2023.12.27

<連載⑫>来年もいい年になりますように『14ひきのもちつき』

ことし40周年をむかえた「14ひきのシリーズ」
1作ずつご紹介してきた連載企画、第12回です。
今回は、2007年に刊行された『14ひきのもちつき』です。

年の瀬のある日。
きょうはおもちつきです。

お米をせいろでふかして、うすのざぶとんになるわらをしいて――家族みんなで準備します。


ぺったん とったん、もちつきが はじまった。
ずしん ずしん、じめんが ゆれたよ おとうさん。

かわるがわる子どもたちもきねをもって、おいしいおもちがたくさんつけました。


作者のいわむらかずおさんは、「思い返せば子どものころからずっともちつきをしてきました。」とお話しくださいました。
なんでも、いわむらさんのお父さんがおもちつきが大好きだったそうです。
いわむらさん自身が父親となってからも、家族でおもちつきをするのが大きな楽しみでした。

「いわむらかずお絵本の丘美術館」にある農場では、田植えや稲刈り、そしておもちつきのイベントも行われてきました。
「いろいろなところからやってきた人たちが、いっしょにもちつきをするとすぐに親しくなれるんです。人と人を結びつけるものなんですよね。」といわむらさん。

14ひきといっしょにおもちつきをして、あたたかな気持ちで新しい年をむかえませんか?

1年にわたりおとどけしてきた「14ひきのシリーズ」の連載企画、お読みいただきありがとうございました。
40年前にうまれた14ひきの物語は、これからもかわらず、ずっと子どもたちのそばにあります。

家族といっしょ 自然といっしょ

14ひきのくらしは、わたしたちにとっての幸せをそっとおしえてくれる絵本です。

(いわむらかずお・さく)
14ひきのもちつき

14ひきのシリーズ

14ひきのもちつき

いわむらかずお さく

今日はおもちつき。
子どもたちも起きてきて、みんなでもちつきの準備です。まきをわり、かまどに火を入れたら、ゆうべから水につけていたお米を、せいろに入れてふかします。

重いうすやきねを準備したら、さあ、いよいよおもちつき。お父さんが力強くきねをふれば、ずしんずしんと地面がゆれます。子どもたちも順番にきねをもち、あたたかくてやわらかいおもちができました。

のびるのびーる、つきたてのおいしいおもち。あんころもち、きなこもち、くるみもちおいしそうなおもちが食卓にならんだら、家族みんなでいただきます。

朝の準備からおもちを味わうまで、おもちつきの1日を描いた人気シリーズ第12作。本作でも、1ぴき1ぴきそれぞれができる仕事を担い、自然の恵みに感謝し、生きる14ひきの姿があたたかく描かれています。「うすの下には、わらの座布団をしく」「もちがくっつかないよう、もちとり粉をつかってのばす」など、おもちをついて料理する過程も丁寧に描かれています。

  • 3歳~
  • 2007年11月15日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み