単行本絵本

りんごがひとつ

いわむらかずお さく

「なっちゃんはおかのうえがだいすき」。丘の上でりんごを食べようと取り出すと、うっかり落としてしまいました。丘を下ってりんごを追いかけます。「まってよまって、わたしのりんご」。うさぎやりすも一緒に追いかけます。りんごがくるりんとまわると、りすもうさぎもなっちゃんもくるりんと転がります。さいごにりんごがどすんと当たったのは…。

  • 定価1,320円 (本体1,200円+税10%)
  • 初版:2015年9月1日
  • 判型:B5判/サイズ:24.1×17.1cm
  • 頁数:56頁
  • 3歳~
  • ISBN:978-4-494-00369-3
  • NDC:913

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1979年に銀河社より出版された『りんごがひとつ』を底本に、新たに出版します。現在は、フランス、スイス、オーストリア、スペイン、中国、台湾にて出版され、世界各地で読み継がれています。シンプルなストーリーを、贅沢にページを使い、丁寧に描かれた作品は、テーマでもある「命の継承」や、作者幼少期の疎開先での原風景などが、この作品に込められています。

内容説明

「なっちゃんはおかのうえがだいすき」。丘の上でりんごを食べようと取り出すと、うっかり落としてしまいました。丘を下ってりんごを追いかけます。「まってよまって、わたしのりんご」。うさぎやりすも一緒に追いかけます。りんごがくるりんとまわると、りすもうさぎもなっちゃんもくるりんと転がります。さいごにりんごがどすんと当たったのは…。

読者の声

読者さま

りんごがひとつの感想

りんごのあたたかい色が、ハートの色のようで、夕焼けの色のようで、優しく照らしてくれて、とてもおだやかな気持ちになりました。(41歳・女性)
読者さま

りんごがひとつの感想

りんごの赤と夕日の朱だけの色(グレーも色ですが)モノクロの中に楽しい世界が広がって、こういう絵本も幼児たちに好きになってほしいものです。
うさぎ、りす、くまの優しい表情、食べる音のちがいが声に出して読んだときによく伝わるとお思います。
ぜひ読みがたりに持参します。(61歳・女性)
読者さま

りんごがひとつの感想

ひとつのりんごから広がる楽しいストーリー。
それぞれの動物の食べる音が楽しいです。孫と楽しく声に出しました。(68歳・女性)

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2020/10/23

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書評

この本だいすき通信 2015年11月号 ちょっとお薦め、いまどき旬な絵本
大西紀子
日本農業新聞 2015年12月5日 BOOKすたんど
いのちの種(母のひろば616号) 2015年9月15日
 お気に入りの場所は、ありますか? そう唐突に訊かれてもねえ……という方におすすめしたいのが、なっちゃんの丘です。小ぶりな絵本の扉を開けば、丘はすぐそこ。大好きな場所でおやつにしようと、なっちゃんはてっぺんまで上ってきました。そよそよと風が吹き、陽射しにぬくもる草の匂いがします。かえるや虫の声が聞こえます。夏もそろそろ終わる頃。
 そうしたことがらは主に絵で、さりげなく語られています。なっちゃんがおおらかで少々うっかりやさんなことや、おっとりしているわりにすばしこいこと。丘の上でのハプニング(心地よいくり返しのリズム!)と、そのあとの動物たちとの楽しいひとときを、姿の見えないおひさまがずっと見守っていたことも、ページをめくるにつれてわかってきます。やわらかなタッチの絵の中に入り込み、心をすませば、なっちゃんたちの世界が生き生きと動き出し、豊かに広がっていきます。
 ラストシーンは、ほのぼのと染まった夕空。全ページ墨色の風景の中で、なっちゃんのりんごと夕映えだけが赤い。温かな、いのちの色です。
 充ち足りて本を閉じれば、最後の最後に思いがけない「つづきのおはなし」の種が! 物語も、りんごも、なっちゃんもわたしたちも皆、いのちの種を持ってるんだなあ。大切に育んで、手渡していきましょう。
南谷 佳世(みなみや かよ/編集者)

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