2023.05.08

<新刊紹介>日本語の奥深さ、言葉のおもしろさにふれる『日本語の数えかた図鑑』

突然ですが、スーパーの鮮魚コーナーにならぶ、さまざまな魚を思い浮かべてみてください。

タイ、「一尾」。
ヒラメ、「一枚」。
サンマ、「一本」。
お刺身用のマグロ、「一さく」。

……お気づきですか?
「魚」という同じ種類ではありますが、姿や状態によって、数えかた(「助数詞」といいます)が変わるのですね。

魚が生きているときは「一匹」と数えますが、獲物・商品となったときに「一尾」に。
ヒラメにように平たい形なら「一枚」、サンマのように細長い形なら「一本」、身を短冊状に切ると「一さく」――といったように、それぞれに合った数えかたがあり、使い分けられているのです。


『日本語の数えかた図鑑』では、「生きもの」「身につけるもの」などのカテゴリ別に、日本語のもつさまざまな数えかたを調べることができます。

「『頭(とう)』で数えるようになったわけ」、「和だんすを『棹(さお)』で数えるようになったわけ」など、数えかたにまつわるコラムや豆知識も数多く掲載されています。


本書の監修をつとめた筑波大学附属小学校教諭の青木伸生先生は、日本語のもつ多様な数えかたについて、こう書いています。

「これらは、私たち日本人が、きめ細やかに言葉を使い分けて生活している証拠です。
私たちは、ものを数えるときに、数えるもの(対象)を見つめ、生活の中でどのように使われているのか、役立っているのかまで考えているのです。
これは、日本人の心を映し出している、ともいえるでしょう。」
『日本語の数えかた図鑑』より)


日本語の豊かさも感じられる、数えかた。
子どもたちが楽しみながら、さまざまな発見ができる1冊です。

小学校4年生の国語の単元「日本語の数え方について考えよう」にぴったり。
ぜひご活用ください。

87ページ、小学校中学年から。
(青木伸生・監修)
日本語の数えかた図鑑

単行本図書

日本語の数えかた図鑑

グループ・コロンブス 編著/青木伸生 監修/山本暁子

日本語では、ものを数えるときに、数をあらわす語=数詞(一、二、三……)のあとに、数えるものの形や性質に対応した言葉がつきます。これを「助数詞」といいます。本、個、台、杯、枚、皿、玉、人、手、匹、階、回、歳、番、度、発、月、日、年……。日本語表現の豊かさ、言葉で育まれた日本の文化にふれる一冊です。

  • 小学5・6年~
  • 2023年1月18日初版
  • 定価4,730円 (本体4,300円+税10%)
  • 立ち読み