おばけ・行事えほん

たなばたにょうぼう

常光徹 文/野村たかあき

子どもたちが大好きなおばけ。怖くて不思議な存在ですが、季節や行事に関わりのあるお化けもいるのです。
そんなお化けが登場する行事のお話を春夏秋冬それぞれの季節にお届けします。
『たなばたにょうぼう』は、七夕の由来話。
化け狐を助けた縁で地上の男が天人を女房にします。天上に帰った女房を追いかけた男を待ちかまえていたのは、女房の母神。次々に難題をなげかけてきますが……。

  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 初版:2017年5月10日
  • 判型:B5変型判/サイズ:25×19.2cm
  • 頁数:32頁
  • 4・5歳~
  • ISBN:978-4-494-01460-6
  • NDC:913

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内容説明

子どもたちが大好きなおばけ。怖くて不思議な存在ですが、季節や行事に関わりのあるお化けもいるのです。
そんなお化けが登場する行事のお話を春夏秋冬それぞれの季節にお届けします。
『たなばたにょうぼう』は、七夕の由来話。
化け狐を助けた縁で地上の男が天人を女房にします。天上に帰った女房を追いかけた男を待ちかまえていたのは、女房の母神。次々に難題をなげかけてきますが……。

書評

めずらしくてふしぎな 日本の七夕物語(母のひろば637号)  2017年6月30日
 こどもたちが大すきな年中行事、七夕。一年に一度、どんなことでもお願いしていいとあって、こどもたちは親にも言えないお願いを、おぼえたばかりの文字で短冊に書いて、大喜びです。
 そんな七夕のおはなしといえば、中国の織姫と彦星の物語が思い浮かぶのではないでしょうか。でも、天からやってくる女性の物語は、中国だけでなく世界中で伝えられており、日本でも全国各地で、七夕の行事とともに語り伝えられてきたのです。
 そんな、これまであまり紹介されることがなく、知られていなかった日本の七夕の昔話が、『たなばたにょうぼう』で、読みごたえたっぷりに描かれました。作者の常光徹さんの故郷、高知の昔話で、西部幡多(はた)地方の言葉を残して書かれているので、独特の語り口が印象的です。
 中国では、もっぱら牛が主人公の若者を助けますが、この物語では、ふしぎな狐が登場します。狐の助けを得て、七夕女房を追いかけ天までのぼる主人公。野村たかあきさんの描く、天の川の力強い流れがふたりを隔てます。それほどに愛しい人と一年に一度しか会えなくなる物語を、人はなぜずっと語り伝えてきたのでしょうか。星空を見上げながら、こどもたちの喜びとは別に、そんな謎にも思いをはせてみたくなります。
中脇 初枝/作家

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