2023.12.08

<連載⑪>子どもたちだけのぼうけん!『14ひきのとんぼいけ』

ことし40周年をむかえた「14ひきのシリーズ」
1作ずつご紹介する連載企画、第11回です。
今回は、2002年に刊行された『14ひきのとんぼいけ』です。

おひる たべたら とんぼいけで あそぼう、と いっくん。
きをつけて いっておいで、と おかあさん。


いっくんはとっくんをかたぐるまして、さっちゃんはくんちゃんの手をひいて歩きます。
やさしくてたよりになる、おにいちゃんとおねえちゃんです。

とんぼいけについたら、木の枝でつくったボートでこぎだしました。


きいととんぼに、ものさしとんぼ。おおるりぼしやんま、しょうじょうとんぼ。

たくさんのとんぼと、いけのなかでたくさん遊ぶ、子どもたちです。


この作品で田んぼのため池を描いた、作者のいわむらかずおさん。
「ため池にはたくさんの生きものがいます。このことからも、農業が、人がくらす里の自然をささえていることを感じます。流れていく川と違って池は静止した水。波紋を描くことでさまざまな表情を見せられた」といわむらさんは語ります。

子どもたちだけのワクワクするとくべつなぼうけん。
10ぴきの成長を感じる1冊です。

(いわむらかずお・さく)
14ひきのとんぼいけ

14ひきのシリーズ

14ひきのとんぼいけ

いわむらかずお さく

暑い夏。木漏れ日がゆれている。
「昼ごはん食べたら、とんぼ池で遊ぼう」と、いっくん。
子どもたちみんなでおでかけです。

とんぼ池には、とんぼがいっぱい。
木のえだでつくったボートでこぎだそう。
カエルや、イモリ、ゲンゴロウもいるよ。

ヒグラシが鳴き始めた夕焼けの道。
赤トンボといっしょにかえろう。

たくさんのトンボたちと、水辺の生き物が登場する、人気ロングセラーシリーズ第11作。10ぴきのきょうだいたちは、ハグロトンボ、オニヤンマ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、ナツアカネなど、たくさんのとんぼたちと出会います。

アシの茎を登るヤゴ、オスがメスの上に直立するキイトトンボの産卵、水面に輪をつくってたまごをうむシオカラトンボ、水草の先に足をすぼめてとまり羽を休めるノシメトンボの群れ……。水辺にくらすトンボたちの生態のおもしろさや、卵/ヤゴ/成虫と姿をかえる命のつながりが、丁寧に描きこまれています。

  • 3歳~
  • 2002年6月30日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み