単行本図書

空と星と風の歌

小手鞠るい 作/堀川理万子

「わからないだろうなぁ、日本社会で、自分が日本人であるということを、砂つぶひとつほども疑ってみたことのないだろうあなたには、到底、わからないでしょう。ま、わからなくて、当たり前だけれど。」在日朝鮮人二世の男性との出会いが中学生・空奈の心を大きく揺さぶった。「日本社会にはね、朝鮮人に対する根深い差別があるんだね。昔は仲良くつきあっていたこともある両国なのに、なぜなんでしょう。」差別。いろんな差別。腹立たしい差別。醜く、根強い差別。「日本をいい国にしていくためには、差別や偏見や憎悪のない社会を作っていかねばならないのだと。大人にはもう何も、期待していなかった。でも、子どもたちには期待していた。これからの日本を作っていくのは、子どもたちだから……」こんなこと、学校では教えてくれなかった。けれども「教えてくれなかった」ことは「知らなかった」の言い訳にはならない。みずから、知ろうとしなくてはならないのだ……。母が韓国人である、ただそれだけの理由でいじめられた少女。車椅子の少年が日本を離れアメリカで感じた自由。
三つの短編が織りなす、差別のない社会を希求する力強い物語。

  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 初版:2023年11月10日
  • 判型:四六判/サイズ:19.4×13.4cm
  • 頁数:167頁
  • 小学5・6年~
  • ISBN:978-4-494-02083-6
  • NDC:913

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内容説明

「わからないだろうなぁ、日本社会で、自分が日本人であるということを、砂つぶひとつほども疑ってみたことのないだろうあなたには、到底、わからないでしょう。ま、わからなくて、当たり前だけれど。」在日朝鮮人二世の男性との出会いが中学生・空奈の心を大きく揺さぶった。「日本社会にはね、朝鮮人に対する根深い差別があるんだね。昔は仲良くつきあっていたこともある両国なのに、なぜなんでしょう。」差別。いろんな差別。腹立たしい差別。醜く、根強い差別。「日本をいい国にしていくためには、差別や偏見や憎悪のない社会を作っていかねばならないのだと。大人にはもう何も、期待していなかった。でも、子どもたちには期待していた。これからの日本を作っていくのは、子どもたちだから……」こんなこと、学校では教えてくれなかった。けれども「教えてくれなかった」ことは「知らなかった」の言い訳にはならない。みずから、知ろうとしなくてはならないのだ……。母が韓国人である、ただそれだけの理由でいじめられた少女。車椅子の少年が日本を離れアメリカで感じた自由。
三つの短編が織りなす、差別のない社会を希求する力強い物語。

読者の声

読者さま

過去を知り差別の根っこを知ることが理解や思いやりにつながる。(72歳・女性)

知らないことが不安を招き、差別につながる。この本を通して、過去を知り差別の根っこを知ることが理解や思いやりにつながる。過去のあやまちに目をつぶったりふたをしたり、なかったことにして差別や偏見を生んではならない。小さなうちからきちんと世の中のあらゆることを知ることが大切。
紙の本で良質ですぐれた子どもの本をつくり続けてほしい。
読者さま

大変興味深く読ませていただきました。(69歳・女性)

新聞の紹介文で見つけ本を買いました。大変興味深く読ませていただきました。在日コリアとして今、様々な差別を目の当たりにしていますが、この社会にはもっとたくさんの差別や偏見があり、ひょっとしたら自分自身も少なからずその様な考えがなかったか、かえり見ることができました。作者さんの他の作品も読んでみます。
読者さま

生きる意味を難しく考えることはないと伝えられそうです。(50歳・女性)

分かり易く歴史を伝えられていたと感じる。小中学生に向いている(解説するよりも理解させられる)と思います。人物像も想像しやすく描かれていると思います。
「風に吹かれて」は留学を考えている高校生にも読ませるとよいと思いました。また生きる意味を難しく考えることはないと伝えられそうです。
読者さま

孫たちにプレゼントして、この事実を知ってほしいと切に思いました。(79歳・女性)

孫たちにプレゼントして、この事実を知ってほしいと切に思いました。80才を迎える年です。この国はアジアの国々、お隣の国と仲良くやっていく知恵が足りません。この国の犯した罪は大きいです。心より許して頂くことが大切です。
読者さま

子どもでなくても充分に学びのある作品だと感じました。(42歳・女性)

小手鞠るいさんがずっと好きなのですが、少し前に講演会に参加してから、児童書も読んでみようと思い、こちらを購入しました。スラスラと読み進めることができ、子どもでなくても充分に学びのある作品だと感じました。日本人として、また人間としてどう生きるか、自分はどう生きたいのかを見つめ、考えるチャンスをいただきました。
読者さま

とても読みやすかったです。(55歳・女性)

とても読みやすかったです。生きていくこと、国のこと、差別のことを考えました。むずかしいことを自然と考えさせられて、歴史が苦手な私でも理解できました。タイトルと名前の呼応、本の装丁が美しいです。ちがいを認めることが差別をなくすことにつながると思います。すてきな本をありがとうございました。

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