2022.05.20

<連載・なんの日>5/23は「世界カメの日」『ウミガメものがたり』

5月23日は、「世界カメの日 World Turtle Day」です。
そこで今日は、絵本『ウミガメものがたり』をご紹介します。


だれも いない なつの すなはま。
うみの なかから なにかが やってきました。

ウミガメの おかあさんです。


物語は、ウミガメの産卵からはじまります。

砂浜に産みおとされた、100こほどの卵。
子ガメたちは、誰にも教わらず広い広い海をめざします。


日本で生まれた子ガメは、黒潮にのり2年かけて10,000㎞も離れたカリフォルニアの海へ向かいます。
さまざまな危険をのりこえ、約20年たつと、体長1m、体重100㎏ほどまでに成長します。
そしてまた、10,000㎞離れた日本をめざします。
それは、新しい命を産むためなのです。



ウミガメを待ち受ける困難には、天敵だけでなく人間の営みによって引き起こされるものもあります。
海をただようビニールやプラスチックは、ウミガメがクラゲやイカと間違えて食べてしまうことがあります。
ゴミにはさまって動けなくなってしまったり、ロープにからまったりすることも。

作者の鈴木まもるさんは、ウミガメについて「自分の本能を信じて、自分の生きる場所を見つけ生きている(※)」と語っています。
壮大な地球を旅するウミガメの力強い姿とともに、わたしたち人間がこれからどうあるべきかについても、考えるきっかけをくれる一冊です。


(鈴木まもる 作・絵)


※絵本「ウミガメものがたり」のこと (母のひろば625号) 2016年6月15日より

ウミガメものがたり

単行本絵本

ウミガメものがたり

鈴木まもる 作・絵

だれもいない夏の夜のすなはま。海の中からなにかがやってきました。ウミガメのお母さんがたまごを生みにきたのです。生まれた子ガメたちは、ちいさなひれをパタパタさせて、あかるいほうをめざしてゆきます。そのさきには……ひろいひろい海があるのです。壮大な自然の旅のはじまりです。日本から一万キロはなれたカリフォルニアをめざして。
厳しくも豊かな自然を生きるウミガメの成長を描いた物語。

  • 4・5歳~
  • 2016年5月15日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み