2025.02.25

絵本『クジラがしんだら』が第16回ようちえん絵本大賞を受賞!

全日本私立幼稚園幼児研究機構が主催する「ようちえん絵本大賞」。
「子どもたちに読み聞かせたい絵本」、「お父さん、お母さんにお勧めしたい絵本」を基準に選考される賞です。

第16回となる今年、絵本『クジラがしんだら』江口絵理・文 かわさきしゅんいち・絵 藤原義弘・監修)が選ばれました!
この作品を含め15冊が選定されています。

『クジラがしんだら』は、命を終えたクジラの体が深海にくらす生き物たちの命を支えつづける生態系「鯨骨生物群集」(げいこつせいぶつぐんしゅう)をテーマにした物語絵本です。

第16回ようちえん絵本大賞について、詳しくはこちらまで。
https://youchien.com/with-home#picturebook-grandprize__link
クジラがしんだら

童心社の絵本

クジラがしんだら

江口絵理 文/かわさきしゅんいち 絵/藤原義弘 監修

深海はえさが少なく、生きものが少ない場所です。ところが、ごくまれに巨大な食べ物のかたまりが降ってくる。それが命を終えたクジラです。クジラの体は、長ければ100年にもわたってさまざまな生物の命を支え続けます。
はじめはサメ、コンゴウアナゴなどが肉を食べ、タカアシガニやグソクムシなど小さな生物が続きます。骨だけになると、こんどはホネクイハナムシという骨を食べる生物があらわれ、その後も長期間にわたりクジラは分解されていきます。
このクジラの死骸を中心に形成される特殊な生態系は「鯨骨生物群集」と呼ばれ、近年の研究でその実態が明らかになってきました。

50~100年というのは、とほうもなく長い時間ですが、必ずどこかで終わりは来ます。
鯨骨に生きる生き物たちは、やがて別のすみかと食べ物を探さなくてはいけない。こんなに広い海で、そうつごうよく、沈んだ大きなクジラに出会えるものでしょうか?
しかし、まっくらな宇宙にも星があるように、深い海の底からあてどない旅に出かける生物たちにも、どこかに必ず明かりがあるのです。でなかったら、クジラに集う生きものたちがずっと子孫を残し、命をつなぎ続けることはできなかったはずです。

これは深海という厳しい世界に生きる生物たちの、いっときの大宴会を描いた物語絵本です。
監修は国立研究開発法人海洋研究開発機構の藤原義弘氏。

  • 4・5歳~
  • 2024年9月1日初版
  • 定価1,980円 (本体1,800円+税10%)
  • 立ち読み