2023.07.24

<新刊図書>黄色いバナナは輸入できない!? たべもの産地図鑑 ②果物

「どこからきたの? たべもの産地図鑑」(全4巻)シリーズから、『②果物』をご紹介します。

とつぜんですが、問題です。
日本で最も消費量が多い果物はなんでしょう?


……答えはバナナ。

では、日本で最も輸入量が多い果物はなんでしょう?


……答えは実はこれもバナナ。



では、日本で最も食べられていて、最も輸入量も多いバナナの、国産の自給率は?


……実はなんと、0.1%以下。
バナナは年間を通して高温多湿を好む植物で、日本で育てることができるのは、沖縄などのほんの一部だけ。ほぼすべてを輸入に頼っているんです。

日本へと多く輸入されているバナナには、輸入方法にもバナナならではの工夫が。
日本では、青いバナナしか輸入できず、黄色くなったバナナは輸入できません。
その理由とは?


……答えは、虫がつく可能性があるから。
黄色く熟したバナナには、虫がつく可能性があるため、日本ではバナナが青い状態で輸入することがルールで決まっているそうです。

また、バナナには、さらに知られていないこんな一面も。
バナナの「木」は、高さが3m~5mあり、樹木のように見えますが、植物的には、実はなんと「草」。
幹のように見えるのは、大きな葉が重なってできた「偽茎」(ぎけい)で、一度実を収穫したら二度と実が実らないため、収穫後は伐採し、親株から子株をとり、また苗から育てるのだそうです。

高さ3m~5mにも成長するバナナ。苗を植えたから収穫できるようになるまで9~10か月。
フィリピンは日本のような四季がない気候なので、収穫は通年行えるそうです!


以上、ご紹介したのは、『②果物』の「バナナ」でした。

『②果物』本編には、他にもみかん、りんご、すいかなど、15の主要な果物が取り上げられていて、目からウロコの情報がぎゅっとつまっています。大人の方が読んでもおもしろく、興味深い情報が満載です。

小学5・6年生から/56ページ
井田仁康 監修/グループ・コロンブス 編
https://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494018789



②果物

どこからきたの? たべもの産地図鑑

②果物

井田仁康 監修/グループ・コロンブス

身近な果物の、国内や外国のおもな産地を紹介。それぞれの果物に適した土地や自然の条件や、品種改良など産地ごとの工夫を解説します。果物は半数以上を輸入に頼っています。機械化が難しく手間のかかる果物の栽培をめぐるさまざまな取り組みを、自給率とともに考えます。

  • 小学5・6年~
  • 2023年3月31日初版
  • 定価3,740円 (本体3,400円+税10%)
  • 立ち読み
どこからきたの? たべもの産地図鑑

どこからきたの? たべもの産地図鑑

井田仁康 監修/グループ・コロンブス

毎日食べている野菜や果物、肉や魚。どこでだれがつくり、どんなふうに運ばれて、スーパー、そしてわたしたちの食卓へ届いているのでしょう。主要な食べ物の、国内外の産地をとりあげ、生産や輸送の工夫、自給率、持続可能な生産について考えます。小5社会「日本の国土」「日本の食料生産」に対応。
『①野菜』、『②果物』、『③水産物』、『④穀物・畜産物』の4冊セット。

  • 小学5・6年~
  • 2023年3月31日初版
  • 揃定価14,960円 (本体13,600円+税10%)