2021.01.29

<いま、読みたい絵本>1年の最初は地獄で大笑い!? 『じごくのそうべえ』

早いもので2021年も1か月が終わろうとしています。
皆さん、今年はどんなことで「初笑い」しましたか?
まだ大笑いをしていない、という方にはこちら『じごくのそうべえ』はいかがでしょうか。



「とざい とうざい。
かるわざしの そうべえ。
いっせいちだいの かるわざでござあい。」

見事な綱わたりを披露するはずだった軽業師(かるわざし)のそうべえは、足をすべらせ死んでしまいました。

気づけばそこは、あの世へ向かう一本道。
そうべえは、歯ぬきしのしかい、医者のちくあん、山伏のふっかいと出会いました。
三途の川を渡って、えん魔大王のところへやってきますが、えん魔大王の気まぐれで、なんと全員が地獄行きになってしまったのです。



「そんな あほな。
なんで わしらだけ、じごくへいかんならんね。」

そこからはじまる、地獄での大騒動。
ふんにょう地獄に入れられ、人呑鬼(じんどんき)に飲み込まれ、針の山、熱湯の釜と次々にピンチがやってきますが、4人はまったくものともしません。
それぞれの得意技と知恵で、えん魔大王に立ち向かっていきます。
果たしてそうべえたちは、地獄行きになってしまうのか、はたまた生き返ることができるのか!?


1978年に刊行された本作は、桂米朝さんの高座で名高い上方落語「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」を題材に田島征彦さんが創作しました。
小気味いい関西弁と、ユーモラスかつ、大きなスケールで描かれた迫力満点の絵が、読み手を惹きつけます。

そうべえたちと一緒なら、地獄だって大笑い!
困難も元気に乗り越えていくパワーがもらえる一冊です。

(田島征彦・作)
じごくのそうべえ

童心社の絵本じごくのそうべえシリーズ

じごくのそうべえ

たじまゆきひこ

「とざい、とうざい。かるわざしのそうべえ、一世一代のかるわざでござあい。」綱わたりの最中に、綱から落ちてしまった軽業師のそうべえ。気がつくと、そこ は地獄。火の車にのせられ、山伏のふっかい、歯ぬき師のしかい、医者のちくあんと三途の川をわたってえんま大王の元へ。4人はふんにょう地獄や、針の山、熱 湯の釜になげこまれ、人を食べる人呑鬼にのみこまれます。そうべえたちははたして生き返ることができるのか、あとは読んでのお楽しみ。

桂米朝の高座で名高い上方落語の「地獄八景亡者戯」(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)を題材に、関西弁を駆使して描く、スケールの大きな落語絵本で す。第一回絵本にっぽん賞を受賞した、ユーモラスなストーリーが子どもたちに大人気のロングセラー絵本。

  • 3歳~
  • 1978年5月1日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み