単行本図書

日本語の数えかた図鑑

グループ・コロンブス 編著/青木伸生 監修/山本暁子

日本語では、ものを数えるときに、数をあらわす語=数詞(一、二、三……)のあとに、数えるものの形や性質に対応した言葉がつきます。これを「助数詞」といいます。本、個、台、杯、枚、皿、玉、人、手、匹、階、回、歳、番、度、発、月、日、年……。日本語表現の豊かさ、言葉で育まれた日本の文化にふれる一冊です。

  • 全国学校図書館協議会選定
  • 定価4,730円 (本体4,300円+税10%)
  • 初版:2023年1月18日
  • 判型:A4判
  • 頁数:88頁
  • 小学5・6年~
  • ISBN:978-4-494-01873-4
  • NDC:810

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内容説明

日本語では、ものを数えるときに、数をあらわす語=数詞(一、二、三……)のあとに、数えるものの形や性質に対応した言葉がつきます。これを「助数詞」といいます。本、個、台、杯、枚、皿、玉、人、手、匹、階、回、歳、番、度、発、月、日、年……。日本語表現の豊かさ、言葉で育まれた日本の文化にふれる一冊です。

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2023/5/8

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書評

助数詞の使い分けは、日本人の繊細さから 母のひろば705号(2023年2月15日発行)
 かつてジブリの映画『千と千尋の神隠し』を観たときに、相手の名前を知ることは、相手の存在を認識することなのだと実感しました。逆に考えると、自分の名前を知ることが、自分自身の存在を確かめることだといえます。私は小学校の教員をしているので、子どもの名前を覚え、名前で呼ぶことの大切さをあらためて感じた映画でした。
『日本語の数えかた図鑑』は、日本人がいろいろなものをどのように数えてきたかを整理して掲載している図鑑です。数えるときに、数字の後に付ける言葉を「助数詞」と言いますが、日本語には、実に多くの助数詞があることが分かります。助数詞を付けるには、数える対象のことをよく知り、そのものの特徴をとらえることが必要です。日本人は、身のまわりのものに対して、とても細やかに認識し言葉として表現してきたことが、助数詞の数の多さからもわかります。
 植物のことを例にして考えてみましょう。庭に植えてある木は、1本、2本と数えます。しかし、植物が鉢植えになっていたら、1鉢と数えるように、助数詞が変わります。花は1輪ですが、花びらになると1枚とか、ひとひら(1片)と言うようになります。藤の花のように、まとまっていて垂れ下がっている花は、1房と数えます。草花の1つ1つは1本ですが、複数の花を枝や茎から切って束ねると1束になります。植物でも、形や様子、状態によって細やかに数え方を使い分けていることに気づきます。こうした使い分けを、この図鑑であらためて実感することができるのです。
 また、普段の生活の中ではあまり使われなくなった助数詞での数え方を知ることもできます。包丁やはさみなどの道具は、今では1つとか1本などと数えますが、もともとは1挺(ちょう)と数えていました。バイオリンや三味線なども1挺と数え、さらには習字で使う墨やろうそくも1挺と数えるのだそうです。この図鑑を読むと、「へえ、そうなんだ」と思う言葉がいろいろ出てきます。
 コラムも充実していて、「チョウを1頭と数えるのはなぜか」「人の年齢の数え方のいろいろ」なども豆知識として知ることができます。
 巻末には「数え方ワークシート」が付いているので、自分がどれぐらい数え方を知っているか、また、この図鑑を通して身につけることができたかを確かめることもできます。
 この図鑑を手にして、いろいろなものの数え方を知り、それを通して日本人の繊細な心遣いにふれていただければ幸いです。
青木伸生/筑波大学附属小学校教諭

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