絵本・こどものひろば

バスていよいしょ

重松彌佐 作/西村繁男

学校から帰ってきたら、しんごくんの家と古いお屋敷の真ん中に、バスていが立っていました。「よいしょ、よいしょ」しんごくんがバスていをおしたり、ひっぱったりしていると、駕籠かき、浪人者、お姫さまが通りかかります。そして「したに~ したに~」大名行列がやってきて、お殿さまが「そのほう なにを しておる。わけがあるなら はなしてみよ」しんごくんがわけを話すと…。第8回絵本テキスト大賞・大賞受賞作品です。

  • 第8回絵本テキスト大賞・大賞
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 初版:2017年7月10日
  • 判型:B5判/サイズ:19.1×26.6cm
  • 頁数:32頁
  • 4・5歳~
  • ISBN:978-4-494-01556-6

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内容説明

学校から帰ってきたら、しんごくんの家と古いお屋敷の真ん中に、バスていが立っていました。「よいしょ、よいしょ」しんごくんがバスていをおしたり、ひっぱったりしていると、駕籠かき、浪人者、お姫さまが通りかかります。そして「したに~ したに~」大名行列がやってきて、お殿さまが「そのほう なにを しておる。わけがあるなら はなしてみよ」しんごくんがわけを話すと…。第8回絵本テキスト大賞・大賞受賞作品です。

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書評

ひらけば、二冊がぴっかぴか(母のひろば639号・第7回・第8回の絵本テキスト大賞受賞作『マスク』『バスていよいしょ』書評より) 2017年8月15日
 スーパーに行く途中、ちょうど宅急便の人に会って〈それ〉を受け取りました。スーパーのベンチで急いで開けて見た〈それ〉は、第7回・第8回の絵本テキスト大賞を受賞した『マスク』と『バスていよいしょ』の校正刷りでした。
 絵本テキスト大賞は、絵本作家の発掘と育成を願って、毎年、日本児童文学者協会と童心社が主催しているもので、絵本の文~ことば~だけを審査します。大賞に選ばれると、素敵な 画家さんたちの絵がついて絵本として出版されるのです。
第7回・第8回は、私が選考委員を務めました。私にとって初めてのことで、公募で何百通と来る原稿、全部読んでちゃんと選考できるかちょっと不安でした。でも大丈夫。選考にご一緒した児童文学作家の丘修三さん、内田麟太郎さん、童心社の編集者さんらが頼もしかった。
 そして、文だけで選考した受賞作に絵がついて、まだ未完ながら、絵本としていま私の目の前にあるのです。表紙の絵を眺め、ページをめくりながら「おお!  2冊ともいいんでないの!!」と思わず声が出ました。新鮮でなんだかうれしい。
『マスク』は、絵本にしたらおもしろそう、自分が描いたらどんな絵本になるかな、なんて思いながら選んだテキストでした。絵は林なつこさん。表紙のぶたくんと水玉模様のマスクがぱっと人目を引きます。自分の鼻が好きではなく、マスクで 隠そうとするぶたくん。そこにつぎつぎとやってくる動物たちのやりとりが愉快です。わたしはわたし、ぼくはぼく。みんな違っていいんだよね。いい仲間たちでよかったね。
『バスていよいしょ』は、西村繁男さんの絵。テキストを読んだとき、話はおもしろいけれど、主人公のしんごくんとバス停の前に現れる、駕籠かきや、浪人者、お姫様など、江戸時代にタイムスリップしたような登場人物がどうシンクロしていくのか、今ひとつイメージできませんでしたが、そこはさすが西村 さん。軽妙洒脱な筆致で、ちょっとシュールな世界。やってくれましたね。どうしてもバス停を移動させたいしんごくん。しんごくんのおばあちゃんに対するやさしさがみんなを動かしたんだね。
 絵本は、文と絵のコラボレーションです。絵は文を説明しない。文は絵を説明しない。ことばが語る、絵が語る。1冊の絵 本は、そうして何倍もおもしろいもの楽しいものになって生まれていく。それが絵本の妙味かな。
(長谷川智子/絵本作家)
日本農業新聞 2017年8月2日
子どもと読書 2017年11・12月号(No.426)
渡邉基史

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