2021.01.28

〈新刊絵本〉大人も子どもも笑ってしまうナンセンス絵本『ちこくのりゆう』

第9回絵本テキスト大賞を受賞した作品が、このたび絵本として出版されました。
今日ご紹介するのは、その名も『ちこくのりゆう』です。

「せんせい、きいてえな。
 あさおきたら、とうちゃんと かあちゃんが 
 カブトムシに かわっとったんや。
 ふたりとも くいいじが はってるし、
 なんや へんなもんでも たべて、
 こないなことに なったんやろうか。」





小学生の“ぼく”が、どうして、ちこくしてしまったか、理由を先生に説明する形で物語がはじまります。

カブトムシになった両親をおいて学校に向かったぼくは、ノラネコのタイショーに、学校に代わりに行ってやろうかと、声をかけられます。

タイショーに見つめられたとたん、

「あらあら ふしぎ
 ふしぎに どんぶらこ……」

なんと、ぼくはノラネコのタイショーに、タイショーはぼくの姿に変身してしまったのです……。


本作は第9回絵本テキスト大賞で、選考委員の満場一致で大賞受賞が決まりました。
最初の「カブトムシ」でびっくりしたのもつかの間、あっと驚く展開がつぎつぎに起こり、最後まで読者をひきつけ、はなしません。
テンポのよい関西弁の文章は、口に出して読むとなんとも楽しく、子どもたちと一緒に大笑いすることまちがいなしです。

皆さんは、どんなふうにちこくのりゆうを説明しますか? 親子で笑いながら読んでみてください。
大人も子どもも笑ってしまう、おすすめのナンセンス絵本です。


36ページ/小学1・2年生から
(森くま堂/作 北村裕花/絵)



ちこくのりゆう

童心社のおはなしえほん

ちこくのりゆう

森くま堂 作/北村裕花

先生、きいてえな。朝おきたら、とうちゃんとかあちゃんがカブトムシにかわっとったんや。だけど時計を見たら学校がはじまる時間やったから、いってきますと、ぼくはうちをとびだしてん。ところが、ノラネコのタイショーに声をかけられて、そのとたん……
ちこくのりゆうを先生に説明する体ではじまる物語は、ページをめくるたび度肝をぬかれる抱腹絶倒の展開をしていきます。
第9回絵本テキスト大賞受賞のナンセンス絵本です!

  • 小学1・2年~
  • 2021年1月20日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み