産婦人科医の遠見才希子さんがおくる新シリーズ「性とからだの絵本」の刊行を記念して、遠見さんと絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長の磯崎園子さんによるオンライン対談イベントが3月20日（日）に下北沢の本屋Ｂ＆Ｂにて開催されました。

イベントでは、遠見さんによるシリーズ３冊の読み語りとともに、3冊の絵本それぞれがどのように生まれてきたのか、エピソードが語られました。

「えんみちゃん」のニックネームで全国の中学校、高校などで性教育の講演を数多く行ってきた遠見才希子さん。そこで出会った中学生や高校生から「もっと早く知りたかった」といった声を多く聞いてきたそうです。
また、ご自身の子育てがはじまり、性教育を幼い子にどのように伝えようか考えるなかで、「子どもと一緒に考えられる絵本をつくりたい」と思うようになり、このシリーズが生まれたそうです。

性教育に限らず、子育ての中ではついつい、「○○しちゃだめ」と大人が伝えたいことを一方的に伝える形になりがちなもの。
このシリーズでは、子どもを主人公にした物語にすることで、子どもたちが共感したり、自分のこととして受け止め、たがいの心と体を大切にするためにどうしたらいいか、主体的にポジティブに考えられるよう意識したそうです。
また、「性教育だから」と身構えたり、予習したりする必要はなく、忙しいお父さんお母さんたちが、日々の暮らしや子育ての場面で、子どもたちと気軽に読めることも、この本の魅力として紹介されました。




大人の意見をおしつけず、子どもの気持ちや言葉をうけとめながら、お互いの心と体を大切にしていくこと……。

お二人それぞれの子育てのエピソードを交えながら、性教育に関する児童書の動き、性教育の国際的な基準に比べて日本の性教育はどうなのか、ジェンダーをめぐる現代の動きなど、幅広い観点から子育てについて考え、学ぶことができる中身の濃いオンラインイベントになりました。

4月22日（金）までの期間限定で、以下のページからイベントの閲覧チケットがご購入いただけます。ぜひご覧ください。

■【アーカイブ動画視聴】遠見才希子×磯崎園子 「絵本ではじめるポジティブな性教育」 新シリーズ「性とからだの絵本」（童心社）刊行記念
https://bbarchive220320a.peatix.com/

『うみとりくの からだのはなし』遠見才希子 作／佐々木一澄 絵
自分の体は、だれともちがう自分だけのかけがえのないもの。
双子の「うみ」と「りく」を主人公に、相手の体をさわるときには同意が必要なことなど、おたがいの体と意志を大切にするために知っておきたいポイントを丁寧に伝えます。
　（４・５歳から）

『あかちゃんが うまれるまで』遠見才希子 作／相野谷由起 絵　（４月4日発売）
「ぼく」の目を通して、季節がめぐる中で育まれていく命の重み、尊さが美しくあたたかい絵とともに描かれます。帝王切開や不妊治療などさまざまな生まれ方に触れながら、赤ちゃんができる仕組み、産科での診察のようす、胎児の成長と出産を、読み聞かせやすい言葉で、やさしく丁寧に伝えます。
　（小学校低学年から）

『おとなになるっていうこと』遠見才希子 作／和歌山静子 絵　（４月4日発売）
せいりってなんだろう？　男の子は泣いちゃだめ？ やがて思春期に起こる心と体の変化、そして性の多様性について知り、ちがいを認めあうことの大切さを、「ぼく」の目線から姉弟の成長を通して伝えます。
　（小学校低学年から）