真は、私が撮影したものですが、生徒たちにはすべてが初めて見る戦場や被害者の姿だったと思います。生徒たちに戦争を伝える機会をつくってくださった北部中の校長ほかすべての先生方、本を刊行してくださった童心社の皆様に深く感謝しています。
(いしかわ ぶんよう/報道カメラマン)

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